NTTデータグループの新中期経営計画について
2019年5月9日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータは、経営環境の見通しおよび課題を踏まえ、2019年度~2021年度の中期経営計画を以下のとおり策定しました。当社グループは、引き続き「信頼されるブランドの浸透」を掲げた「Global 3rd Stage」の到達に向けて、グローバルで質の伴った成長を目指します。
経営環境の見通し
技術のさらなる進展によりデジタルトランスフォーメーションの流れが加速しており、ITの戦略的活用による事業拡大や新規事業創出など、お客さまのニーズは多様化・高度化しています。今後も、このようなお客さまのさらなるビジネス成長に加え、SDGs(持続可能な開発目標)に代表される環境・社会課題の解決に向けても、ITの果たす役割は世界的に拡大するとともに、より重要になっていくものと考えられます。
前中期経営計画の振り返りと課題
当社グループは、前中期経営計画(2016年度~2018年度)において「ローカルプレゼンスの向上」によるグローバルブランドの確立を戦略の根幹に据えて、中期経営目標として「連結売上高2兆円超」および「調整後連結営業利益額50%増注1」の達成を目指してきました。
具体的には、「リマーケティングの更なる深化」と「技術革新による価値創造」の重点方針に基づく取り組みを進めました。
「リマーケティングの更なる深化」としては、年間売上高が50億円相当以上のお客さまが、2015年度の50社に対して2018年度には70社に達するなど、「Clients First」の追求により多くのお客さまとの信頼関係を確立しました。このように、当社グループは、お客さまと「Long-term Relationships(長期的信頼関係)」を構築し、顧客基盤注2を強化するとともに安定した経営基盤を確立しています。
「技術革新による価値創造」としては、「生産技術の革新」と「最先端技術の活用」の取り組みをグローバルで進めてきました。「生産技術の革新」では、ソフトウエア開発方法の標準化や自動化、基盤技術の標準化(統合開発クラウド)をグローバルで推進することにより生産性の向上を実現し、「最先端技術の活用」では、グローバル横断で最先端技術の知見を蓄積する拠点(Center of Excellence)注3を組成し、各リージョンでの活用促進によりお客さまとの事業の共創を推進しました。
これらの取り組みにより、2018年度にて「連結売上高2兆円超」および「調整後連結営業利益額50%増」の中期経営目標を達成しました。
さらなる持続的な成長を実現するために、お客さまへの提供価値の最大化に向けて、デジタルトランスフォーメーションのさらなる加速や、当社グループのグローバルシナジーの最大化に向けた取り組みが必要と認識しています。
また、不採算案件の抑止と海外事業の収益性改善については、引き続き改善すべき重要な経営課題と認識し解決に向けた取り組みを一層強化します。
新中期経営計画
上記のような経営環境の見通しおよび課題を踏まえ、当社グループは2019年度~2021年度の中期経営計画を以下のとおり策定しました。
基本方針
変わらぬ信念、変える勇気によってグローバルで質の伴った成長を目指します。
中期戦略
「変わらぬ信念」のもと、「お客さまとともに未来の社会を創る」を基本的な考え方として、当社グループの競争優位性の源泉であるお客さまとの「Long-term Relationships(長期的信頼関係)」に基づき、お客さまとの共創による事業を通じて社会に貢献していくとともに、自らの企業活動においても働き方変革等を通じて働きがいのある社会の実現に貢献していくことで、企業価値の持続的向上を目指すESG経営を行います。
また、「変える勇気」を持って3つの戦略を実行し、デジタルトランスフォーメーションのさらなる加速とグローバルシナジーの最大化を実現してお客さまへの提供価値最大化を図ります。
戦略1.グローバルデジタルオファリングの拡充
インダストリーや技術の注力領域を定め、積極的に投資していくことで“強み”(オファリング)を創出し、マーケティング・技術活用支援と一体でグローバル連携を加速します。具体的には、個別のお客さまへのロイヤルティープログラムを拡充するとともにインダストリー内連携を加速し、同時に、対外リレーションの高度化や成功事例の共有と加速を推進します。
また、インダストリーの知見を集約したデジタルオファリング注4戦略を策定し、オープンイノベーションを活用しながら、お客さまとの共創プロジェクトへ当社も積極投資することで、より提供価値の高いオファリングを創出します。
さらに、最先端技術の知見を蓄積する拠点(Center of Excellence)の拡充によりアセット注5の集約と活用を加速し、迅速なオファリング創出と展開を実現します。
これらの施策によって、グローバル一体となってデジタルビジネスの拡大を推進します。
戦略2.リージョン特性に合わせたお客様への価値提供の深化
リージョン特性に合わせた4D Value Cycle注6の推進によりお客さまへの価値提供を深化することにより、2018年度末で70社となっている顧客基盤をさらに拡大します。具体的には、日本においては「既存領域の強みを活かした新しい価値の創出」、中国・APACにおいては「マーケット成長を活かした飛躍的事業拡大」、北米においては「重点志向での強み創出と柱顧客の拡大」、EMEA・中南米においては「三社注7一体運営による顧客提供価値の向上」を推進します。
戦略3.グローバル全社員の力を高めた組織力の最大化
グローバル共通の価値観でコラボレーションを推進し、個の力を高めながら組織力の最大化を図ります。具体的には、社員のプロフェッショナリティーの最大化として、全社員のデジタル対応力を高めるとともに、社員の多様な自己実現に沿って制度設計等も見直し、社員エンゲージメントの向上を図ります。
また、デジタル技術を活用した働き方変革として、グローバルで知見やノウハウを共有できる基盤を構築し、コラボレーションを推進すると共に、引き続き次世代の生産技術を磨くことでさらなる生産性の向上を目指します。
さらに、適切なガバナンス態勢の構築として、前中期経営計画の課題でもある不採算案件の抑止等、リスクマネジメントのさらなる強化に取り組みます。
上記に加え、NTTグループ連携の強化を進め、NTTグループトータルで新たな価値を創造し、グローバルマーケットでのプレゼンスを高めます。具体的には、先進領域における連携として、基盤的研究開発や次世代技術研究開発の成果をグローバルで活用し、先進ソリューションやサービスの提供を目指します。
また、各地域における連携として、NTTグループ各社が得意とするインフラ、セキュリティーサービス等を組み合わせて、トータルでお客さまへサービスを提供することで事業のさらなる拡大を目指します。
さらに、NTTグループ全体の調達集約等によるコスト削減などのスケールメリットを生かした連携も進めます。
中期経営目標
連結売上高 | 2.5兆円 |
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顧客基盤 | 80社以上 |
連結営業利益率 | 8%注8 |
海外EBITA率 | 7%注8 |
注釈
- 注1対2015年度(調整項目:新規領域への投資増分)
- 注2年間売上高50億円以上(日本)、もしくは50百万米ドル(日本以外)のお客さま
- 注3高度な研究・開発活動を行い、人材および事業の創出・育成の中核となる拠点
- 注4最先端技術を活用してお客さまへ提供する商品・サービス等
- 注5システムを構成する資材やソフトウエア、ライセンス(利用権)等の要素
- 注6当社の共通の価値提供モデル。Discover(目利き)、Design(企画)、Develop(つくり)、Drive(活用)のサイクルを繰り返しお客さまとの信頼関係を深化する。
- 注7NTT DATA EMEA、everis、Business Solutions
- 注8M&A・構造改革等の一時的なコストを除く
Discover | 市場と顧客のニーズの予測、新技術の目利き |
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Design | さまざまなビジネスやサービスの連携を視野とした広く深い構想 |
Develop | 高度なシステム構築力や活用力によるソリューションの構築と提供 |
Drive | お客さまがソリューションを最大限活用するためのサポート |
本件に関するお問い合わせ先
広報部
TEL:03-5546-8051