2011年度入社式　社長挨拶 ～NTTデータグループの社会的使命を支える「3つの力」～

はじめに、このたびの東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

また、今日ここにいる新入社員のみなさんの中にもご自身をはじめご家族やご親戚、ご友人が被災された方がいらっしゃいます。その方々にあらためてお見舞いを申し上げると共に、このような厳しい状況の中、新入社員のみなさんが全員、こうして入社式に集まって頂いたことに深く感謝し、NTTデータグループを代表してみなさんを心から歓迎いたします。

さて、NTTデータグループはご存じのように国内において、国や自治体の行政情報システム、決済ネットワーク等の各種金融情報システム、あるいは地域経済の中核企業の情報システム等社会のインフラとなるシステムを多数手がけております。このため、このたびの東北地方太平洋沖地震の発生にあたっても、地震発生直後から多くの社員が昼夜を問わず復旧作業に従事し被災システムの復旧やサービスの維持に全力を挙げて取り組んできました。その結果おかげさまで、いまだ十分ではありませんが、かなりのシステムが復旧し被災地の皆様のライフライン、生活インフラの確保に貢献をしています。また、わが社が開発をした自治体の防災情報システムや広域災害救急医療情報システムなども被災地の救援活動に大きな貢献をしています。このことについて、我々は誇りに思うとともに、あらためて、NTTデータグループの社会的使命とその重要性を再認識したところです。

では、このような社会的使命を果たすには、どのような能力が企業には必要でしょうか、安定した経営基盤や組織力あるいは資金力といったものが勿論必要となりますが、もっとも重要なものは社員ひとりひとりの力です。そこで、今日からNTTデータグループの一員となる皆さんに、私たちに求められている「3つの力」について、お話したいと思います。

一つめはITの知識をはじめとした、「専門能力」です。医療関係者や警察・消防をはじめ、いま被災地で懸命に活動をしている人たちは、皆それぞれに高度な「専門能力」を持っています。国民の生活を支えるという使命を持った私たちもまた決して例外ではありません。NTTデータグループが社会に貢献するということは、社員ひとりひとりが自ら持つ専門能力を社会のために発揮するということと言えます。NTTデータグループの一員として求められている「専門能力」をしっかりとまずは身につけて下さい。

しかしながら、専門能力を"持っているだけ"では社会のために貢献することは出来ません。そこで、二つめに求められている力は、「人間力」です。人間力とは人間に対する理解、思いやりをもって世の中をより良くしていこうという高い志を持つことが出来る力です。

自分の持つ専門能力を誰に対してどのように使うか、それによって何がもたらされるか、そのことをしっかりと考え、行動できるよう、是非「人間力」を磨いて下さい。

そして最後に、「元気力（バイタリティー）」です。どんな苦境にも屈せず、前向きに進んでいく「元気力」を、常に持ち続けて頂きたいのです。これは若い皆さんに一番期待している部分でもありますし、しかも今すぐに発揮できる力でもあります。そして、みなさんばかりでなく、日本をこの苦境から立ち直らせるために、いま日本人全員に求められている力かもしれません。是非皆さんの若い力で、NTTデータグループを、そして日本を元気にしていって頂きたいと思います。

また、NTTデータグループは日本を代表するITサービス企業であると同時に、「グローバルTOP5」を目指すグローバルIT企業でもあります。いまや、5万人いるNTTデータグループ社員のうち、2万人以上、約40%が海外の方です。世界中にいる私たちの仲間とともに手をたずさえ、切磋琢磨しながらグループ全体で成長を目指しているのが、NTTデータグループです。

そういった意味で、皆さんがこれから活躍する場は日本に限らずグローバルです。そしてグローバルで求められるものもやはり先ほどお話した「専門能力」「人間力」「元気力」の3つの力なのです。話す言葉や文化が異なっても、世界中どこにいっても求められるものは同じなのです。

NTTデータグループに課せられた使命を果たし、そしてグローバルIT企業としてNTTデータグループを羽ばたかせていくのは、ここにいる皆さんひとりひとりです。

「3つの力」を源に、みなさんとNTTデータグループが大きく成長していくことを期待してやみません。
本日は入社おめでとうございました。

株式会社NTTデータ　代表取締役社長　山下 徹