三菱UFJ信託銀行の情報信託プラットフォームの実証実験に参加 ~実証実験への社員参加および実験で使用するβ版アプリを構築~
2018年11月15日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、三菱UFJ信託銀行株式会社(以下:三菱UFJ信託銀行)が検討する情報信託機能注1を担うプラットフォーム「DPRIME(仮称)」β版注2の開発支援、およびβ版を利用した実証実験に参加します注3。
「DPRIME(仮称)」は、個人自らがパーソナルデータ(以下:PD)注4を活用し、データ利用企業へ提供することで、個人が得られる価値の最大化を実現するプラットフォームです。「DPRIME(仮称)」β版の実証実験では、さまざまな事業者に散在している自己のPDの一部を集約し、横断的、多角的、時系列に可視化することで、個人が自らPDを管理、活用するにあたってのシステム上の課題を検証します。
加えて、PD利用企業が個人に対して、利用目的、提供内容、対価を提示する「データ提供オファー」のサンプルを複数用意し、その内容に応じて提供可否を判断する体験を行うことで、PDの適正な価値基準を検証します。
今後もNTTデータは「DPRIME(仮称)」の商用サービスリリースに向けて支援を継続していきます。また、2019年度以降にはNTTデータのサービスとして情報銀行やPDストアの基盤を提供する予定です。
背景
欧州では、急激なPD利活用の広がりに対応するため、2018年5月25日「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)が施行され、データ活用の促進と個人のプライバシーの保護について、世界的に両立させる流れとなっています。
日本においても、総務省、経済産業省が共催する「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」において、「情報銀行」について議論され、「情報信託機能の認定に係る指針Ver1.0」が作成されました。これを受けて、一般社団法人 日本IT団体連盟が、民間企業が個人情報を含むPDを預かり、第三者の事業者にデータを提供する「情報銀行」事業についての審査・認定を行う事業を開始するなど注5、PDを安心安全に利活用するためのスキーム作りは着々と進んでいます。今回の三菱UFJ信託銀行の取り組みはまさにその一助となるものです。
NTTデータは数年来、PD活用について調査・研究を行っており、フランスのNGOであるFing主催の実証実験「MesInfos」プロジェクトへの参加注6やMyDataカンファレンス注7に参加するなど、この分野での知見を深めてきました。このたび、その知見を生かして、「DPRIME(仮称)」検討当初から制度設計、技術両面から支援してきました。今回の実証実験でNTTデータは社員約400名が参加し、個人が安心してデータを預けられる仕組みを検証します。
DPRIME概要
「DPRIME(仮称)」は、個人自らがPDを活用し、データ利用企業へ提供することで、個人が得られる価値の最大化を実現するプラットフォームで、三菱UFJ信託銀行が検討を進めています。この取り組みにおいて、NTTデータはサービスデザインの検討当初から参画し、本件に関して共同で特許も出願中です。また、システム構築においては、SIerとしての技術的な支援はもとより、PDを取り扱うための制度上の課題検討についても支援しています。
実証実験概要
- 実施時期:2018年11月19日~2018年12月16日
- 検証対象:NTTデータを含む10社、合計1,000人
- 検証事項:参加者保有のスマートフォンにダウンロードしたβ版アプリを利用することで以下2点を検証します。
- (1)「行動データ」「歩行データ」「金融データ」集約可否
スマートフォンのGPS機能から取得される「行動データ」、実験用に配付するスマートフットウェア注8から取得される「歩行データ」、および個人向け資産管理サービスから呼び出される「金融データ」を、個人の判断に基づきどの程度アプリに集約してもらえるかを検証します。 - (2)データ提供オファーに対する、レスポンス分析
オファーに対する応諾の可否、希望対価水準等の検証を行ないます。
※実際のデータ利用者へのデータ提供および対価の受け取りは発生しません。
- (1)「行動データ」「歩行データ」「金融データ」集約可否
- 上記検証結果をもとに、商用サービスリリースに向けて、PDを安心かつ価値を最大限に活用できるビジネスモデル、システムの検討を進めていきます。
今後について
今後もNTTデータは「DPRIME(仮称)」の商用サービスリリースに向けて支援を継続していきます。
また、本件で得たノウハウを元に、これまでマイナンバービジネスやビッグデータビジネスで得た技術も活用し、2019年度以降に情報銀行やPDストアの基盤を構築し、サービス提供を行う予定です。当社の提供する基盤により、PDの安心、安全な流通を支援し、データドリブンな社会の実現に貢献したいと考えています。
注釈
- 注1個人がPDの第三者提供可否を判断する支援、または指図に基づき本人に代わりPD提供の妥当性を判断する機能
- 注2正式版を公開する前に、ユーザーとの接点を含めた一連の体験を検証するための、サンプルソフトウェア
- 注3三菱UFJ信託銀行株式会社 2018年11月9日ニュースリリース「情報信託プラットフォーム「DPRIME」β版の試行開始について」
https://www.tr.mufg.jp/ippan/release/pdf_mutb/181108_1.pdf(外部リンク) - 注4特定の個人を識別できる情報(=個人情報保護法第2条第1項に定める個人情報)に加え、個人の特定・選別につながらない情報を含めた、広範囲の個人に関する情報
- 注5一般社団法人日本IT団体連盟「情報銀行認定事業開始について」
https://www.itrenmei.jp/registration/(外部リンク) - 注6GDPR施行に伴う、企業が保有するPDをどのように個人に還元し、活用するかについての実証実験
http://mesinfos.fing.org/partenaires/(外部リンク) - 注7フィンランドのNGOである、Open Knowledge Finland、Fingなどが主催するPDの利活用、法整備などについて検討をするカンファレンス
https://mydata2018.org/sessions/showcases/(外部リンク)(英文のみ) - 注8スマートフットウェアとは、株式会社アシックスと株式会社no new folk studioで共同開発を行った歩数や歩行速度、足の傾きなどのデータを記録できるスポーツシューズのことです。
- 本文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
後藤
TEL:03-5546-8051
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
金融事業推進部
三菱UFJ信託銀行実証実験事務局
E-mail:mutb-poc@am.nttdata.co.jp