金融機関の利用や金融商品の購買行動に関する意識調査 〜“金融”のリテラシーレベルの分布とレベル毎の行動パターンについて〜

ニュースリリース/NTTデータ

2008年1月24日

株式会社NTTデータ経営研究所
株式会社NTTデータ

 株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 崇)と株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:山下 徹)は、全国の消費者(6,250人)を対象に、金融商品ごとの購買行動、金融商品の取引状況と今後の見通し、金融機関の乗り換え経験等を把握するため、「金融機関のご利用についてのアンケート調査」を実施しました。
調査結果を基に「自身に適した金融商品の理解度」によって判別した、いわゆる“金融リテラシー”に基づき、回答者を4つのリテラシーレベル(「金融リテラシーが最も高い」「金融リテラシーが高い」「金融リテラシーが中程度」「金融リテラシーが低い」)に分類、金融商品の購買に対する考え方、行動パターン、金融商品の購入率等について、レベルごとの差異や傾向、特徴を分析しました。

注 リテラシー:literacy(読み書きの能力、知識能力)

【主な調査分析結果】

  1. 金融リテラシーレベル
    「自身に適した金融商品の理解度」によって判別した金融リテラシーレベルの分布状況は、「リテラシーが最も高い」と見られる利用者の割合が全体の8.8%、次いで、「高い」が18.0%、「中程度」が40.8%、「低い」が23.6%という結果になった。
    近年、金融商品・サービスの多様化が進み、利用者個々人によるリスク認識の向上、自己責任に基づいた意思決定が求められる中、金融経済教育の推進等によるリテラシー引上げの必要性も指摘されているが、調査結果を見る限り、現時点では、まだ、“金融”に対する利用者の興味や知識レベルは充分な水準にあるとは言い難い状況にあることが分かった。
  2. 金融商品の購買に対する基本方針
    金融リテラシーが最も高い(自分に最も適した金融商品を熟知している)回答者は、金融商品選択に際し、「自分ひとりで分析する」と回答した割合が高く( 46.6% )、「信頼できる人に相談する」と回答した割合( 13.7% )を大幅に上回った。
    一方、金融リテラシーが低いと考えられる(金融商品に興味がなく詳しく知らない)回答者は、「自分ひとりで分析する」割合が19.3%、「信頼できる人に相談する」割合が19.8%という結果になった。
    金融リテラシーが高いほど、自身の判断に基づき金融商品を選択する“自己完結型”、金融リテラシーが低くなると、人との相談を重視して金融商品を選択する“他者依存型”の傾向にあることが窺える。
  3. 金融商品購入時の行動パターン
    金融商品購入時の購買行動を「情報収集」→「相談」→「購入決定」の3段階に分類すると、金融リテラシーが最も高い利用者は、「情報収集」を重視し(投資系金融商品の場合の実施率:93.2%)、「相談」を実施しない(同:22.8%)傾向にある一方、リテラシーが低い利用者は、「情報収集」の実施割合がやや低く(同:73.1%)、代わりに誰かに相談する割合が高くなっている(同:36.6%)。
    金融リテラシーの高低による金融商品の購買に対する考え方の違いが、「情報収集」や「相談」の各々の購買行動の認識に、差異を生じさせていることが分かる。
  4. 金融商品の購入率
    次に、「購入決定」段階になると、特に、投資系金融商品に関しては、金融リテラシーが最も高い利用者の購入率が高く( 82.6% )、リテラシーが低い利用者の購入率( 52.4% )を大きく上回っていることが分かる。
    金融リテラシーの高低による「情報収集」や「相談」の実施率・満足度の違いが、実際の購入率にも差異をもたらしていると想定できる。
  5. 最も良く利用する金融機関(メインバンク)の乗り換え経験率
    金融リテラシーが「最も高い」および「高い」と考えられる利用者は、これまで50%以上がメインバンクを乗り換えた経験があり、金融リテラシーが「中程度」および「低い」利用者の経験率( 42.9%、31.1% )を上回る状況であった。
    乗り換え理由は、金融リテラシーが「最も高い」および「高い」利用者は、「以前の金融機関の商品に対する不満」や「現在の金融機関の金利や手数料に対する評価」といった理由を選択する割合が高い一方、金融リテラシーが「中程度」および「低い」利用者の乗り換え理由は、「給与振込などの引落しのため」や「就職や転退職のため」など、自らのライフイベントを理由に挙げる比率が高くなっている。

以上

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