「IDコマース基盤」に関する実証実験の結果報告について 〜技術検証が完了、導入により航空手荷物業務の作業効率も大幅に向上〜
2007年5月31日
株式会社NTTデータ
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社日立製作所
東芝テック株式会社
(株)NTTデータ(代表取締役社長:浜口 友一、本社:東京都江東区、以下NTTデータ)と富士通(株)(代表取締役社長:黒川 博昭、本社:東京都港区、以下富士通)、日本電気(株)(代表取締役 執行役員社長:矢野 薫、本社:東京都港区、以下NEC)、(株)日立製作所(執行役社長:古川 一夫、本社:東京都千代田区、以下日立)、東芝テック(株)(取締役社長:前田 義廣、本社:東京都品川区、以下東芝テック)は、IDをキーとして様々な情報システムや機器をシームレスに連携できるIDコマース基盤®の仕様を共同で策定し、2007年2月、(株)日本航空(代表取締役社長:西松 遙、本社:東京都品川区、以下JAL)の協力のもと、航空手荷物業務(「JAL手ぶらサービス」)に関する実証実験を実施しました。
このたび、実証実験を滞りなく終了させ、実験結果をまとめましたので、公表します。
注 JAL手ぶらサービスについては、別紙1を参照願います。
【実証実験の概要】
(1) | 実施時期: | 2007年2月1日から2月28日(1ヶ月) |
(2) | 実験場所: | 成田国際空港 第2旅客ターミナルビル3F Mカウンタ |
(3) | 実験の目的: | 今回の実験では、IDコマース基盤の相互接続性を以下の3つの点から検証・評価を実施しました。
注 IDコマース基盤については、別紙2を参照願います。 |
(4) | 実験項目: | 検証したのは、以下の項目です。
これらの企業がIDコマース基盤を利用することで、同一の手荷物に付与された複数の異なるIDを相互に連携し、自動認識させることができるため、航空手荷物管理業務の効率化が図れます。あわせて、旅客への手荷物チェックイン情報の開示により、手荷物のチェックイン状況をパソコンや携帯電話から確認できるなど、旅客の利便性向上が図れます。 |
図:実証実験のシステム構成イメージ
【実験の結果】
実験期間中、実験システムで処理した総手荷物数は約700個であり、そのうち1日で処理した手荷物数は、最大80個程度でした。その結果、以下のことが明らかになりました。
- IDコマース基盤の相互接続性
今回の実験を通じて、以下の1、2、3すべての検証項目について、IDコマース基盤システムの性能および品質の面での確認ができました。- 複数企業・複数システムにまたがるID情報流通の検証
実証実験開始時や継続運用時など、最大負荷時のレスポンスについても問題なく、また、ID連携処理時も障害等は発生しませんでした。 - IDコマース基盤と既存の業務サービスとの連携の検証
JALの既存システムとIDコマース基盤システム、FTPサーバとIDコマース基盤システムと間のレスポンスは良好であり、サービス連携についてもスムーズに処理を実行することができました。 - 端末管理の一元化の検証
端末操作およびバーコード読取処理のレスポンスは良好であり、端末処理時も障害等は発生しませんでした。
- 複数企業・複数システムにまたがるID情報流通の検証
- IDコマース基盤の導入効果
「JAL手ぶらサービス」の手荷物チェックイン作業において、実験前と比べて、手荷物1個あたりの平均処理時間がおよそ半分に短縮されました。さらに、作業プロセスのうち、実験時にシステム化された作業時間は、およそ10分の1に大幅に短縮され、IDコマース基盤システムの導入によって、作業効率を大幅に向上できることが検証できました。
また、JALからは、以下のような評価をいただきました。- これまで目視や手作業で行っていた確認作業がシステム化されたことにより、作業負荷が軽減した。
- 手荷物処理のミス防止効果が期待できる。
【今後の展開】
実験システムの構築や実験で得た結果を反映して、昨年公開したIDコマース基盤の各仕様書をバージョンアップし、事務局であるNTTデータの公式ホームページから第1.1版を公開する予定です。さらに、「ユビキタスネットワーク社会の早期実現」に向け、IDコマース基盤の各仕様書の成果を標準化団体に対して紹介・提示していきます。
また、今後参加各社では、IDコマース基盤を適用したシステムの実用化に向けた活動を行う予定です。
注 「IDコマース基盤®」は、(株)NTTデータの登録商標です。