ゆうちょ銀行のアンチマネーロンダリング向けシステムを受注 ~「SAS® Anti-Money Laundering」と「Oculus®」で日本最大の口座数・顧客数に対応~

ニュースリリース/NTTデータ

2021年6月30日

株式会社NTTデータ
SAS Institute Japan株式会社
NTTデータ ジェトロニクス株式会社

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)とSAS Institute Japan株式会社(以下:SAS)、NTTデータ ジェトロニクス株式会社(以下:NTTデータ ジェトロニクス)の3社は、株式会社ゆうちょ銀行(以下:ゆうちょ銀行)のアンチマネーロンダリング(以下、AML)向けシステムを開発します。2021年7月から開発を始め、2024年のサービス開始を目指します。
マネーロンダリングやテロ資金供与を防ぐため、同システムでは取引の厳格な監視と規制変化への柔軟性を両立します。構築は主にNTTデータが担い、ゆうちょ銀行の業務ニーズにあわせて先進的なAMLサービスであるSASの「SAS® Anti-Money Laundering」、NTTデータ ジェトロニクスの「Oculus®」を採用します。日本最大の口座数・顧客数を持つ同行の大量な取引に対し、厳格化する規制に則った対応が可能です。

背景

昨今、国内の金融機関でAML対策の強化が課題になっています。FATF(ファトフ)注1などの規制当局が各国に金融犯罪に関する態勢の高度化を求めており、マネーロンダリングに関する国内規制は頻繁に変わり、厳格化しています注2。ゆうちょ銀行は2024年にAMLシステムの更改を控え、こうした状況に柔軟に対応できるシステムの構築を検討していました。このたび、WTO協定に基づいた国際競争入札の結果、NTTデータがその構築を担うことになりました。

開発するゆうちょ銀行のAMLシステムについて

AMLシステムはNTTデータが中心となって構築します。日本最大の口座数・顧客数を持つゆうちょ銀行の大量な取引に対してサービス継続可能な性能を確保します。SASの「SAS Anti-Money Laundering」とNTTデータ ジェトロニクスの「Oculus」を組み合わせ、厳格なアンチマネーロンダリングと規制変化への柔軟性を両立します。

図1:開発するAMLシステムの機能と各社の役割

開発するAMLシステムは、「モニタリング注3」「リスク格付け注4」「スクリーニング注5」「顧客管理」の4つの機能を備えます。NTTデータはモニタリング機能に「SAS Anti-Money Laundering」、リスク格付け機能とスクリーニング機能に「Oculus」をそれぞれ採用しました。

製品提供元概要
「SAS Anti-Money Laundering」SAS
  • SAS Anti-Money Launderingは、グローバルスタンダードのマネーロンダリング対策に必要な機能群を具備するAMLソリューションです。柔軟なシナリオエンジン、ビジュアルアラート調査、厳格なワークフロー、インメモリシミュレーション機能、それらを支える大規模並列分散処理アーキテクチャーにより、継続的に変化するAMLリスクに迅速に対応することが可能です。
  • 国内大手金融機関におけるデファクトスタンダードとなっており、G-SIFIsを中心とした海外大手金融機関270社以上で採用実績があります。Chartis Research及びGARTNERの外部評価機関からも継続的にLeaderの評価を獲得しており、大手金融機関及び規制当局等でのプロジェクトノウハウを元に導入及びAML対策高度化のご支援サービスを提供します。
「Oculus」NTTデータ ジェトロニクス
  • AMLシステムには「Oculus®-CDD」「Oculus®-filter」を使います。
  • リスク格付製品の「Oculus-CDD」では、多様な情報に対応し、柔軟なルール変更による機動的な格付対応を可能としています。また、データ項目の追加変更時のシミュレーション機能や、格付毎の期日管理機能を備えております。
  • スクリーニング製品の「Oculus-filter」では、あいまい検索にも対応したエンジンを備え、また独自機能により大容量のCIFへの対応を可能としています。他にも、API連携による自動フィルタリングや、過去判定適用やルールチューニングにより、顧客スクリーニング判定業務の負荷軽減を実現します。
  • Oculusシリーズ導入実績は、300を超えるエンドユーザー様にご利用いただいています。

表1:「SAS Anti-Money Laundering」と「Oculus」の概要

顧客管理機能はNTTデータが独自に構築し、「モニタリング」「リスク格付け」「スクリーニング」の各機能で扱う顧客情報を集約して管理します。各機能の情報をもとに、システム全体としてマネーロンダリングやテロ資金供与を防ぐために必要な設定を一元的に行います。

以上の機能により、確実な当局要請の充足と、厳格化する規制に則った対応が可能です。

今後について

NTTデータ、SAS、NTTデータ ジェトロニクスの3社は、NTTデータを中心に共同でAMLシステムの開発を進めます。2021年7月から開発を始め、2024年の運用開始を目指します。

注釈

  • 注1Financial Action Task Force。マネーロンダリング対策やテロ資金対策などにおける国際的な協調指導、協力推進などを行う政府間機関です。
  • 注2金融庁は2018年2月に「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を発表したあと、2019年4月に改正、2020年12月11日に再度改正案を公表しています。金融庁は同ガイドラインで金融機関におけるリスクの特定・評価の整理、顧客管理に関する実務的な要請などをまとめています。
  • 注3モニタリングとは、過去の取引履歴や取引パターンなどの傾向から、通常と異なる「疑わしい取引」を検知することを指します。
  • 注4リスク格付けとは、顧客、国・地域、サービス、取引形態等の観点で顧客リスクの格付を行うことを指します。
  • 注5スクリーニングとは、受け付けた顧客情報と資産凍結等経済制裁者、反社会的勢力などのリストと照合することを指します。
  • 「SAS® Anti-Money Laundering」はSAS Institute Japan株式会社の登録商標です。
  • 「Oculus®」「Oculus®-CDD」「Oculus®-filter」はNTTデータ ジェトロニクス株式会社の登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

参考:Open Service Architecture(OSA)での位置づけ

本AMLソリューションは、NTTデータが提案するOpen Service Architecture(OSA)のデータアナリティクスエリアの中で「AMLチェック」「不正検知」に関わる領域に位置付けられます。

OSAとは、「Open Service ArchitectureTM」は、ポストコロナに求められる新しい金融ITの姿を具体化した標準アーキテクチャーです。NTTデータが提供する基盤だけではなく、パブリッククラウドも活用した「Open Platform」と国内最大級のAPIエコシステムである「Open API」により、金融機関/行政/企業の「Open Innovation」を実現します。
NTTデータは「Open Service Architecture」を活用し、多くのステークホルダーとともに金融ITのオープンイノベーションを推進し、ポストコロナに求められる新しい社会の実現を目指します。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
岡林
TEL:050-3644-3163

SAS Institute Japan株式会社
広報担当
山中
TEL:03-6434-3700

NTTデータ ジェトロニクス株式会社
マーケティング本部
川上
TEL: 044-223-4911

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一金融事業本部
郵政・政策金融事業部
青柳、澤、井上、黒岩
TEL:050-5546-8741

SAS Institute Japan株式会社
ソリューション統括本部
Fraud & Security Intelligenceグループ
内山
営業統括本部
公共営業部、パートナーアライアンス本部
時松、荒川
TEL:03-6434-3020

NTTデータ ジェトロニクス株式会社
金融ソリューション事業本部
AML/GRCソリューション事業部
松下、鈴木
TEL:03-3510-1093