佐渡市民と共に「循環」をテーマに地域創生を進める研究を新潟大学と開始 ~「佐渡リビングラボ」を開設し、生活者起点のサービスを開発へ~
2022年6月23日
株式会社NTTデータ
複雑化する環境・経済・社会の課題を踏まえたSDGsへの取り組みの活発化もあり、持続可能な街や暮らしの実現への社会的気運が高まっています。佐渡市は、自然豊かな環境から多くの恩恵を受け、生物多様性を守りながらより豊かな暮らしに発展させていくことを目指していますが、人口減少による自然荒廃や経済衰退が深刻です。そこで、自然資源を生かし経済を発展させる、「循環」する街の実現が急務です。今回の共同研究では佐渡市民と対話型のワークショップを全5回開催し、地域の現状や課題、ニーズ、未来像、課題解決の方向性を「循環」をテーマに探ります。
今後、NTTデータは共同研究の成果をもとに2022年度下期に「佐渡リビングラボ注1」を開設し、自然共生と経済発展を好循環させる社会システムやサービス検討に着手予定です。将来的には、本取り組みを他地域へも展開します。
背景
近年、SDGs達成に向け、世界中で社会全体を巻き込んだ大潮流が生まれつつあり、日本の地域でもSDGsの実践として地域資源を生かしながら経済を発展させるという好循環の仕組みの実現を目指す社会的気運が高まっています。
佐渡市は、人口5万人規模の佐渡島全域を市域とする自治体で、生物多様性が高く、自然資源を生かした農業、林業、漁業など第一次産業が活発です。また、トキの保全はじめ、豊かな自然と暮らしを保全・再生しながら豊かな暮らしの実現を目指しています。しかし、近年の人口減少に伴う各産業の担い手不足により中山間地域の農林地の荒廃の進行が深刻で製造業を中心に産業の構造変化等による地域経済規模の縮小も課題です。雇用の減少は、さらなる人口流出につながっています。そのため、自然荒廃や経済衰退の打ち手として、佐渡市の強みでもある自然資源を享受しながら持続可能な街や暮らしを実現することが急務となっています。
NTTデータはこれまで、中央省庁や地方自治体を対象に、税務、雇用・労働、貿易、交通など社会を支える情報システムの開発や運用、コンサルティングビジネスを手がけ、地域の発展にも貢献してきました。また、2021年からは、社会課題の解決を生活者起点で住民や企業、行政などとともに行い、新しい社会システムを生み出すリビングラボの活動である「こくりぽっく注2」を開始しています。
このたび、島という特性により本土に比べより地域内での自然、人や経済などの「循環」を意識する必要のある佐渡市に注目し、日々の暮らしにおいて自然共生をテーマに社会実装型のプロジェクトを行っている新潟大学とともに、佐渡市の持続可能な街や暮らしの実現を目指し研究を開始します。
共同研究の概要
研究目的 | 「循環」をテーマに地域創生を進める社会システムおよびサービス検討に向けた、対象テーマの探求 |
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両者の役割 | NTTデータ:ワークショップの運営、国内先行事例の調査、 新潟大学:ワークショップの運営、ワークショップで出された意見の分析集約 |
研究手法 | 「自然共生の未来を探求する」をテーマに多様な産業に携わる地域住民との対話型のワークショップを全5回実施。ワークショップでは、地域の現状、課題、ニーズ等を共有し、あるべき姿とその課題解決に向けた方向性を探る。参加者がもつ多様な視点や価値観を重視し、生活者目線に立った社会システムやサービスを創出する場づくりへとつなげていく。 |
図:リビングラボの活動を生かしたサービス開発プロセス
今後について
2022年度下期に今回新潟大学と共同で行うワークショップより見つかった注力領域をテーマとし、リビングラボを開設し、多様なステークホルダーを巻きこみながら実証・検証を繰り返すことで、サービス開発を目指します。
将来的にNTTデータは、佐渡市での取り組み事例や本取り組みから生まれた社会システム像やサービスを日本国内で同様の課題を抱えた自治体に拡大していき、サステナブルな社会の実現に貢献します。
注釈
- 注1サービス開発の場を人々の生活空間の近くに置き、まちの主役である生活者に加え、企業や行政、大学などさまざまな立場の人が集まり協働し、地域住民が感じている社会問題の解決につながる新たなモノやサービスを生み出す場所。「Living(生活空間)」の「Lab(実証場所)」という名前の通り、市民が主体となったオープンイノベーションの拠点としても注目を集めています。
- 注2地域の方との対話を通じて、まちの理想像を検討し、実現のためのサービスを育てていくためのスタジオです。生活者接点の獲得を目指した仮想的な共創の場として2021年度に創設し、多様なステークホルダーを巻きこんだサービスの検討、現場での実証・検証を繰り返すことで、サービス開発を目指しています。
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本件に関するお問い合わせ先
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広報部
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