学校法人学習院が約1,700台の学内端末に「CoreBoot®」を採用 〜「ネットブート型シンクライアント」としては国内最大規模〜

ニュースリリース/NTTデータ

2009年4月14日

株式会社NTTデータ

 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:山下 徹、以下:NTTデータ)が提供しているネットブート型シンクライアント「CoreBoot®」が、学校法人学習院(本部:東京都豊島区、学習院長:波多野 敬雄、以下:学習院)におけるコンピューター管理ソリューションとして採用され、学生向けクライアント端末として学習院が2009年4月1日から運用を開始しました。クライアント端末(パソコン)数は約1,700台であり、ネットブート型シンクライアントとしては国内最大規模になります。
 NTTデータでは今後、「CoreBoot」が学習院をはじめとした文教系の大規模シンクライアント環境におけるメジャーソリューションになることを目指します。

【採用の背景】

 学習院では事務職員が使うものとは別に、1990年代前半より学内にパソコンとインターネット接続環境を用意し、学生向けにパソコンを活用できる環境を整備していました。インターネットに接続するパソコンにはセキュリティーパッチを適用するなどのメンテナンスが必要であり、管理者によるネットワークを経由したソフトウェア配信によるアップデートを実施していましたが、一部で発生する配信の失敗や、そのリカバリー作業に労力がかかっていました。
 そこで学習院では、メンテナンスの省力化をはかりつつ、ネットワーク自体の強化、情報漏えい防止対策などとあわせた学生向け学内インフラの再構築の検討を行いました。

 「CoreBoot」は、OSやアプリケーションなどのプログラム情報を、LANに接続されたiSCSIストレージに集約し、必要に応じてそれらの情報をクライアント端末に読み込んで利用するコンピューター管理ソリューションであり、シンクライアントの一方式として捉えた場合には「ネットブート型シンクライアント」として分類されます。
 「ネットブート型シンクライアント」は、シンクライアントにおいて普及が進んでいる「画面転送型シンクライアント」と呼ばれる方式と比べ、アプリケーションの適応し易さや複数ユーザーが利用した場合に各端末のパフォーマンスが落ちにくい方式です。ネットワーク上に流れる情報量が多くなる傾向がありますが、学習院ではネットワークの強化も並行して検討しており、「ネットブート型シンクライアント」である「CoreBoot」の大規模環境での適性や豊富な運用管理機能などが評価され、採用にいたりました。

【「CoreBoot」の特長】

 「CoreBoot」は、NTTデータが大規模システムの構築や運用で培ったノウハウに基づき開発しており、特に大規模環境でのコンピューター管理ソリューションとしてご利用頂くことを想定しております。2008年度には、学習院大学計算機センター協力の下、WindowsVistaでの性能検証や運用性の検証を進め、その完成度を高めました。
 「CoreBoot」の主な特長は下記の通りです。

  1. 運用管理の効率化
    1台のクライアント端末にてプログラムのバージョンアップやセキュリティーパッチの適用を実施すれば全てのクライアント端末にその環境が反映されるEasyメンテナンス機能や、バックアップや復元を瞬時に行うFastバックアップ機能など、豊富な運用管理機能を利用することで運用管理時間の大幅な削減が可能となります。
  2. 大規模環境での適性
    クライアント端末がCoreBootサーバーにアクセスするのは基本的にはクライアント端末起動時のみであり、起動後はiSCSIストレージへ直接アクセスして動作します。そのためクライアント端末が多い環境においても処理性能の劣化を最小限に抑えるとともに、サーバー数を少数に抑えることが可能です。例えばクライアント端末数が1,700台の環境であれば、2台のCoreBootサーバーでシステムを構築することが可能です。
  3. 情報漏えいの防止
    Easyメンテナンス機能により、一部の端末に対してOSやセキュリティーソフトのパッチ適用を忘れるような状況を防止できます。また、さらにセキュリティ向上を求められる場合には、クライアント端末のハードディスクを物理的に取り外して利用することも可能であるため、万が一の盗難や紛失による情報漏えいを防止できます。
  4. 高いユーザビリティー
    プログラムはクライアント端末に搭載されたCPUやメモリー、グラフィックカードなどを利用して動作するので、処理負荷が高いマルチメディア関連ソフトウェアも快適に利用することが可能です。
【図】

CoreBootシステムイメージ図

【学習院における「CoreBoot」動作環境】

CoreBootサーバー×2台(冗長化構成分は除く)
iSCSIストレージ×8台
クライアント端末×約1,700台

 注 学習院におけるCoreBoot導入は、ネットワンシステムズがシステム構築を実施しました。
 注 「CoreBoot」は、NTT情報流通プラットフォーム研究所の「STRAGEX」をベースにしています。

【今後について】

 NTTデータでは今回のノウハウを活かし、今後も文教系など大規模シンクライアントのメジャーソリューションとしてお客様にご利用いただけるよう、営業活動などを強化して行く予定です。

 本発表にあたり、ネットワンシステムズ様よりエンドースメントをいただいております。

 ネットワンシステムズは、この度の学校法人学習院様の「CoreBoot」の導入・運用開始をお祝いいたします。
 この中で当社はサーバー・ストレージを含めたシステム構築を実施いたしました。「CoreBoot」はユーザーの利用感を損ねることなく、運用管理の効率化と情報漏えいの防止を同時に実現することができる、学生と管理者の双方にとって有益なソリューションです。
 ネットワンシステムズは今後もNTTデータ様と協力し、情報システムを便利に利用できる環境を構築してまいります。

ネットワンシステムズ株式会社
エリア・パブリック事業グループ担当取締役 鈴木 剛

注 「CoreBoot®」は株式会社NTTデータの登録商標です。
注 その他文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部 杉山
TEL:03-5546-8051

サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
技術開発本部 早川
TEL:050-5546-2304