「電子申告の達人」が、2017年施行の税制改正に対応 ~電子申告の簡素化に対応し、地方公共団体の確定申告支援業務を効率化~
2015年7月16日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、2017年1月からの税制改正注1の施行に合わせ、「電子申告の達人(地方公共団体用)」を販売開始します。
これまでNTTデータは、各社の「確定申告書支援システム注2」で作成された所得税等の申告データと連携し、確定申告支援業務の効率化を実現するソフトウエア「電子申告の達人」を提供してきました。2017年1月からの税制改正の施行により、地方公共団体の確定申告支援業務における国税の電子申告(e-Tax)注3の利用が簡素化されることに伴い、電子署名の添付省略に対応するとともに、電子申告の一括送信やLGWANの利用を可能とした「電子申告の達人(地方公共団体用)」を地方公共団体向けに発売します。
これにより、地方公共団体は電子申告することが容易となるため、現状、電子申告の普及が進まず、これまで書面で対応していた確定申告書の管理や運搬といった業務負担およびコスト等を軽減できます。
今後NTTデータでは、確定申告支援システム開発メーカーと連携し、3年で150万件の電子申告化および、地方公共団体700団体への導入を目指します。
背景
個人納税者が確定申告を行う際、本来、その受け付け業務は税務署が行います。ただし、確定申告期の一定期間は、税務署の混雑軽減や近隣に税務署がない地域のために地方公共団体が申告相談会場を設けており、会場に派遣された税務署職員や地方公共団体職員が申告の支援を行っています。多くの地方公共団体では、各社の「確定申告支援システム」や国税庁のwebサービス「確定申告書等作成コーナー」を使用して申告書作成の支援を行い、申告書を税務署に送ります。その際、これまでも国税庁のwebサービス「確定申告書等作成コーナー」やNTTデータの「電子申告の達人」等を使用することで電子申告自体は可能でしたが、実際に電子申告を行うには、電子証明書を用いて電子署名を行う等の手続きが必要でした。そのため、現状、多くの地方公共団体は電子申告を用いず書面による申告書の作成支援をしており、申告書の管理や運搬などの業務負担が課題となっていました。
今回、2017年1月施行の税制改正により、地方公共団体の申告書支援システムによる所得税等の電子申告が簡素化され、地方公共団体の職員による本人確認を前提に、電子署名の省略が認められることとなりました。
これまでNTTデータは、税理士事務所や法人企業の多様な電子申告に対応したサービスを提供してきました。
そこで培った電子申告のノウハウを生かして、2017年1月施行の税制改正に対応し、地方公共団体向けの「電子申告の達人」の提供を開始します。
概要および特長
2007年より提供中の「電子申告の達人」は、個人事業主の所得税等の各確定申告書類の作成から電子申告、申告後の結果の確認まで、トータルに確定申告業務のサポートを行うソフトウエアです。今回、電子署名およびそれに係る電子証明書が不要となる2017年1月施行の税制改正に対応し、「電子申告の達人(地方公共団体用)」として販売を開始します。
主な特長は以下の通りです。
電子申告の簡素化に対応
税制改正に対応し、電子署名を添付せずに電子申告を可能にします。
一括処理に対応したオペレーション
大量の申告データの一元管理が可能で、作成された電子申告データを一括送信可能です。また、電子申告データのステータス(作成完了、送信済み、受け付け完了など)を一覧確認する機能や、申告種類、所得金額、納税額などを一覧出力する機能もサポートし、電子申告に係る一連の作業の一括管理も可能です。
LGWANに対応
確定申告のデータを送信する際に必要となるネットワーク接続では、既存の総合行政ネットワーク「LGWAN」に対応し、高いセキュリティーでのデータ授受を実現します。
他社の確定申告支援システムとデータ連携が可能
従来の「電子申告の達人」からの機能である、データ連携を具備しています。地方公共団体が現在利用している「確定申告支援システム」には電子申告には対応していないものも多くありますが、そのようなシステムで作成された確定申告データであっても、煩雑な設定を必要とすることなく、簡単な操作だけでシームレスにデータ連携を行うことが可能です。これにより、現状の確定申告支援業務フローのまま、「電子申告送信」作業の追加という最小限の運用変更で電子申告を行うことができます。
対応する確定申告書支援システムは以下の通りです。
- 一般社団法人岡山中央総合情報公社「住民税申告受付支援システム」
- 株式会社リードコナン「税務LAN®」
- 株式会社RKKコンピューターサービス「申告受付システム」
- NCS&A株式会社「The確定申告」
- 富士通エフ・アイ・ピー株式会社「F@INTAX/Web」
電子申告普及による地方公共団体業務のメリット(参考)
税制改正により、電子申告がさらに普及することで地方公共団体において以下のメリットが生まれます。
- 国税地方税連携によりe-Taxデータが地方公共団体へ送付されることで、確定申告書等の戻りデータの住民情報のシステムへのデータ入力および確認作業等の業務が軽減され、職員の稼動軽減が可能となります。
- 添付書類の省略ができます。そのため、紙資料の管理や運搬・提出等といった煩雑な作業が軽減されます。
- 使用する紙を減らせるため、コストの削減や環境への負荷が軽減されます。
今後について
今後NTTデータは、地方公共団体での利便性向上のための機能拡充を行い、税制改正対応開始より3年で150万件の電子申告化を目標とし、地方公共団体700団体への導入を目指します。
参考
注釈
- 注1(3)地方税当局の申告書作成システムに係る端末を使用して電子情報処理組織により行う所得税等の申告については、地方公共団体の職員による本人確認を前提に、当該申告を行う者の電子署名及び電子証明書の送信を要しないこととする。これにより、自宅等からの本人による電子情報処理組織を使用した申告と同様、添付すべき書類の記載事項を入力して送信することで当該書類の添付を省略するとともに、作成された申告書については、電磁的記録のまま国税当局に引き継ぐことを可能とする。
- 注上記の改正は、平成29年1月4日以後に電子情報処理組織により申告を行う場合について適用する。(2015年度税制改正の大綱より抜粋)
- 注2確定申告書支援システムとは主に、地方公共団体(市町村)受け付け用の確定申告、住民税申告支援等を行うものです。
- 注3国税電子申告・納税システム(e-Tax)は、申告などの国税に関する各種の手続きについて、インターネット等を利用して電子的に手続きが行えるシステムです。
- 「電子申告の達人」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
後藤(尾)
TEL:03-5546-8051
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
第二公共事業部
営業部
第三営業担当(税務サービスグループ)
有田、枝根
TEL:050-5546-2201