マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用した本人確認ソリューション「BizPICO®」本格提供開始 ~業界初 公的個人認証に必要なすべての基本機能をクラウドサービスで商用化~

ニュースリリース/NTTデータ

2016年7月27日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2016年7月、公的個人認証サービスにおける総務大臣認定を受け、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用した本人確認ソリューション「BizPICO®(ビズピコ)」注1を2016年7月28日より本格的に提供開始します。

BizPICOは、マイナンバーカードに埋め込まれたICチップの中に格納されている公的個人認証アプリケーションを利用することで、民間企業におけるオンラインでの確実な本人確認を可能とするソリューションです。

BizPICOは、犯罪収益移転防止法注2・携帯電話不正利用防止法注3に対応した厳格な本人確認機能に加え、公的個人認証のクラウドサービスにおける業界初の試みとして、「利用者認証機能」、「証跡データ保管機能」、および「証明書失効通知管理機能」を提供します。

これらの機能は、銀行、証券会社、保険会社、携帯事業者など、厳格な本人確認が求められる顧客企業において、口座開設や各サービス利用契約時の本人確認業務で利用されることを想定しています。

NTTデータは、BizPICOの提供により、2020年度末までに10億円の売上を目指します。

背景

2016年1月より交付が開始されたマイナンバーカードには、希望により電子証明書の機能(=公的個人認証サービス)が搭載されています。この公的個人認証サービスには、住民票と同等の基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)を含んだ署名用電子証明書が格納されており、個人番号(マイナンバー)そのものを使わず、オンラインでの本人確認を実現できる安全性の高いサービスです。これまでNTTデータは2013年より総務省にて実施された「放送・通信分野等における公的個人認証サービスの利活用に関する実証実験」を通じて、公的個人認証サービスの民間利活用について開発・実証を行い、利便性の高い安心・安全な本人確認手段としての有効性について研究を行ってきました。

このたび、2015年12月より取り組みを開始した本人確認ソリューション事業について、公的個人認証サービスにおける総務大臣認定の取得およびクラウドサービスにて提供する機能の開発が完了したことから、本格提供を開始することになりました。

【図】

図:本人確認ソリューションの概要

概要

顧客企業が、そのお客さまの本人確認を実施する際に、お客さまのマイナンバーカードを、顧客企業またはお客さまが用意したマイナンバーカードの読み取りが可能なICリーダライターにかざすことで、マイナンバーカードのICチップに埋め込まれている電子証明書が企業に送信されます。その結果、オンラインでの確実な本人確認が可能となります。

機能

BizPICOの機能は、以下の4つの機能を提供します。

このうち、『「利用者証明用電子証明書」を利用したセキュアな利用者認証機能』「証跡データ保管機能」「証明書失効通知管理機能(オプション)」については、クラウドサービスとしては業界初となる機能となります。

  1. (1)「署名用電子証明書」注4を利用した確実な本人確認機能

    マイナンバーカード保有者がカード交付時に窓口で設定した暗証番号を入力することで、顧客企業はマイナンバーカード内の署名用電子証明書に含まれる4情報(氏名、住所、生年月日、性別)の確認と併せて、オンラインでの確実な本人確認を実施できます。この本人確認は、犯罪収益移転防止法・携帯電話不正利用防止法でも認められた、厳格な本人確認です。

  2. (2)「利用者証明用電子証明書」注5を利用したセキュアな利用者認証機能

    署名用電子証明書による確実な本人確認を実施後、マイナンバーカード内の利用者証明用電子証明書を利用して利用者本人であることを認証します。本機能は、利用シーンにおけるセキュリティーレベルに応じて顧客企業が暗証番号の入力要否を選択可能です。

  3. (3)証跡データ保管機能

    署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書それぞれのシリアル番号(電子証明書の発行番号)に加え、確実な本人確認を実施した証跡(利用申込書類や署名等)を保管します。保管した証跡はいつでも参照可能です。

  4. (4)証明書失効通知管理機能(オプション)

    保管している署名用電子証明書、利用者証明用電子証明書それぞれのシリアル番号について、公的個人認証サービスの証明書失効情報と突合し、有効と認められなかったものについては、その対象となるお客さまを通知します。

特長

主な特長は以下の通りです。

犯罪収益移転防止法、携帯電話不正利用防止法に対応した本人確認機能の提供

従来、クレジットカードの新規申し込みや、銀行での口座開設、携帯電話の利用契約などは、犯罪収益移転防止法、携帯電話不正利用防止法に基づく厳格な本人確認が求められており、身分証明書を顧客企業のウェブサイトなどにアップロード後に、本人限定受取郵便での郵送、受け取りなどの手続きが必要でした。BizPICOを利用することで、オンラインですべての手続きが完結します。

「本人確認記録票」の作成を柔軟にサポート

犯罪収益移転防止法、携帯電話不正契約防止法では、本人特定事項に関する「本人確認記録票」を作成することが定められています。BizPICOでは、顧客企業の指定に合わせた本人確認記録票の項目にてデータを預かることができます。これにより、顧客企業側でのデータの保管が不要となり、コスト削減が実現できます。

利用者の属性情報、生存情報の変更を検知

公的個人認証の電子証明書は、電子証明書に記録されている氏名、住所、生年月日、性別に変更が加えられた場合、変更前の電子証明書は失効するという特性があります。顧客企業の要望に応じて、BizPICOが電子証明書の失効有無を確認することで、顧客企業は、そのお客さまの氏名、住所など属性情報の変更や生存情報などをタイムリーに検知することが可能です。

顧客企業の業務量に応じた柔軟な料金プランを提供

一定のトランザクション利用料を含んだ基本料金に加え、超過分のトランザクション利用料を課金する「固定料金+従量課金」のプランと、使用量に応じたトランザクション利用料のみを課金する「完全従量課金制」のプランを用意しています。そのため、顧客企業の利用モデルに応じたプランを提案することが可能です。

  • 各料金プランには、最低利用期間などの適用条件があります。適用条件および価格の詳細については、BizPICO問い合わせ窓口(bizpico-service@kits.nttdata.co.jp)までお問い合わせ下さい。

今後について

今後は、当社クレジットカード決済網「CAFIS®」との接続を検討していきます。これにより、すでにCAFISと接続済みの企業については、クレジット決済にも対応するセキュアなICT環境下で安心・簡便に本サービスを利用できます。

また、政府で検討されている「ワンカード化」や、「携帯電話・スマートフォン等のSIMカードへの電子証明書の搭載」などを見据えて、多岐に渡る利用シーンでの本人確認に利用できるよう、機能追加の開発や、技術検証を通じた幅広い分野への展開を推進していきます。

さらに、現在は専用端末のみで利用が可能ですが、今後はスマートフォン・タブレットといった生活者に身近な携帯端末への対応も順次実施することにより、さまざまな利用シーンで、本人確認ができるような環境作りを進めていきます。

参考

2016年7月27日時点での採用ユーザー

株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン様での採用が決定しました。同社様では、首都圏外の金融機関と首都圏在住の契約者が有担保ローン契約を締結する際の金融機関の事務サポートとして、司法書士を契約者宅などに派遣し、金融機関に代わって本人確認業務を実施することで、契約者が遠隔地に出向くことなく契約が完了する仕組みを提供されています。

BizPICOを利用することにより、法的に本人確認業務の代行が認められている行政書士以外の職員による立ち会いであっても、犯罪収益移転防止法に対応した本人確認が可能となり、さらなる業務効率化を図ることができる見込みです。

なお、今回のBizPICO採用決定にあたり、同社様より以下のエンドースメントをいただいています。

株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン 常務取締役 漆原 達弥

弊社は金融機関より有担保ローン事務に係る各種業務委託を請けています。

その中でも本人確認に係る分野は、アナログ的な確認行為であり証跡保管も含め従来方式から進化がされにくい分野でした。

今回のBizPICO(本人確認ソリューション)は、本年より配布の始まったマイナンバーカードを利用する事で基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)を基にした本人確認を当社が署名検証者になり実施出来るソリューションです。正確性・真意性が担保されるだけでなく、セキュアな環境下にてオンライン上で確認行為が行える為、場所や時間にとらわれずに本人確認が行える事が大きなメリットとしてサービス提供出来ると考えます。

注釈

  • 注12015年12月8日ニュースリリース
    「マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用した本人確認ソリューション事業を開始」
  • 2010年9月27日ニュースリリース
    「IC運転免許証を活用した本人確認サービス「BizPICO」提供開始」
  • 注2犯罪収益移転防止法とは、犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、犯罪による収益が移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えること、および犯罪による収益の移転がその剥奪や被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転の防止を図り、国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的として制定されたものです。
  • 注3携帯電話不正利用防止法とは、振り込め詐欺など携帯電話を不正に利用した犯罪を防ぐための法律のこと。正式名称は「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」。平成18年4月から施行され、携帯電話契約時の本人確認の義務化や、通信事業者に無断で有償かつ通話可能な携帯電話を譲渡・売買することを禁止する項目などが挙げられています。
  • 注4署名用電子証明書とは、インターネット等で電子文書を作成・送信する際に利用します(例 e-Tax等の電子申請)。「作成・送信した電子文書が、利用者が作成した真性なものであり、利用者が送信したものであること」を証明することができます。
  • 注5利用者証明用電子証明書とは、インターネットサイトやコンビニ等のキオスク端末等にログインする際に利用します(例 マイナポータルへのログイン、コンビニでの公的な証明書の交付)。「ログインした者が、利用者本人であること」を証明することができます。
  • 「BizPICO」「CAFIS」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
古場
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
e-コミュニティ事業部
第二ビジネス統括部
第二営業担当
木村、高向
TEL:050-5546-2449