横浜市における「RPAに関する共同実験」報告書公表 ~平均84.9%の作業時間削減効果を実証~
2019年3月18日
横浜市総務局行政・情報マネジメント課
日本電信電話株式会社
株式会社NTTデータ
株式会社クニエ
横浜市と日本電信電話株式会社(以下:NTT)、株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)、株式会社クニエ(以下:クニエ)は、2018年7月に締結した包括連携協定注1に基づき、「RPA注2の有効性検証に関する共同実験」を実施しました。
このたび、共同実験が終了し、結果報告書をとりまとめましたので公表します。
横浜市は、共同実験の成果を踏まえ、RPAの本格導入に向けて、引き続き検証を進めます。
NTT、NTTデータ、クニエは、横浜市との包括連携協定に基づき、「働き方改革」などに資する取組を継続します。
共同実験の概要
1 目的
横浜市官民データ活用推進計画に掲げた「データやICTを活用した効率的・効果的な行政運営の推進」や、「働き方改革」、「長時間労働是正の取組」のひとつとして、市の実際の業務の一部にRPAを試験的に導入し、有効性を検証しました。
2 具体的内容
月報作成やデータの収集・入力など定型的な7業務の一部(事務作業)において、所管部署の職員がRPAソリューション「WinActor(ウィンアクター)注3」によりシナリオ注4を作成し、作業の自動化を試行しました。(試行実施期間:平成30年7月から平成31年3月まで)
- <参考>RPAの機能や動作のデモを紹介しています。
URL:https://winactor.com/
3 役割分担
- 横浜市・・・実験フィールド及び市職員の実務に関する知識・経験等を提供
- NTT・・・共同実験のマネジメント
- NTTデータ・・・RPAソリューション「WinActor」の提供、操作研修及び技術支援、その他RPA
ソリューション活用に係るさまざまなノウハウ注5やアイデアの提供・検証 - クニエ・・・対象業務の選定、効果検証、検証結果の分析及び報告書のとりまとめ、活用に係るさまざまなノウハウやアイデアの提供・検証
4 実験結果
- (1)RPAを試験導入した事務で、平均84.9%、最大99.1%の作業時間削減効果注6を確認しました。
- (2)一方で、安定的な運用(作業手順が変更された場合の対応、市職員のICTスキルにばらつきがあるなど)や、効果的な活用(RPA導入前の業務プロセス見直し、手書きの文字や数字のデジタル化など)にかかる課題を確認しました。
報告書
共同実験結果の詳細は報告書をご参照ください。以下のWebサイトでダウンロードできます。
URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/somu/org/gyosei/rpa/index.html(PDFファイル:約5.6MB)
追加検証
- 共同実験を進めるなかで、RPAの導入を検討する際に「手書きの申請書などをシステムにデータとして入力する事務作業(手作業によるデジタル化)」の存在が課題のひとつであることが判明しました。
- この課題の解決に向け、紙の申請書に代わりタブレットなどから申請できる仕組みを構築し、「タブレットによる紙帳票のデジタル化」などの追加検証を行いました。
- タブレットを利用した申請書などの作成は、窓口などで作成した申請書などのデータをQRコード化することなどにより、セキュリティを確保しながらRPAがシステムにデータとして取り込むことが可能になるなど、新たなデジタル化ツールとしての有効性も確認できました。
(追加検証の詳細は、報告書の32・33ページをご参照ください。)
今後の取組
- 横浜市:今回の共同実験により、複数の事務作業で「WinActor」の導入から効果検証まで行った結果、RPAの有効性を確認することができました。一方で、導入における課題も確認できたことから、今後も、RPAの本格導入に向けた検証を進めます。
- NTT、NTTデータ、クニエ:横浜市との包括連携協定に基づき、「働き方改革」などに資する取組を継続します。
注釈
- 注1横浜市2018年7月31日ニュースリリース「データ活用で市民生活をより便利に 横浜市と横浜市立大学、日本電信電話株式会社が「官民データ活用による超スマート社会の実現に関する包括連携協定」を締結」
http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201807/20180731-037-27880.html - 注2RPA(Robotic Process Automation)とは、ルールエンジン・人工知能などを活用した、業務の効率化・自動化の仕組みで、昨今のAIの急速な普及を受けて脚光を浴びつつあります。定型的なパソコン操作等を人の代わりにロボット(ソフトウェア)に行わせる技術です。
- 注3Windows操作ロボット「WinActor」は、2010年に日本電信電話株式会社の研究所が開発した技術をベースとする純国産のRPAソリューションです。2018年12月末時点で2500社に導入され、国内シェア1位となっています。(※RPA BANK調べ)
提供パートナー開拓や技術研修教材作成、管理統制ツールWinDirectorの開発等を販売元のNTTデータが担当しています。NTTデータは日経コンピュータ『顧客満足度調査RPA部門』および『パートナー満足度調査RPA部門』において1位評価を獲得しています。
https://winactor.com/ - 注4シナリオとは「WinActor」に行わせる作業をフローチャート図で書いた手順書です。ノードと呼ばれるボックス形のパーツを組み合わせて作成します。
- 注5NTTデータ 2018年5月11日サービスインフォメーション「自治体における「WinActor」活用に関する共同研究成果を公表」
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2018/051101/ - 注6市職員が作業を実施した場合(導入前)に作業開始から完了するまでに要する時間を試算したうえで、当該事務作業にRPAを試験導入した際の市職員の作業時間を同様に試算し、両者の比較により作業時間の削減率を「作業時間削減効果」として算出しました。
- 「WinActor」は日本国内におけるNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
- 本ニュースリリースは横浜市と日本電信電話株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社クニエが共同で配信しています。重複して配信されることがありますが、ご了承願います。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係について
横浜市
総務局
しごと改革室
行政・情報マネジメント課長
田中 敦
TEL:045-671-2112
日本電信電話株式会社
経営企画部門
広報室
川野
TEL:03-5205-5550
株式会社NTTデータ
広報部
後藤
TEL:03-5546-8051
株式会社クニエ
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広報担当
三宅
TEL:050-3852-7203
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GOV
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TEL:03-3517-2292(代表)