負荷試験でも使える高性能なJavaプログラム性能測定ツール「 NeckLess 」のパッケージ販売、および性能測定サービスの提供開始 〜NeckLessのパッケージ販売、性能測定サービスまでトータルなソリューションを提供〜
2007年3月 8日
株式会社NTTデータ
ニューソン株式会社
株式会社NTTデータとニューソン株式会社(注1)は、NTTデータが平成17年から社内で開発・評価を実施してきたJavaプログラム性能測定ツール「NeckLessTM(ネックレス)」についてニューソンがNTTデータからノウハウの開示を受け、製品化および販売を実施することで合意しました。NeckLessは、NTTデータの独自技術により、性能測定時の負荷を最小限に抑制し、従来では困難であった負荷試験にも適用できる性能測定ツールです。
これに伴いニューソンでは、平成19年4月1日よりNeckLess製品の国内でのパッケージ販売、OEM提供および性能測定サービスの提供を開始します。
ニューソンでは、NTTデータグループ企業およびOEM提供ベンダ等と連携し、今後5年で13億円の売上を目指します。
【背 景】
NeckLessはプロファイラと呼ばれる、プログラム実行時の動作を分析するためのソフトウェアです。プロファイラは、システムがあらかじめ設定した性能(処理能力)で動作するかについて、システムの情報を取得する開発支援ツールで、処理能力の向上を阻害する要因(ボトルネック)の特定によく利用されています。
これまでも、市販製品やオープンソースプロダクトとして、プロファイラ製品は数多くありましたが、NTTデータのシステム開発に適用した結果、システム開発への適用には下記の制約があることを確認しています。
今回提供するNeckLessは、これらの制約を解消するプロファイラです。
(既存プロファイラ製品の制約)
<高負荷時に計測困難>
性能問題が最も発生しやすいのは、システムが大量の処理を行っている時(高負荷時)です。しかし、既存のプロファイラは、それを実行すること自体が大きな負荷となります。例えば、プロファイラを使用していないときと比較して数倍〜数十倍もの速度劣化が発生しています。このため、本来プロファイラを適用したい負荷をかける試験(過負荷試験時)やトラブル発生時などでは、高負荷時の計測が困難であり、プロファイラが利用できない制約がありました。
<ボトルネックの誤認識>
前述のように、既存プロファイラは、それを実行すること自体が大きな負荷であるため、その計測誤差によって、本来のボトルネックとは異なる箇所をボトルネックとして誤認識するという制約がありました。
【NeckLess製品の特徴】
<正確な計測結果>
NeckLessは、NTTデータの独自技術によってプロファイラ自体の実行の負荷を最小限に抑えることで、システム本来の性能特性をより正確に計測します。NeckLessのベンチマーク評価では、既存の市販製品やオープンソースプロダクトと比較し、計測による実行時間増加量が最も少なく(11%程度)、プロファイラを使用していない時とほぼ同程度のスピードで動作することが確認できています。この技術により、高負荷時でも実行負荷軽減による適用領域の拡大が可能となり、従来のプロファイラでは適用が困難であった負荷試験をはじめ様々な開発フェーズにも適用できるプロファイラを実現しています。
<ボトルネックの容易な絞り込み>
従来のプロファイラを使いこなすためには、システムの動作や計測の仕組みについて熟知しておく必要がありました。NeckLessは、NTTデータ独自開発のボトルネック絞り込み技術により、分かりやすいGUI操作のステップに従って分析を容易に実現しています。
<多彩な分析ツール>
性能問題の分析や性能の改善(パフォーマンス・チューニング)に役立つ実行時データを計測し、グラフや表を用いて視覚的に分析する機能を実現しています。例えば、NeckLessでは、データベースクエリの応答時間、ガベージコレクションの頻度、CPUとメモリリソースの使用率などを計測し表示することができます。
【ニューソンにおける販売・性能測定サービスの提供について】
ニューソンでは、下記3つを主軸としてNeckLessの販売とサービスを進めていきます。
- パッケージ販売
- コーポレイトライセンス:大手エンドユーザ向け(400万円/20サーバ)
- サーバライセンス:エンドユーザ向け(75万円/1ライセンス)
- タームライセンス:インテグレータ向け(9万3千円/1ライセンス)
注 タームライセンスは使用期間を1ヶ月に限定したライセンスです。
注 上記価格は予定価格で、販売時に変更される場合もがあります。
- OEM提供
- 主要Java開発ツールの提供ベンダ向け
- 対象とするアプリケーションサーバソフトやサーバ提供メーカ向け
- 性能測定サービス
- パッケージ購入顧客へのサービス提供
注 OEM供給先へも、提供を検討
注 測定結果を分析し評価する付加価値サービスも提供予定。
- パッケージ購入顧客へのサービス提供
【今後の展開】
<性能測定サービスの強化>
今後は、ツールのパッケージ販売という形態のほか、性能問題に関するコンサルティングの需要が更に伸びるものと予測しています。このため、ニューソンではそのニーズに応えられるよう、パートナー企業やNTTデータグループと連携して性能測定サービスを強化する準備も進めております。また、性能測定サービスだけでなく、性能問題の解決を行うコンサルティングサービスの準備を進めています。
<運用監視ツールとの連携>
現在のNeckLessは、開発中Javaプログラムの性能測定を行う開発ツールである「プロファイラ」として位置づけられます。今後は、本製品の計測時のシステム性能劣化が極めて少ないというアドバンテージを生かし、市販の運用管理ツールとの連携機能を強化することにより、システム運用時においても適用可能な「性能監視ツール」の一部として展開を実施していく予定です。
<海外での販売>
今回のライセンス販売および性能測定サービスの提供は、日本国内に限定しての事業化となります。しかし、本ソリューションは英語を始めとする他言語圏での活用も可能なソフトウェアとなっています。従って、NTTデータでは、海外市場のマーケティングを行い、NeckLessの海外販売に向けた検討を継続して進めて行きます。
注1 ニューソン株式会社
設立 | : | 昭和49年2月(1974年) |
資本金 | : | 7億4000万円(非上場) |
従業員 | : | 500名 |
事業内容 | : | 業務系システム開発/通信・制御系(組込)システム開発、オープンシステムの構築、ネットワークインテグレーション事業、パッケージ/ハードウェア開発販売。インターネットサービス事業。Linuxソリューション事業。 |
業務提携 | : | 2005年3月、株式会社NTTデータと資本提携し、技術開発/製品化/販売・マーケティング業務で提携を進めている。 |
注 NeckLessTMは、ニューソン株式会社の商標です。