NeuroAIおよびTwitterデータ等を使った視聴者反応予測サービスの商用化に向けた検討開始 ~民放局との実証実験を完了、視聴者の興味を引く番組提供の実現を目指す~
2021年7月30日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、テレビ番組等の視聴に伴う視聴者反応予測サービスの商用化に向けた検討を開始します。
本サービスは、人が物事に反応する脳情報をシミュレーションできるNeuroAI® D-Planner注1とリアルタイムに感想が書き込まれるTwitterデータ等を活用することで、放送前に視聴者が番組に対してどのような印象を想起するかを予測したり、放送後の反響等を分析することで、視聴者の興味を引く番組制作を支援します。視聴者の反応を個人から直接取得する必要がないため、視聴者ニーズを把握する手間や時間の削減が可能です。2020年から1年間、複数の民放局と実証実験を行い、番組制作に係る有効性が確認できたため、商用開始に向けて検討を開始します。
今後、NTTデータはNeuroAIやTwitterデータ以外のデータとも組み合わせて、視聴者ニーズの予測精度を高めていくとともに、放送局をはじめとするメディア事業者へのサービス提供を目指します。
背景
動画配信サービスのNETFLIXやYoutube等が急成長を遂げており、今後差別化を図るためには視聴者の興味を引く番組制作が求められています。そのためには、番組の視聴者ターゲットの反応を把握することが求められているものの、番組に対する視聴者の生の反応を予測したり把握することは難しい状況にあります。
NTTデータはこれまで、主にメディア事業者向けのサービスとして、放送やインターネット等の膨大なデジタルコンテンツから特定のコンテンツを瞬時に検出する「MediaSearch+™」注2等を展開しています。これまでのメディア事業者向けサービスを通じて得られたノウハウに基づき、NeuroAI D-PlannerおよびTwitterデータ等を活用して視聴者ニーズを定量的・定性的に分析、予測する実証実験を行った結果、一定の効果が見込まれたため、サービス商用化に向けた検討を開始します。
NeuroAI D-Plannerは、動画視聴時の脳情報をシミュレーションできる技術を使っており、視聴者の生の反応に近い予測結果を得られます。また、Twitterデータ等と掛け合わせることで、番組制作段階での番組制作意図との整合確認等に活用できます。さらに、番組放送・視聴後にTwitterデータ等で反響分析を行うことで、次の番組制作に向けた示唆獲得等を支援します。
図1:視聴者反応予測サービス分析イメージ
サービスの特長
- 1.視聴者の個人情報の取得や、やりとり、依頼が不要
通常、視聴ログや視聴反応等を収集する場合は、その都度、視聴者の許諾が必要となります。しかしながら、視聴反応予測サービスではNeuroAI D-PlannerおよびTwitterデータから仮想視聴者を作り上げて、その反応情報を使うため、実在する視聴者の許諾は不要となります。通常必要な許諾に要する時間や手続き、視聴者個人の情報管理等が不要になる点が、本サービス最大の特長です。 - 2.視聴者反応の事前予測とリアルタイムでの把握
サービス利用者となる民放局、CMスポンサーは、仮想視聴者に、比較したい複数の番組コンテンツを視聴させることで、最も効果の期待できる編集案や改善点を把握できます。
代表的な機能と内容(仮想視聴者のアウトプット)は以下のとおりです。仮想視聴者のアウトプットを利用することで、一貫した制作意図のもとに番組制作が可能となります。
目的 | 提供機能 | 概要 | |
---|---|---|---|
番組編成の最適化 | ・過去作品等の分析による制作意図の構築 ・制作意図との整合確認 | 知覚予測 | ・コンテンツ視聴時に視聴者が知覚する内容を名詞・動詞・形容詞の3つでスコア化 |
事例:同一人物でも、表情、ポーズにより異なるイメージが想起されていることが解析できる等、制作意図に合致した編集等が可能 A案よりもB案の方が、より良いイメージを想起 | |||
GAP予測 | ・任意のキーワード(制作意図等)を設定し、それが視聴者にどのくらい伝わるかを予測 | ||
事例:番組の制作意図に合致したシーンの直後に、制作意図と親和性の高いCMを差し込むことが可能 | |||
・過去作品等の分析 ・複数案の選定 | 印象度予測 | ・コンテンツが視聴者に与える印象を30項目の印象評価指標によってスコア化 | |
事例:番組内で紹介するサービスやグッズのイメージ(知的など)を想起させるシーンと、イメージからかけ離れたシーンの特定が可能となるため、イメージにそぐわないシーンの改善が可能 | |||
二次利用検討 | ・成功事例のセオリー分析 ・二次利用検討 | 広告効果予測 | ・クリック率などコンテンツをWEB広告として出稿した際の効果予測 |
好感度予測 | ・TVCM調査会社の「好感度」指標に基づき、コンテンツが視聴者にどれだけ好かれるかを予測 | ||
事例:番組本編を通じて視聴者が好感度を示すと予測されるシーンを中心とした番宣作成が可能 | |||
反響分析 | ・反響分析 | トピック分析 | ・分析対象となる文章に含まれるトピック(単語・表現等)を把握するための分析 ・記事数単位でカウントすることにより、トピックのボリュームを適正に把握 |
評判分析 | ・トピックの評判を把握するための分析 ・評判は「好評」・「不評」・「その他」の3種類で、抽出件数は評判の件数を表示 | ||
Twitter分析 | ・Twitter特有のアカウント・Retweet・ハッシュタグの分析・表示 |
表:視聴者反応予測サービス機能群
今後について
NTTデータは今後、MediaSearch+との接合等、サービス商用化に向けた検討を開始し、さらに当社サービスを活用した検証を進めるとともに、放送局をはじめとする多くの事業者とサービス拡大を推進していきます。
注釈
- 注1NeuroAI D-Plannerについて
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/neuroaitm_d-planner/ - 注2MediaSearch+(メディアサーチ プラス)について
https://nttdata-media-search.com/
- 「NeuroAI D-Planner」は株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「MediaSearch+」は株式会社NTTデータの商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
廣田、西澤
TEL:070-4437-3848
製品・サービスに関するお問い合わせ先
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スマートライフシステム事業部
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