レセプトデータ等を活用した糖尿病性腎症重症化予防対策を開始します。
2014年11月11日
埼玉県保健医療部
埼玉県国民健康保険団体連合会
株式会社NTTデータ
1.背景
国では、高齢化の進展に伴い、医療費を含む社会保障給付費が年々増加傾向にあります。国民健康保険の財政状況は、平成24年度において3,055億円の赤字を計上しました。平成37年には団塊の世代が後期高齢者となり、社会保障給付費がピークを迎えることが予想されています。
また、厚生労働省は、糖尿病患者が現在の1,000万人から平成37年度に1,500万人になると推計しています。
2.埼玉県の現状
埼玉県は、平成37年までの75歳以上人口の伸びが全国で最も高くなる見込みであり、県民の健康保持増進および、医療費適正化への対策が重要な課題となっています。
生活習慣病の一つである糖尿病は患者数が31万8千人(平成25年国民生活基礎調査)と推計されています。糖尿病が重症化して人工透析に移行した患者は5,812人(平成22年)です。
3.糖尿病の症状
糖尿病の初期は自覚症状が出にくく、医療機関を受診しない方が4割近くいます。そのまま放置して病状が進むと目のかすみや手足のしびれ等の症状がみられ、重症化すると足壊疽(えそ)(切断)、失明、人工透析等のリスクが高まります。さらに人工透析に移行してしまうと週3回(1回当たりの治療時間4~5時間)程度の頻度で治療をする必要が生じQOL(生活の質)が低下してしまいます。
4.事業の概要
糖尿病に対する重症化予防は、生活の質を維持するとともに医療費適正化の効果があります。そこで国民健康保険の被保険者を対象に糖尿病性腎症重症化予防対策事業を開始します。
既に10月から糖尿病の重症化リスクが高い方を抽出する準備を進めており、今後医療機関未受診者や治療中断者に対する受診勧奨および通院中の方に対する食事・運動等の生活指導を行います。
なお、レセプト(診療報酬明細書)データ等を活用して複数の市町村が共同して実施する糖尿病性腎症重症化予防対策事業は全国初の取り組みです。
対象被保険者 | 埼玉県下18市町注1在住の国民健康保険の被保険者約100万人 |
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事業実施主体 | 埼玉県国民健康保険団体連合会 |
事業委託先 | 株式会社NTTデータ |
分析対象データ |
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主な事業内容 |
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注釈
- 注1川越市、所沢市、飯能市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、八潮市、三郷市、日高市、鳩山町、幸手市、さいたま市の計18市町(なお入間市は市単独で4月から同様の事業を行っています)
- 注2糖尿病性腎症重症化予防プログラム
埼玉県医師会、埼玉糖尿病対策推進会議、埼玉県が作成した、糖尿病性腎症の重症化が推測される方(ハイリスク者)の抽出基準や生活指導の概要を定めた手引書
- 注3平成26年度は受診勧奨を実施。生活指導については対象者を選定し、生活指導は平成27年度に実施予定
本件に関するお問い合わせ先
埼玉県保健医療部
保健医療政策課
新都心医療拠点・医療プロジェクト推進担当
深澤、中田
TEL:048-830-2407(直通)
E-mail:a3510-16@pref.saitama.lg.jp
埼玉県国民健康保険団体連合会
保険課
杉山
TEL:048-824-2539(直通)
E-mail:hoken@saikokuhoren.or.jp
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:03-5546-8051(直通)
本事業に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
公共システム事業本部
ヘルスケア事業部
医療保険ソリューション担当
田中、山崎
TEL:050-5546-2265(直通)