里山をはじめとする身近な自然の保護活動を応援するWEBサイト「生きもの情報館」を構築 〜創立20周年記念事業の一環として〜

ニュースリリース/NTTデータ

2009年3月 5日

株式会社NTTデータ

 株式会社NTTデータは、財団法人日本自然保護協会(東京都中央区 理事長:田畑貞寿)の「生態系と生物の多様性を守り、持続的な社会を目指す」という趣旨に共感し、その活動を支援するため、里山をはじめとする身近な自然に生息する“生きもの”の情報を日本全国から集める「生きもの情報館」のシステムを構築しました。
 「生きもの情報館」は、WEBサイト上で生きものの観察記録を登録したり、簡単に分布図を作成したりできるシステムで、本日よりインターネット上で広く一般に公開いたします。
 なお、この事業はNTTデータの創立20周年記念事業の一環として行われたもので、今回のシステム一式は完成と同時にNTTデータから日本自然保護協会に寄贈され、運営は日本自然保護協会が行います。

「生きもの情報館」

<利用画面イメージ>

【イメージ】

【日本の自然は今】

 現在、日本の自然とそこに暮らす生きものたちは、宅地開発などにより失われたり、姿を消しつつあります。童謡「めだかの学校」にうたわれるメダカや秋の七草に詠まれるキキョウなど、以前はよく見られた生きものの多くが絶滅危惧種となってしまいました。このように種の絶滅や生態系の崩壊が進んでいることから、政府では「生物多様性国家戦略」の中で里山保全を重点項目のひとつに定めています。
 このような状況の中、NTTデータは、里山をはじめとした身近な自然の保全活動を推進している日本自然保護協会の活動をITで支援するため、計画的かつ実践的な自然保護活動に必要となる情報収集基盤としてWEBシステムを構築しました。

注)生物多様性国家戦略
生物多様性国家戦略とは、私たちの子孫の代になっても、生物多様性の恵みを受け取ることが出来るように、生物多様性条約に基づき、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる国の政策の目標と取組の方向を定めたものです。(環境省自然環境局 生物多様性センター ホームページより http://www.biodic.go.jp/外部サイトを別ウインドウで開きます

【「生きもの情報館」とは】

 里山をはじめとした身近な自然とそこに暮らす生きものたちを守るためには、まず「いつ」「どこに」「なにが」いたのかを記録し、その変化をとらえたうえで、効果的な対策につなげることが大切です。「生きもの情報館」は日本全国の多くの方々にいろいろな生きものの観察記録を登録してもらい、その情報を解析することで計画的な保全活動を目指す市民参加型WEBサイトです。
 「生きもの情報館」では、自分が見つけた生きものの観察記録を登録できるだけでなく、その中から自由に記録を選んで数種類の生きものの複合分布図を簡単に表示することができます。
注 観察記録を登録するには「生きもの情報館」上での会員登録が必要です(参加無料)

【「生きもの情報館」を活用した保護活動の展開】
 日本自然保護協会では、「生きもの情報館」を通じて多くの方々から寄せられた観察記録を解析することにより、日本全国の生きものの分布や個体数の変化を調べ、里山をはじめとする身近な自然保護活動のための生物多様性基礎情報として活用していきます。
 より多くの人たちに観察記録を登録していただくことで、地球温暖化や外来種、開発による影響など、いま日本の生物多様性に迫る危機の状況の把握も期待できます。
 ITの活用により距離や時間の壁を超えて日本全国の方々から生きものの情報を集めることで、より便利に、より効果的に「日本の自然の健康診断」を行い、計画的で有効な保護活動につなげていく予定です。
■財団法人日本自然保護協会からのメッセージ
 「(財)日本自然保護協会/NACS-J(ナックスジェイ)は、私たちが健康で安全な生活を送るうえで大切な、森や川、海といった自然環境を守ることを目指し、活動してきました。中でも特に暮らしのすぐそばにある身近な自然である里やまに注目し、その保全のために、私たち自身が実際に里やまの自然の変化を記録するモニタリング調査の開発・普及を進めてきました。
 今回公開される「生きもの情報館」は、里やまだけでなく日本全体の自然の現状と変化をみんなで協力して調べることを目的に作成したものです。このサイトでは、みなさんがモニタリング調査や自然観察会、また普段の暮らしの中で、見たり、声を聞いたりした生きものたちの情報を登録していただくと、記録をわかりやすく整理することができ、またその記録の分布図を簡単に作ることができます。これによりみなさん一人一人が、実際に保全活動をしている里やまの変化に気づくだけでなく、自分たちの暮らす地域の自然の現状と変化に気づき、その保全のための次の一歩を踏み出すきっかけになることを期待しています。」

【今後について】

 かけがえのない自然環境を次世代に引き継ぐため、NTTデータはITの活用により、里山をはじめとした身近な自然の保護活動を応援していきます。今後は、「生きもの情報館」を使った自然観察会の開催など、自然保護活動の輪を広げていく予定です。

 NTTデータは、持続可能な社会の実現のために、自らの事業活動により生じる環境負荷の低減はもちろん、情報システム開発そのものにも環境保護の視点を取り込み、ITそのものの環境負荷低減のほか、稼動削減や人や物の移動の削減による環境効果を促進するシステム開発の取組みをさらに進め、お客様や社会全体の環境負荷の低減に貢献していきます。

■NTTデータの創立20周年事業について
 NTTデータでは、創立20周年事業として、情報オリンピックへの協賛などを中心とした「IT教育」への貢献や、社員のボランティア活動を会社が支援する「ボランティアクラブの設立」を通じた社会への貢献など、皆様への感謝を込めた貢献事業を行っています。「生きもの情報館」の構築はその取り組みの一環として実施したものです。
  • NTTデータ創立20周年事業 特設サイト
本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
TEL:03-5546-8051