中国・吉林市において、ビッグデータを活用した「渋滞予測・信号制御シミュレーション」の実証実験を開始 ~交通渋滞緩和効果による、バス運行の円滑化を検証~

ニュースリリース/NTTデータ

2014年11月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、中国・吉林市において、吉林市ならびに吉林市の現地企業である吉林市伯瑞信息技术有限公司注1と協力して、ビッグデータを活用した渋滞予測・信号制御シミュレーションの実証実験を2014年11月10日より開始します。

本実証実験では、吉林市のバスに搭載された車載端末を通じて収集された市内バス8路線165台のプローブ情報と道路・交通量調査等の統計情報を組み合わせて渋滞予測・信号制御シミュレーションを行い、吉林市中心部の信号制御を最適化することで、渋滞緩和によるバス運行の円滑化効果を検証します。

今後、NTTデータでは、本実証実験の結果をベースとしたソリューションを実用化し、日本国内および世界各国への展開等を通じて、スマートシティの実現に向けた取り組みを推進していきます。

背景

近年、情報技術を活用して、より利便性の高い社会を実現するスマートシティの取り組みが世界各国で進んでいます。中国・吉林市においても、経済成長や都市化の進展により、市内中心部の交通渋滞やそれに伴うバスの運行の遅れなどが課題となっており、スマートシティ計画を他都市に先駆けて推進しています。本計画にて、プローブ情報(各車両の位置や速度等の情報)によるバス運行管理システムや、交通監視カメラを通じた交通モニタリングシステムなどの高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS注2)による公共交通管理や道路交通管制の取り組みが進められてきました。

吉林市のこれらの取り組みの一環として、NTTデータは吉林市ならびに吉林市の現地企業である吉林市伯瑞信息技术有限公司と協力して、NTTデータのビッグデータを活用した大規模交通シミュレーション技術の有効性を検討してきました。その結果、渋滞予測結果に基づいた信号制御最適化による交通渋滞緩和の有効性が認められたため、このたび、吉林市中心部を対象エリアとした実証実験を行うことで、吉林市と合意に至りました。

実証実験の概要

本実証実験では、吉林市の交通渋滞改善に向けて、車載端末を通じて収集されたバス車両165台のプローブ情報と道路・交通量調査の統計情報を組み合わせて渋滞予測・制御シミュレーションを行うことで、渋滞緩和につながる最適な信号パラメーターを生成し、吉林市中心部の信号機約100カ所に反映します。

効果検証では、バス移動時間・運行時間間隔・交差点待時間などを信号制御最適化前後で比較することで、渋滞緩和とバス運行の円滑化効果を評価し、バス運行時間の遅れを約2割改善することを目指します。

  • 実施期間:2014年11月から12月
  • 対象となるエリア:中国・吉林市中心部
  • 対象となるバスの路線数:8路線
  • 対象となるバスのプローブ情報:165台
  • 対象となる信号機:100カ所
【図】

図:交通シミュレーションに基づく信号制御

今後について

本実証実験の成果は、2015年初旬に発表する予定です。本実証実験で得た結果をベースに交通管理ソリューションを実用化し、日本国内および世界各国への展開など、スマートシティの実現に向けた取り組みを推進していきます。

注釈

  • 注1吉林市伯瑞信息技术有限公司は、大连伯瑞信息技术有限公司の子会社および大连百易软件股份有限公司の関連会社です。
  • 注2高速道路交通システム(ITS)とは、人と道路と車両間の情報ネットワークにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題を解決する交通システムです。
  • 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

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サービスイノベーションセンタ
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