財団法人結核予防会への「Health Data Bank®」のASP提供について 〜800万人規模の健診データ管理、データ流通が可能に〜
2007年4月20日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(代表取締役社長:浜口 友一、本社:東京都江東区、以下NTTデータ)は、健康診断情報を一括管理するASP注1サービス「Health Data Bank®(以下、ヘルスデータバンク)」を、財団法人結核予防会(会長:青木 正和、本部:東京都千代田区、以下結核予防会)に向けて本年(2007年)内に提供を開始します。(本年7月にプロトタイプ稼動)
結核予防会傘下の健診機関の受診者は、全国で800万人規模(従来の市町村住民基本健康診査と事業主による定期健康診断)であり、大規模な健診データを、ヘルスデータバンクにより、安全、確実に管理していきます。
2008年度施行となる「高齢者の医療の確保に関する法律」において、医療保険者に40歳以上の被保険者および被扶養者への「特定健診・特定保健指導」注2が義務付けられました。結核予防会本部では、医療保険者からの健診依頼に対して健診情報を電子的に記録するため、ヘルスデータバンクの採用を決定しました。結核予防会傘下の各県支部(健診機関)は、ヘルスデータバンクを活用し、データ蓄積やデータ保管をするだけでなく、提携企業との連携による請求代行業務や保健指導業務を順次提供する予定です。
【背 景】
2008年度に施行となる「高齢者の医療の確保に関する法律」において、40歳以上の医療保険加入者の「特定健診・特定保険指導」が義務付けられました。医療保険の被保険者は、医療保険者が提供する健診の受診が可能ですが、一方で、被扶養者は、受診可能な地域(たとえば、自宅に近い健診機関)がそれぞれ異なるため、健診の提供方法が課題となっておりました。そこで、全国の健診機関の取りまとめ機関となる結核予防会や地域の医師会等が、各医療保険者からの委託をうけ、被扶養者へ利便よく、健診を提供することとなりました。
なお、健診結果については、厚生労働省の定めにより、電子的保管が義務付けられており、健診機関、健診機関の取りまとめ機関、医療保険者では、2008年度の施行に向け、対応を進めています。
【ヘルスデータバンクの特徴】
ヘルスデータバンクは、NTTデータにてデータセンタを構築・運用し、企業や健康保険組合などの団体に対して健診データ管理サービスを提供するASPサービスです。利用者は新たにシステムを構築する必要なく、インターネットが利用できる環境があれば、初期投資をせずに本サービスを利用することができます。
(主な特徴)
- さまざまな種類のデータフォーマットに対応し、データ入力オペレーションも代行
企業などの団体が従業員などの健康診断を実施する場合、事業所が存在する地域ごとに契約した健診機関で受診させるのが一般的です。
企業などの団体が従業員などの健康管理を的確に行うには、組織や年度などの単位で健康診断結果データを容易に分析できるよう、データを一元管理することが必要です。
ヘルスデータバンクのサービスには、データを入力するオペレーションも含まれているため、共通の電子的フォーマットにて、健診データを一元管理することができます。 - webベースでの集計・診断ツールの提供
保健スタッフが指導するために利用するデータ表示機能、統計機能・業務支援機能をwebベースで提供します。これらの機能により、保健スタッフがアンケートやグループ指導など保健活動を実施することが容易になります。また、各健診機関により検査基準値の異なる検査データに対して標準補正表示を行うことにより、経年データ管理に基づく健康管理を、健診機関ごとの差異を吸収したうえで実施することが可能となります。 - 利用者への情報開示機能
健康管理を受ける利用者は、インターネット経由で個人の健康診断結果データを閲覧することが可能です(万全のセキュリティ、プライバシー管理のもと、個人ごとに閲覧用のホームページを作成することでご提供しています)。これにより、これまで紙などで個別に提供されていた診断結果を履歴や変化グラフで見ることが可能となり、個人の自己健康管理に役立てることができます。
【今後について】
今後は健診データおよび保健指導データの安全で確実な流通が重要な課題になっていきます。結核予防会本部では、関連団体や他団体においても、ヘルスデータバンクを共通システムとして導入を呼びかける予定です。
【全体概要図】
注 支部は全国にあり、上図の位地は正確な支部の所在を表すものではありません。
注1 |
ASP( Application Service Provider ) インターネットを介して利用者にアプリケーションを提供する事業者や仕組み。アプリケーションはサーバ側から配信し、クライアントはブラウザ上でアプリケーションを動かすため、利用者側はインターネット接続環境があれば特別なソフトウェアを必要としない。 |
注2 |
特定健診・特定保健指導 厚生労働省は、メタボリックシンドローム等の該当者・予備群に対する保健指導を徹底するため、効果的・効率的な健診の実施、および健診の結果に応じた健康改善につながる動機づけの支援を含めた保健指導について標準化し、保険者にそれらの実施を義務付けた。 |
注3 |
22世紀医療センター(東京大学医学部附属病院) 当該センターでは、東大病院を中心とし、医学関連サービスの研究と開発プロジェクトを推進している。当社は、健診情報学講座(寄附講座)を通じて、健診データをはじめとするライフサイエンス全般に関するデータの標準化手法について研究するとともに、健診機関や医療機関とネットワークを通じて標準化された良質なデータベースを構築し、分析解析を行っている。 |
注 | 「Health Data Bank®」は、(株)NTTデータの登録商標です。 |