携帯電話回線を用いた災害対策緊急回線（ResQ-NW™）を本格稼働 ～災害発生による固定回線不通時の緊急回線や仮設店舗用回線として活用可能～

株式会社NTTデータは、2013年4月19日より信用金庫における災害対策を目的とし、「しんきん共同システム」^注1の新たな接続形態の1つとして携帯電話回線による緊急回線「ResQ-NW^™（レスキューネットワーク）」を本格稼働します。「ResQ-NW」は、災害等によって信用金庫営業店と勘定系システム間の固定回線によるネットワークが不通となった際に、携帯電話回線を利用して通信経路を提供するシステムです。これにより信用金庫は固定回線の復旧を待つことなく、迅速に窓口業務やATMによるオンライン業務を復旧させることが可能となります。また携帯電話回線の特長を活かし、仮設店舗におけるオンライン業務用の回線として利用することも可能です。

NTTデータでは、「ResQ-NW」を、信用金庫の業務継続性向上を実現する新たな災害対策手段として、広く普及を図っていきます。

2011年の東日本大震災における津波や火災による被害、および2011年9月の台風12号による水害では、信用金庫の一部の店舗においてもオンライン業務が長時間停止するなど甚大な被害が発生しました。

これらの災害を受け、信用金庫では業務継続性を担保するための対応計画（BCP）の重要性が増しており、新たな災害対策のニーズが非常に高まってきています。

NTTデータはこのニーズに応えるため、災害時に発生した信用金庫における業務停止の要因を分析し、「回線断」が業務継続における重要課題であることに着目しました。そこで2011年から、固定回線切断時の追加接続手段となる、携帯電話回線を活用した新たな通信方式の検討を一般社団法人しんきん共同センターと開始し、2012年6月から各信用金庫への提案を進めてきました。そして今回、2013年4月19日より宮城県、石巻信用金庫（理事長：高橋 賢志）における導入を皮切りに本格稼働を開始します。

「しんきん共同システム」では、信用金庫本部被災時に備え、信用金庫各営業店から固定回線を用いたバックアップ回線でバックアップセンターを経由し、勘定系システムと接続する環境を用意しています。しかしながら、信用金庫本部被災時に、信用金庫各営業店のバックアップ回線またはバックアップ回線収容局にも被災があった場合、バックアップセンターへの接続ができません。「ResQ-NW」では、バックアップ回線不通時であっても、携帯電話回線を利用することで、信用金庫各営業店からバックアップセンター経由での勘定系システム接続を可能とします。

NTTデータでは、今後「移動店舗^注2向け携帯電話回線」など信用金庫の業務継続性向上ならびに多様な店舗戦略に貢献するシステム、サービスを積極的に展開していきます。