NTTデータとアイルランド国立ウォーターフォード工科大学ICT研究機関TSSGが共同研究を開始 ~ビッグデータ/ビジネス・アナリティクスにおけるデータ分析技術の開発~
2012年11月1日
株式会社NTTデータ
Telecommunications Software & Systems Group
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下NTTデータ)とTelecommunications Software & Systems Group(本社:Waterford、Ireland、所長:Willie Donnelly、以下TSSG)は、スマートグリッドにおけるビッグデータ/ビジネス・アナリティクス活用を目的としたデータ分析技術の開発に関する共同研究を、2012年11月より開始します。
両者は、今後もスマートグリッドをはじめとしたさまざまな社会インフラにおけるシステムの安定化や運用業務の効率化、サービスの向上に活用可能なデータ分析技術の開発を進めていきます。本研究の成果は、2013年4月に発表する予定です。
背景
近年、世界中でスマートグリッドの取り組みが拡大しており、再生可能エネルギー活用の最大化や、ピーク電力使用量削減を目的とする電力消費平準化などを目指した実証実験が活発に行われています。スマートグリッドにおいては、電力供給や消費の状態を表すデータをどのように収集し、また、それらのデータをシステムの最適化やサービスの向上に向けていかに活用するかが課題となっています。この鍵となるキーワードが、M2M(Machine-to-Machine)とビッグデータ/ビジネス・アナリティクスです。発電施設の電力供給量、オフィスや家庭別の電力消費量、消費の変動要因となる気象やイベントなどのデータを活用しやすい形で収集し、それらのビッグデータを活用するため、統計分析・データマイニングなどの高度な分析技術を駆使することが求められています。
NTTデータはビッグデータ/ビジネス・アナリティクスでの取り組みを他社に先駆け2006年から始め、スマートグリッドもビッグデータ/ビジネス・アナリティクス活用の対象の一つとして着目しています。また、海外の先進的な取り組みを積極的に取り入れ、グローバルな視点から成果を最大化できるよう海外研究機関とも連携を進めていく考えです。
一方TSSGは、再生可能エネルギーなどの新しい電力供給の拡大をはじめとするエネルギー分野での取り組みが進んでいるアイルランドにおいて、スマートグリッドでのM2Mデータ収集・活用の研究経験が豊富にあります。
これらの背景から、NTTデータとTSSGは、スマートグリッドにおけるビッグデータ/ビジネス・アナリティクス活用を目的としたデータ分析技術の開発を共同で行うこととなりました。
概要
本研究は、状況変化を検知し、それに応じてデータ分析モデルを柔軟に対応させるデータ分析技術の開発を目的に行われます。スマートグリッドにおいては、時々刻々と変化する電力需給のバランスをとるために数分先・数時間先の電力需給の予測を正確に行い、事前に制御する必要があります。将来の需給状況の予測は、現時点で収集されたデータの分析に基づいて行われていますが、状況の急激な変化にあわせて予測を柔軟に変化させるためには、予測の根拠となるデータ分析モデルを状況変化に応じて自動で更新できる仕組みが必要となります。
本研究においてNTTデータは、データ分析モデルを状況変化に追随して変化させる仕組みの構築を主に担当し、TSSGはスマートグリッドでの研究経験から得た分野知識をもとに、M2Mデータを目的に合わせて活用するための仕組みの構築を担当します。これにより、両者で協力してスマートグリッドに適したデータ分析技術を開発します。
今後について
NTTデータとTSSGは2013年4月に本研究の結果を発表予定です。両者は今後、さまざまな社会インフラにおけるシステムの安定化や運用管理業務の効率化、サービスの向上のためのデータ分析技術の開発を共同で進めていきます。
NTTデータについて
株式会社NTTデータは、日本におけるITサービス、およびソリューション業界のリーディング・カンパニーの一つです。コンサルティング、システム・インテグレーションやITアウトソーシングなどのサービスを、金融機関や、公的機関、事業法人等に提供しています。NTTデータグループは、世界のお客さまに対して、高い品質のITソリューションや、コンサルティングサービスを提供すべく、急速に海外ビジネスを拡充しています。
また、NTTデータは、ビッグデータ/ビジネス・アナリティクスの取り組みにおいて、最適なビジネス・インテリジェンスシステムの導入を支援する「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ®」サービスや独自の分析技法「BICLAVIS®」にもとづくデータ分析コンサルティングなどのサービスを提供しています。
TSSGについて
TSSGは、ウォーターフォード工科大学(アイルランドの南東に位置し、学生数10,000人以上、教員等1,000人以上を有する)のICT研究機関として、1996年に設立されました。35カ国、425企業との共同研究実績を有しており、世界的に見ても先進的な研究機関です。ユビキタス・コミュニケーションのためのネットワーク・サービスに関する技術を強みとしており、データ分析やビッグデータ管理に関する技術にも力を入れています。
これまでTSSGは、数多くの海外企業や組織と戦略的に共同研究を行った実績があります。中でも、欧州の研究・技術開発のための枠組み計画であるEuropean Framework Future Internet research programでは、スマート・エネルギーを対象としたFINSENY注1プロジェクトに参画し、主要な役割を果たしています。また、TSSGは研究成果のビジネス展開活動を推進しており、この活動により計200人以上の従業員を擁する10企業が誕生しています。
注釈
- 注1FINSENYプロジェクト
スマートグリッドでの予測制御・最適化のためのICT要件の明確化を目的とし、ヨーロッパのICT企業とエネルギー関連企業が協業して実証実験などを行うプロジェクト。
- 「BICLAVIS」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
平形
TEL:03-5546-8051
Olive O'Connor
Marketing & Communications Manager
Waterford Institute of Technology
TEL:+353 51 306228
E-mail:ooconnor@wit.ie
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
技術開発本部
サービスイノベーションセンタ
西村、稲葉、中崎
TEL:050-5546-9741