ノーコードで「デジタル店舗」を構築できるサービスをJAに提供開始 ~地域特性に合わせたカスタマイズで非対面の接点を強化~
2022年8月1日
株式会社NTTデータ
デジタル店舗は組合員や地域のJA利用者がスマートフォン、タブレット、PCからご利用頂けるオンライン上の仮想店舗です。デジタル技術の活用により、従来JAの支店や事業所、施設等で職員を介して提供していた、営農・販売・購買・金融等の各種サービスを利用者にパーソナライズされた体験として提供することを目指します。今回第一弾として、既存文書のペーパレス化や情報通知等のサービスをデジタル店舗で提供し、利用者の利便性向上と職員の業務効率化を実現します。
本サービスでは、JAグループに共通する事業特有の機能として、本サービス導入時にデジタル店舗上でそのまま利用できる販売精算書/購買請求書や市況情報の電子通知などの機能と、個々のJAの特色に応じて職員自身が個別機能をノーコードで構築できるサービスを提供します。
今後、NTTデータはデジタル店舗で構築できる提供メニューの拡張を行い、サービス価値のさらなる向上を目指します。対面接点の強化においても、職員が各事業横断でデータドリブンな提案活動を実現するためのサービスを提供し、対面/非対面の両面からJAの多様な接点強化を支援します。
背景
近年、JAグループでは農村部での人口減少や高齢化に伴う農業者の減少の観点から店舗再編や施設の見直しによる経営の効率化を進めています。その一方で、店舗・施設・職員の減少により、組合員や地域の利用者との物理的な距離が離れ、利用機会が減少したことで、利用者のニーズを汲んだ柔軟な対応が難しくなってきているという課題があります。このことから、JAグループでは、デジタルを用いた組合員や利用者との対面と非対面を組み合わせた多様な接点の強化を取組の一つに掲げています。
そこで、NTTデータは、JAながの・JA佐久浅間・JA信州諏訪などの長野県内JAおよび関係団体とともに、組合員や利用者との新しい接点のあり方を考え、多様なJAが利用可能かつ顧客視点に立った使いやすいサービスの企画・検討を進めて参りました。
その結果、接点強化を実現する取り組みの第一弾として、デジタル店舗構築サービスを今年度秋よりサービス開始します。個別に経営環境の異なるJAの特色に対応可能で、業態特有の業務・運用に適合するITサービスとしてJAグループが抱える課題解決に貢献するものです。
概要
デジタル店舗は、組合員や地域の利用者がスマートフォン、タブレット、PCから利用するクラウドサービスです。サービスコンセプトは「いつも手のひらにある私のJA」であり、JAは組合員や利用者に対し、デジタル店舗のマイページを通じてそれぞれの属性やニーズに合わせたサービスを提供することができます。
本サービスは、JAグループに共通する事業特有の機能としてサービス導入時にそのまま利用できるプリセット機能と、個々のJAの特色に応じて各機能の運用を職員自身がノーコードで構築できるカスタマイズ機能、デジタル店舗のプラットフォーム機能の3種類を提供します。NTTデータは、導入方針策定から初期サイト設計・構築、利用者への啓蒙・サポート、導入効果のモニタリング・改善施策の実施といった、デジタル化に伴うJAの取り組みの伴走支援も実施します。
1.プリセット機能
JA事業特有の販売精算書・購買請求書の送付、組合員向けイベント案内・申し込み、部会ごとの市況情報の通知などの業務に対応します。従来は郵送や配布など人手を介して運用していた業務を既存の業務システムなどと連携することで電子化・自動化できる機能を提供します。
2.カスタマイズ機能
JA事業に共通的に存在する申請受付、問合せ受付、ナレッジ公開、アンケート実施などの業務を対象に、個々のJAの特性に応じた個別のカスタマイズが可能です。職員自身が既存業務のうち必要なものを選択して電子化できる管理機能と、それにあわせて自動作成される利用者向け運用機能を提供します。例えば、電子申請管理機能をカスタマイズして、申請内容によって異なる申請項目や承認者・承認回数などのワークフローの作成、ワークフローに応じた申請の受付、申請データの他システム連携などが可能になります。
3.デジタル店舗のプラットフォーム機能
デジタル店舗への他システムの導線配置や、シングルサインオンにも対応しているため、既存のJAサービスの利用者向けデジタル接点の統合にも活用することができます。
特長
効果検証済み機能をそのまま利用
事業特有の業務にあわせて構築されたプリセット機能をサービス導入と同時にそのまま利用開始できます。これらは既に実運用に適用し改善・効果検証したものであり、サービス導入の初期運用から効果創出を期待できます。例えば、購買請求情報通知機能を利用し、郵送・個別配布していた書類を電子配布に切り替えることで、郵送費や人件費の削減を実現できます。
JA自身によるノーコードでの個別構築
本サービスのノーコード開発基盤を利用して個別のJAの運用にあったメニューを自由にデジタル店舗に構築できます。ノーコード開発基盤には、様々な業務に対応可能な機能群を具備しており、画面操作のみで提供したい業務・運用にあわせた機能を構築できます。また、各メニューの利用状況のモニタリングや分析も可能なため、構築した機能の振り返り・改善が可能です。例えば、ナレッジ管理機能では、公開するナレッジ情報のカテゴリ分けとその公開範囲指定、利用者からの評価受付可否の設定を画面にて行うことができます。JAは地域の利用者向けにくらしに役立つ情報や組合員向けに営農ノウハウ情報を公開し、利用者評価をもとにニーズに合わせた情報公開の改善を繰り返し実施出来ます。
アセットを有効活用したスピーディな構築
デジタル店舗のプラットフォーム機能を利用することで、JAの各種サービスの既存システムや知識ノウハウなどのアセットを有効活用したデジタル店舗の実現が可能です。例えば、JAの基幹システムと連携をする際、APIによるデータ連携機能を利用することで基幹系との二重投資を避け、スピーディかつ低コストで組合員サービスの提供を実現できます。
図:デジタル店舗のイメージ
今後について
今後、NTTデータは顧客のニーズに応じたデジタル店舗での提供メニューの拡張、営農支援プラットフォーム「あい作」や金融サービスをはじめとするJAの各種サービスとの連携によるサービスラインナップの充実により、JAと顧客の非対面接点としてのデジタル店舗のさらなるサービス価値向上に取り組みます。
また、対面接点の強化として、職員が各事業横断でデータドリブンな提案活動を実現するためのサービスを提供し、対面/非対面の両面から多様な接点強化を支援するとともに、JAの総合事業としてのデータ活用と事業成果創出の支援に取り組みます。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
西原
TEL:080-8160-8079
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
食農ビジネス推進部
食農ビジネス担当
山本、山根、中園
TEL:050-5546-9784