中国金融機関向けリスク管理ソリューションの提供開始

株式会社NTTデータは、中国金融機関向けリスク管理ソリューションを開発し、提供を開始します。中国では、金融業界の急速な発展を背景に、バーゼル規制^注1対応を軸にした信用リスク・市場リスク^注2等のリスク管理の高度化が求められています。NTTデータでは、リスク管理分野において日本で数多く蓄積してきた実績・ノウハウを生かし、中国金融機関のニーズを取り入れたリスク管理ソリューションを開発しました。

これに先立ち2月に、行内の内部格付制度の整備の実現を目指す中国現地の銀行へ本ソリューションの提供を実施しています。

今後NTTデータでは中国のみならず、リスク管理製品に対するニーズが高まっている他の新興諸国などにも、各国のNTTデータグループ会社と連携し、リスク管理ソリューションの展開を図っていく予定です。

NTTデータのリスク管理ソリューションは信用リスク・市場リスク等の統合的なリスク定量分析や精緻なリスク回避戦略を構築しつつ、銀行の収益向上をサポートするためのソリューションです。

リスク管理ソリューションが求められている背景として、各国におけるバーゼル規制の導入があげられます。バーゼル規制とは、銀行の経営健全を保つための国際的な規制で、1988年に初めて公表されたのち、バーゼルIIが2004年に発表され、その後各国で段階的に導入が進められてきました。また2010年には国際的に業務を展開している銀行に対する新たな自己資本規制であるバーゼルIIIが発表されています。

中国においても、金融業界の急速な発展を背景に、バーゼル規制対応を軸にしたリスク管理の高度化が図られており、中国政府で銀行業の規制を担当する中国銀行業監督管理委員会は2007年にバーゼルIIを導入し、2011年には「商業銀行資本管理弁法」を発表してバーゼルIIIへの準備を開始しています。

これらバーゼル規制では高度なリスク管理を求めており、銀行側はリスク管理に精通した人員の育成や内部統制の強化、およびシステム構築などへの対応が必要となっています。

NTTデータはリスク管理分野において、日本で数多くの実績を保有し、ノウハウを蓄積してきました。今回、これらノウハウを元に、中国における金融機関のニーズを取り入れ、中国金融機関向けのリスク管理ソリューション開発・提供を実施しました^注3。なお、中国現地でのシステム導入については、現地企業であり北京大学と協力関係を持つ北京天公瑞豊科技有限公司が担当しています。

NTTデータは中国における金融分野での事業拡大に向け、現地法人の設立やソリューションの整備等の活動を進めています。本ソリューションはその活動の一環として、中国現地企業等と連携し中国各地の金融機関向けに積極的に営業活動を行っていく予定です。また、ALM管理^注5などリスク管理分野の他ソリューションについても順次提供を進めていく予定です。

また、中国のみならず他の新興諸国などにもリスク管理製品に対するニーズが高まっている中、各国のNTTデータグループ会社と連携し、NTTデータのソリューション展開を図っていく予定です。