秋は温度、湿度共に安定しているので、1年で最も快眠が得られやすいシーズンです。この時期にぐっすり質の高い眠りを得ることで、夏に受けた様々なダメージや疲れを秋に持ち越すことなく、体をしっかりとリセットできます。
しかし、秋ならではの問題も。季節が秋に移り変わっても、日照時間が長く睡眠時間が短くなりやすかった夏の生活リズムをひきずり、引き続き睡眠時間が短めになる傾向が強いため、「秋の夜長」になってしまうといわれているのです。ついついネットサーフィンをしたり、ゲームに没頭したりしてしまう方も多いかと思いますが、それらは快眠を妨げてしまう行いの代表格。秋の夜長に、一体どんなことを行えば明日の綺麗につながるのでしょうか?
その答えは、「快眠につながる入浴」です。
入浴には、「皮膚を清潔にし、新陳代謝をうながす」「からだをあたためて血液やリンパの循環をうながす」「心身の疲労や緊張をとく」という3つの役割があり、入浴は快眠に直結する大切な習慣といわれています。ただし、快眠促進のための入浴法には守るべきルールがあるのです。1つ目は「38~40度というぬるめの温度であるということ」、2つ目は「20分程度の入浴時間であるということ」、そして3つ目は「全身浴であるということ」。
この3つのルールに従うことで交感神経の興奮を沈めて副交感神経を優位にし、気持ちが鎮静化に向かっていきます。ぬるめのお湯では体が温まりにくいと思われるかもしれませんが、実は熱めのお湯につかったときよりも、ぬるめのお湯で長めにじっくり浸かったときのほうが湯冷めしにくいといわれています。また、全身浴では心臓や体への負担がかかるのではと懸念される方もいるかと思いますが、39℃程度のぬるめのお湯なら全身浴も体への負担はほぼ変わりません。(高齢の方、高血圧の方、心血管疾患のある方はご注意ください)全身しっかり湯船につかることで疲れがたまりやすい首までじっくり温め、全身の血流がよくなって肌や身体のすみずみまでフレッシュな酸素や栄養素が行きわたるようになるので、健康・美容効果も絶大です。さらに、全身浸かることで浮力効果が働いて身体が軽くなり、緊張やこわばりから全身を解放してくれる作用も期待できます。
就寝60~90分前にはゆっくり湯船につかり、お風呂からあがった後は、「1日頑張ってくれてありがとう!」という感謝の気持ちを込めながら、ボディクリームやオイルをつけて全身を優しくマッサージしましょう。
もしも、熱いお湯でないと入浴した気分が味わえないという方は、就寝2時間以上前に入るようにしてください。熱いお湯での入浴は心拍数、血圧、発汗量を上げ、激しい運動をしたときと同様に交感神経を優位にしてしまいます。けれど、早めに入っておくことで、就床するまでには身体も落ち着き、おやすみモードに切り替わっているはずです。
忙しい毎日の中でも、自分を丁寧に労わる時間を確保することで、睡眠の質も格段に上がります。秋の夜長は早めにスマホを手放して、湯船につかってホッとできる時間をつくってみてくださいね。