金融機関向け情報系システム構築ソリューション分野における「FINALUNA®フレームワーク」が富士通、日立製品上で利用可能に 〜富士通「Interstage」、日立「Cosminexus」と連携〜
2009年3月17日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:山下 徹、以下NTTデータ)は、NTTデータが提供している金融機関向け情報系システム構築ソリューション「FINALUNA®(フィナルナ)フレームワーク」と、富士通株式会社(以下、富士通)の提供するビジネスアプリケーション基盤「Interstage(インターステージ)」および株式会社日立製作所(以下、日立)のSOAプラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」を連携させ、今後のFINALUNAを適用したシステム開発を実施することを各社と合意しました。
本合意により、金融機関は、マルチプラットフォームに対応したシステム共通基盤として「FINALUNAフレームワーク」を採用できるようになります。
【概要】
「FINALUNA」は、提供を開始して以来数度にわたる機能拡張を経て、多くの金融機関のお客様の情報系システムで採用されてきました。
「FINALUNAフレームワーク」は、メインフレーム上の金融機関の情報系システムをJava環境上にシステム更改する際に必要な機能が充実しています。特にバッチ処理は、JSR237(注1)を使った非同期並列処理方式を採用しているため、サーバーの増設により処理能力を増強できるスケールアウト構成に対応しており、1日1千万件を超えるシステムにも採用されています。
その一方で、金融機関のお客様からは、より広範囲なプラットフォームへの適用、より安心できるサポート体制拡充の要望をいただいておりました。今回の各プラットフォームとの連携の強化により、富士通「Interstage」、日立「Cosminexus」を採用するお客様にも、安心して「FINALUNAフレームワーク」をマルチプラットフォームに対応したシステム共通基盤として使用していただけるようになります。
NTTデータでは、今回の「Interstage」と「Cosminexus」、および、既存の「WebSphere®」と連携し、今後、基幹系システムに必要なより高い信頼性を実現できるよう「FINALUNAフレームワーク」の機能拡充を行っていきます。
富士通は、「FINALUNAフレームワーク」との連携体制を強化し、今後も「FINALUNAフレームワーク」と「Interstage」によるシステム開発を共同で実施する取り組みを進めていきます。
また、日立は「Cosminexus」上での「FINALUNAフレームワーク」の利用が可能となることを検証し、今後の「FINALUNA」を適用したNTTデータのシステム開発におけるSOAプラットフォームとして、「Cosminexus」の機能拡充を図る予定です。
なお、今回の連携にあたり、富士通、日立よりエンドースメントをいただいています。
- <富士通社からのエンドースメント>
- 富士通は「FINALUNAフレームワーク」ならびに「Interstage」の機能拡充に合わせた連携検証を実施することで、システムの信頼性向上と開発効率化を図り、「FINALUNAフレームワーク」の適用拡大を支援していきます。
- 富士通株式会社 常務理事 NTTデータ事業本部長 三浦 壽男
- <日立製作所社からのエンドースメント>
- 日立は今回の「FINALUNAフレームワーク」と「Cosminexus」との連携を歓迎します。
「FINALUNAフレームワーク」を適用するシステムでのさらなる信頼性向上や、より広範囲の適用に向け「Cosminexus」の機能強化を図るとともに、今後もミッションクリティカル性の高い金融システムの高効率な開発を「Cosminexus」で支援していきます。 - 株式会社日立製作所 ソフトウェア事業部長 坂上 秀昭
【FINALUNAについて】
NTTデータの「FINALUNA」は、金融機関向け情報系システム構築の分野としては、業界初のソリューションです。2004年6月より提供を開始し、2007年度の「FINALUNA」適用プロジェクトの売上高は120億円にのぼるなど、着実に採用実績を積み重ねてきました。
また、NTTデータのシステムインテグレーションと推奨製品群により構成され、金融機関向け情報系システムの開発生産性を従来と比べて20%向上できることと見込んでいます。
「FINALUNA」を全面適用した情報システムでは、業務コンポーネント、フレームワーク、アプライアンス製品およびスケールアウト構成を活用し、短期間に高い信頼性とセキュリティを確保したシステムを構築しています。
【Interstageについて】
「Interstage」は、標準テクノロジーと数多くの基幹システム構築の実績から培われた高い信頼性と優れた高性能化技術を融合し、安定した業務継続、業務の最適化、セキュリティ強化を実現。中規模から大規模システムまで広範囲なシステム構築を支援します。
【Cosminexusについて】
「Cosminexus」は、J2EE準拠のWebアプリケーションサーバの実行基盤を中心に、変化するビジネス環境に迅速に対応するためのSOAに基づいたシステムを実現します。メインフレームで培ったミッションクリティカル技術を継承した高信頼化機能や、日立独自の拡張を施したJava仮想マシンの提供により、「フル・ガベージコレクション」(注2)を抑制して安定したシステム性能を実現します。これにより、ユーザー企業のビジネス機会を拡大する情報システム開発を幅広く支援します。
注1 JSR237:Work Manager for Application Server
JSR237は、Java EE環境で安全にスレッドを使用した非同期並列処理を実現するための仕様を定めています。IBM社とBEA Systems社が共同で、2003年11月にJavaの技術仕様を策定するJCP (Java Community Process) に申請を行い、237番目のJSR (Java Specification Request) として承認されています。また、Java EE6で新規に追加する仕様を定めたJSR316(2007年8月申請)で、JSR327がJava EEのAPIに採用されています。
注2 フル・ガベージコレクション
未使用メモリを自動的に解放するJava仮想マシンの処理。JavaベースのWebシステムでは、不要となったメモリの解放処理でCPUが長時間占有され、業務アプリケーションの処理停滞やレスポンス低下を招く。
注 FINALUNAは、株式会社NTTデータの登録商標です。
注 WebSphereは、IBM Corporationの登録商標です。
注 その他、文中に記載されている会社名、製品名およびサービス名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。