「レセプトオンライン接続サービス」を9月より提供開始 〜医療機関等の既存のインターネット環境を利用したレセプトオンライン請求を実現〜
2008年7月15日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータは、医療機関・薬局等が既存のインターネット環境を利用して、審査支払機関へのレセプトオンライン請求を可能とする「レセプトオンライン接続サービス」を本年9月より開始します。
医療機関・薬局等は医療保険負担分の報酬について診療報酬明細書(レセプト)をもとに健康保険組合などに請求を行っていますが、平成23年度以降原則すべての保険医療機関・保険薬局においてネットワークを介した電子的なレセプト請求「レセプトオンライン請求」が義務化されることになります。これに対応して、各医療機関・薬局等は「レセプトオンライン請求」を行うため、高セキュリティなネットワーク接続環境を整備することが求められています。レセプトオンライン請求に関するセキュリティ条件を定めた厚生労働省の「レセプトのオンライン請求に係るセキュリティに関するガイドライン」および「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が平成20年3月に改定されたことにより、一定のセキュリティ条件を満たせば、レセプトオンライン請求をインターネットを利用して行うことが可能となりました。
今回提供を行う「レセプトオンライン接続サービス」は、医療機関・薬局等のインターネット環境にルータを設置するだけという簡単な方法により、インターネット上に医療機関と審査支払機関との間に仮想的な専用線を構築し、セキュリティの高いレセプトオンライン請求専用のネットワークを提供するものです。これにより、お客様(医療機関・薬局等)は複雑な設定をすることなく、ガイドラインに準拠したレセプトオンライン請求専用の環境を安心して利用することができるようになります。
レセプトオンライン接続サービス サービスイメージ図
【特徴】
- 既存の環境(ネットワーク、PC機器等)を最大限に活用
- 医療機関・薬局等で現在使用中のインターネット回線を利用できます。
- 医療機関・薬局等で現在使用中のパソコンを利用できます。(主要なOS:Windows、Linux等に対応します(注1))
- ルータ接続のみの簡単設定
- 医療機関・薬局等の環境に合わせてセキュリティ設定済みのルータを接続するだけで利用できます。
- 医療機関・薬局等で現在使用中のパソコンにVPNソフト等をインストールする必要はありません。
- 高セキュリティのネットワーク環境
- オンデマンドVPN(注2)技術を生かしたIPsec+IKE暗号化技術により、高セキュリティのネットワークを実現します。
- 運用後のサポートも含めて包括的なサービスを提供
- 当社のヘルスケア分野における豊富な実績を基にした充実したサポートを提供します。
【販売方法について】
本サービスはビジネスパートナを通じて9月より販売を開始する予定です。ビジネスパートナの対象として、地域医師会、NPO法人やレセコンベンダ、ハードベンダ等を想定しています。
提供価格はオープン価格です。
【今後の展開について】
NTTデータでは本サービスにより市場の30%のシェア獲得を狙い、2010年度末までに累積40億円の売上を目標としています。
NTTデータでは、2007年度から2009年度までの中期経営計画において、ヘルスケア事業領域を「成長エンジン」と位置づけ、将来的な市場成長が見込まれる当該領域のビジネス強化と社会基盤構築を目指しています。
NTTデータでは現在、医療・福祉・介護の分野において様々なサービスを提供しています。今回「レセプトオンライン接続サービス」としてセキュアなネットワーク基盤の提供が開始されることにより、同分野におけるアプリケーション、ネットワークなどを組み合わせたトータルソリューションの提供環境が整備されることになります。今後はさらに積極的に新たなサービスを展開し、医療・福祉・介護をはじめとした地域医療連携の充実に貢献してまいります。
注1 使用PCの動作環境について
レセプトオンライン請求に関わるパソコン仕様の全てに対応します。詳細は以下をご参照ください。
社会保険診療報酬支払基金HP
(http://www.ssk.or.jp/claimsys/index.html)
国保中央会HP
(http://www.kokuho.or.jp/)
注2 オンデマンドVPNの技術
オンデマンドVPN技術とは、IPsec+IKEの暗号化技術を用いて、インターネット上で要求に応じて任意のルータ間で安全かつ簡易にVPN(Virtual Private Network:仮想専用通信回線)の開設を制御できる技術です。
NTTデータの「レセプトオンライン接続サービス」の特徴として固定グローバルIPアドレスを必要としないなど、既存環境の変更を抑えて利用が可能です。
注 オンデマンドVPN技術は、保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク基盤普及促進コンソーシアム (HEASNET) による「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第2版」適合性評価を受けております。 |