カード決済総合ネットワークCAFIS®が外貨建て決済に対応 ~国内カード会社初ECサイト上での外貨建てクレジットカード決済を実現~

ニュースリリース/NTTデータ

2012年4月11日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、外貨建てのクレジットカード決済実現のため、クレジットカード会社向けに、カード決済総合ネットワーク「CAFIS®注1」の新サービス「多通貨決済サービス」をクラウド型サービスとして提供開始します。また加盟店向けとして、まずはECサイト事業者を対象としたクラウドサービス「BlueGate®注2」において「BlueGate多通貨決済オプションサービス」を提供開始します。これにより、本サービスを導入する国内ECサイトで、海外の消費者が外貨建てでカード決済を行えるようになります。

なお、本サービスのファーストユーザーとして、三井住友カード株式会社(以下:三井住友カード)に「多通貨決済オプションサービス」を提供します。また、三井住友カードと加盟店契約を結んでいる格安航空会社、Peach Aviation株式会社が「BlueGate多通貨決済オプションサービス」を利用した、ECサイトにおける外貨建て航空券販売を2012年4月6日から開始しました。なお、日本のカード会社によるECサイト上での外貨建てのクレジットカード決済の提供は、国内初の取り組みとなります。NTTデータは、今後ECサイトに限らず、実店舗における外貨建て決済サービスの実現に向けて積極的に検討を進めていきます。

背景

日本政府による「ビジット・ジャパン・キャンペーン」などの外国人観光客誘致施策に伴い、訪日外国人観光客による旅行中支出の増加が予想され、かつ国内でECサイトを運営する日本企業の多くが海外展開を意識する中、カード会社および加盟店双方から、海外消費者の取り込みに向けて、より良いサービスを提供したいというニーズが高まっています。しかし、カード会社が外貨建てのクレジットカード決済を加盟店に提供するには、ネットワークの制約や、カード会社の自社システムの外貨対応など、さまざまなハードルがあり、日本国内において外貨建てのクレジットカード決済はこれまで広く普及していませんでした。

その結果、インターネット上のECサイトという、比較的海外に商圏を拡大しやすい領域においても、日本企業では円建てでのクレジットカード決済が基本となり、海外の消費者にとって、自国通貨での正確な支払額がクレジットカードの請求段階まで分からず、購入を見合わせる要因の一つとなっていました。

NTTデータではこれら状況を踏まえ、国内企業における海外消費者の取り込みを、クレジットカード決済の側面からサポートするため、CAFISの機能追加をすすめ、今回の新サービス提供に至りました。

カード会社向け多通貨決済サービスについて

提供機能

NTTデータはクレジットカード会社に対し、以下の2つのサービスを提供します。

  1. 1.外貨設定された与信照会電文および売上データを国際ブランド(VISA、MasterCard)に中継代行する機能
  2. 2.加盟店向け精算レポート作成機能

クレジットカード会社のメリット

  1. 1.加盟店獲得に寄与

    海外における商圏拡大を目指す加盟店の獲得が期待できます。

  2. 2.システム開発負荷の軽減

    外貨が設定された与信照会電文および売上データを、カード会社のシステムを経由することなくNTTデータが直接国際ブランドに中継し、その結果を加盟店精算レポートとしてカード会社の既存システムとの親和性の高いCDSデータフォーマット形式として返却することで、カード会社のシステム開発負荷の低減が図れます。

  3. 3.信頼性の高いサービス提供が可能

    サービス開始から28年以上にわたり確実な決済データ中継を提供してきたCAFISをベースとした新サービスであり、高い信頼性にもとづいた多通貨決済対応が可能となります。

ECサイト事業者向けBlueGate多通貨決済オプションサービスについて

ECサイトを運営する加盟店向けには、容易に外貨建てのクレジットカード決済が行えるよう、BlueGateのオプションとして以下機能を提供します。

提供機能

  1. 1.外貨建ての与信照会電文を「多通貨決済サービス」をご利用頂いているカード会社に中継する機能
  2. 2.外貨建ての売上データ代行作成し「多通貨決済サービス」をご利用頂いているカード会社に中継する機能
  3. 3.取引履歴を閲覧できる検索サイトを提供

加盟店のメリット

  1. 1.海外へ商圏を拡大可能

    外貨建てでクレジットカード決済を行うことが可能となるため、海外の消費者が購入時点で支払額を知ることができるようになります。これにより、海外向けの商圏拡大が期待できます。

  2. 2.円建てによる入金

    本サービスを利用して決済を行った売上代金は、加盟店に対し円建てで支払われます。よって、加盟店は外貨取り扱いに関する業務負担を大幅に軽減することが可能です。

  3. 3.低リスクで外貨建てクレジット決済を導入可能

    本サービスを導入し、かつ「多通貨決済サービス」を導入する国内カード会社と加盟店契約を行うことで、日本ならでは高い信頼性、サービス品質の下、外貨建てのクレジット決済を導入することができます。

今後の取り組み

NTTデータは、外貨建てクレジットカード決済の取り扱いを考えるカード会社および海外展開を図るインターネット通販事業者に「多通貨決済サービス」と「BlueGate多通貨決済オプションサービス」の導入を幅広く進めていくとともに、INFOX注3やPastelPort注4への多通貨オプションの追加等、最終的には、実店舗における多通貨決済サービスの実現を目指し、積極的に検討を進めます。

注釈

  • 注1CAFIS

    NTTデータが運営する、クレジットカード会社、金融機関、企業、加盟店の間で、クレジット情報(与信照会、売り上げ、等)および、資金移動情報のオンライン・トランザクションを中継するサービス。1984年2月よりサービス開始し、月間トランザクションは3億件を越える日本最大級の決済インフラ。

  • 注2BuleGate

    ECサイトでのクレジットカード決済などインターネット決済に必要な基本サービスやアプリケーションをECサービス事業者向けに総合的に提供するクラウドサービス。売上規模に応じて決済処理方式を選択でき3Dセキュアなど機能にも対応。大手・中小加盟店約5,000店の導入実績がある。

  • 注3INFOX

    INFOXは、クレジットカード、デビットカード、ICカードなど多様化する決済手段に対応する多機能決済端末で、決済ネットワークINFOX-NETに接続される。INFOX-NETへは、一般電話回線やISDN回線、また、DoPa網やFOMA網などを利用して接続され、店舗のレジカウンターでの利用に加え、タクシーや宅配業者などのモバイル環境での利用にも対応。

  • 注4PastelPort

    小売・流通業向けに各種カード決済機能を提供するASPサービス。店舗のPOS端末とPastelPort決済センタをネットワークを介してセキュアに接続、自社システムにコストをかけることなく、クレジット・デビットカードをはじめ、Suicaなどの電子マネーや中国銀聯といった多様なカード決済に対応。

  • 「CAFIS」、「BlueGate」、「INFOX」、「PastelPort」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他、文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一金融事業本部
カード&ペイメント事業部
ビジネス企画担当
諸藤、石川
TEL:050-5546-9468