IoTプラットフォーム「ANYSENSE™」の提供を開始 ~メタウォーターの上下水道事業者向け監視システムとサービス連携~
2015年10月1日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(代表取締役社長:岩本 敏男、本社:東京都江東区、以下:NTTデータ)は2015年10月1日からIoTプラットフォーム「ANYSENSE™(エニセンス)」の提供を開始します。
「ANYSENSE」は、センサー、機器、プラント等、離れた場所にある、さまざまな「もの」の情報を収配信するIoTプラットフォームです。ファーストユーザーとして、メタウォーター株式会社(代表取締役社長:木田 友康、本社:東京都千代田区、以下:メタウォーター)が提供する上下水道事業者向け監視サービス向けに「ANYSENSE」のサービス提供し、両社で連携して同分野におけるIoTサービスの営業や開発を進めます。
NTTデータは「ANYSENSE」をコアに、これまで培ってきた監視アプリケーション開発ノウハウや、最新のビッグデータ解析技術も含めたIoTトータルソリューションを、社会インフラ分野、ユーティリティー分野および民間分野向けに展開し、2020年度にはIoTビジネス全体で年間売上100億円規模に成長させることを目指します。
背景・概要
電力、水位等の各種のセンシング装置、生産機械やエンジン、ボイラー、工場プラントなどを扱う多くの企業や公共機関等において、センサー情報をインターネット上に収集するIoT(Internet of Things)が注目をされています。
これまでNTTデータでは、さまざまな装置を接続するシステムの開発を行ってきましたが、従来のシステムはデバイスやネットワークの機能的・性能的制約のため、目的に応じて個別に開発することが多く、開発コストや運用コストが高くなる傾向にありました。
「ANYSENSE」は最新の通信技術やデータ蓄積技術を採用し、PLC(programmable logic controller)注1などの各種の装置とノンプログラミング注2で接続可能なIoTプラットフォームサービスです。「ANYSENSE」を採用することにより、従来比ベースで開発費用を1/3程度に削減し、かつ短期間でのIoTシステム導入を可能にします。
図1:「ANYSENSE」の概要
特長
「ANYSENSE」はセンサーとセンターを「つなぐ」機能と、センターでデータを「ためる」機能から構成されます。
特長は以下の通りです。
"つなぐ"に関する特長
- ノンプログラミングでPLCと接続ができます。またセンサーインタフェースとしてModbusプロトコル注3にも対応し、多くのセンサーと接続が可能です。
- センターとセンサー間の通信は、MQTTプロトコル注4による高速、大量通信が可能です。接続回線は、MVNO等の安価な携帯回線から専用回線まで回線を自由に選択し、使用できます。
- ソフトウエアのモジュール化により、ロースペックな現場機器(例えば、ネットワーク機器や機械本体の通信ボード等)にも組み込み可能です。注5
- 静止画像や各種データファイルの伝送にも対応します。また、センターから機器を制御することができます。
"ためる"に関する特長
- 通信断が発生した際も、リカバリー機能により欠損なくデータを蓄積することができます。
- 現場に設置されるフィールド端末等のデバイスの設定情報を管理し、プログラム更新や電源再立ち上げなどの効率的な遠隔保守を実現します。注6
- 異常判定等の処理を施した上で大量かつ高速にデータの保存を行います。注7
提供形態および価格
「ANYSENSE」には以下の3タイプの提供形態があります。
- 1.クラウドサービス
月額利用料型のIoTクラウドサービスとして提供します。本サービスには、24時間365日のコールセンター保守機能が含まれます。またオプションとして海外との接続を含む各種通信回線も提供します。
- 2.プライベートクラウド
当社のクラウドセンター内に、顧客企業専用のクラウド環境を構築し、サービス提供します。
- 3.オーダーメイド開発
顧客企業のセンターや拠点に、要望に応じてシステムを構築します。
主な適用分野
1.上下水道分野
上下水道設備等の運転管理や保守点検用途としての活用のみならず、上下水道のプラントシステム、漏水箇所やマンホールなどの監視システム、スマートメーター等への展開も行います。
なお本分野においては、メタウォーターが提供するWBCの上下水道事業者向け監視サービス向けに提供を開始し、両社で連携して上下水道分野におけるIoTサービスの開発や営業を進めます。
図2:上下水道分野での活用イメージ
2.自治体向け河川・道路・防災分野
都道府県・市町村等の道路管理、河川管理、防災等で使用するセンサーや機器データの集配信への展開を推進します。
図3:河川・道路・防災分野での活用イメージ
3.民間分野
スマートファクトリー、ビルオートメーション、遠隔メンテナンス等の業界・業務に精通する企業、専門性の高い技術を有する企業と連携し「ANYSENSE」を展開します。また、海外事業展開を行う企業へのIoTサービス導入の支援も行います。
加えて、電力・ガス等ユーティリティー分野における施設の遠隔監視、制御・メンテナンス、スマートメーター管理のほか、医療分野、農業分野、交通分野についても「ANYSENSE」の展開を進めます。
図4:民間分野での活用イメージ(工場・プラント管理)
図5:民間分野での活用イメージ(在庫・保守管理)
今後について
NTTデータは「ANYSENSE」をコアに、これまで培ってきた監視アプリケーション開発ノウハウや、最新のビッグデータ解析技術も含めたIoTトータルソリューションを、社会インフラ分野、ユーティリティー分野および民間分野向けに展開し、2020年度にはIoTビジネス全体で年間売上100億円規模に成長させることを目指します。
参考
注釈
- 注1PLCとは、リレー回路の代替装置として開発された制御装置です。工場などの自動機械の制御に使われるほか、エレベーター・自動ドア・ボイラーなど、身近な機械の制御にも使用されています。
- 注2ノンプログラミングとは、システム構築にあたって、新たなソフトウエア開発をすることなく、あらかじめ準備した設定事項を決定するだけでシステムが構築できる事です。センサー等のパラメーター設定を行うだけで、センサー等との通信が出来るようになることを指しています。
- 注3Modbusプロトコルとは、Modicon社が1979年、同社のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)向けに策定したシリアル通信プロトコルです。産業界におけるデ・ファクト標準の通信プロトコルとなり、現在では産業用電子機器を接続する最も一般的手段となっています。
- 注4MQTT(Message Queuing Telemetry)プロトコルとは、センサーとの通信接続に適した軽量のプロトコルで高速・大量の通信を可能とします。
- 注5参考最低スペック:CPUクロック500Mhz×2Core以上、Linux/kernel 2.6以上、メモリー1GB以上、Ethermetポート 1ポート以上。
- 注6標準化団体のOSGi Alliance(従来の名称はOpen Services Gateway initiative)の規格である、OSGI(Open Service Gateway initiative)フレームワークに準拠しています。
- 注7高速でデータ蓄積が可能なデータ保存方式である、KVS(Key-Value Store)を採用しています。
- 「ANYSENSE」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
- 会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:050-5546-8051
「ANYSENSE」に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
テレコム・ユーティリティ事業本部
ユーティリティ事業部
企画営業担当
前田、加瀬
TEL:050-5546-9681
E-mail:anysense_sales@kits.nttdata.co.jp