空港手続きの電子化に関する実証実験への参加について 〜成田国際空港において安全・迅速な旅客手続きモデルを検証〜
2007年1月12日
株式会社NTTデータ
(株)NTTデータは、国土交通省が推進する空港手続きの電子化に関する実証実験「SPT注1トライアル2007」に参加・協力を行います。この実証実験では、ICカード技術およびバイオメトリクス技術(生体認証技術)を活用した安全・迅速な旅客手続きモデルとして、指紋情報を登録したICカードを用いて出国審査手続きと航空会社の搭乗手続きを集約して行う仕組みを構築し、2007年1月30日より成田国際空港にて運用検証を行います。
国際空港における渡航に関わる諸手続きをITを活用して簡素化する取り組みは、各国政府機関などで構成される協同体により国際的に推進されています。国土交通省では関係府省、関係機関との連携により航空の安全を確保しつつ搭乗手続きの簡略化・迅速化を目指すための検討が進められています。
今回の実証実験は、こうした取り組みの一環として、国土交通省と法務省入国管理局が連携し、全日本空輸株式会社(以下、「ANA」)、株式会社日本航空インターナショナル(以下、「JAL」)、成田国際空港株式会社、およびNTTデータの協力の下で行われるものです。
- 実証実験の目的
空港における渡航手続きの迅速化と出国審査における確実な本人確認の実現のために、本実証実験では、指紋情報を登録した実験用ICカードを用いて出国審査手続きと航空会社の搭乗手続きを集約して行う仕組みを構築します。実験を通じて、仕組みの運用性の検証、バイオメトリクス情報の利用において検討すべき問題点等の把握を行うことなどを目的としています。 - 実証期間(予定)
2007年1月30日〜2007年3月23日 - 実施場所
成田国際空港第一旅客ターミナル、第二旅客ターミナル - 実証実験の概要
実証実験の流れについては次のとおりです。- 成田国際空港より出発するANAもしくはJALの運航する国際便を利用する旅客を対象にモニターを募集します。(2007年1月中旬以降、ANAおよびJALにおいてモニターの募集を開始する予定。)
- 成田国際空港でモニターに対して、指紋情報が登録された実験用ICカード「SPTトライアルカード」を発行します。
- 出国審査場に設置される自動化ゲートにて、SPTトライアルカードを利用した本人認証を行い、優先レーンを用いて優先的に出国審査を受けていただきます。また、出国審査場内で航空会社の搭乗手続きを併せて行います。
- モニターにアンケート調査を行い、回収したアンケート等から評価・分析を行います。
- NTTデータの役割
- 実証実験プロジェクトの企画、立案、運営
- ICカード・PKI注2・生体情報の登録といったセキュリティ技術の提供
NTTデータではこれまで国際空港の高度IT化を先導する「e-エアポート」構想の一環として実証実験や検討会への参加などを行っています。本実証実験においても、これまでの活動によって得られた成果及びノウハウをもとに、円滑な実施に貢献して参ります。
注1 SPT ( Simplifying Passenger Travel ) : 国際空港における旅客手続きをITを用いて簡略化する取り組み。
注2 PKI ( Public Key Infrastructure ) : PKI とは、公開鍵暗号方式と電子署名という技術を使って、ネットワーク上での安全な通信を可能とするようなインフラ基盤のこと。