オープンソースソフトウェアのミッションクリティカル領域への適用拡大を目的としたSRA OSS合同会社との資本業務提携について
報道発表
2024年5月30日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、SRA OSS合同会社(以下、SRA OSS)注1と、2024年5月30日に資本業務提携に合意しました。
本資本業務提携によりNTTデータグループおよび株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、これまで培ってきたオープンソースソフトウェア(以下:OSS)の技術力や長年実施してきたテクニカルサポートの知見と、SRA OSSが保有するOSSの技術力やテクニカルサポートにおける強みを融合させることが可能となり、お客さまのミッションクリティカルシステムのオープン化を迅速に支援していきます。
背景・目的
NTTデータグループは、『情報技術で新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会を実現する』の企業理念のもと、ITを駆使した「しくみ」をお客さまとともにつくり上げ、稼働後も改善しながら、お客さまの事業や社会の発展に貢献してきました。そして、NTTデータは、コンサルティング力やデジタルテクノロジーおよびシステム開発力の強化、アセット拡充を進め、さらに日本事業を拡大させていくため、積極的に国内でのM&A投資をしていくことを宣言しています。
NTTデータグループとNTTデータは、これまで1,000を超えるさまざまな業種・目的のシステムにOSSを採用してきました。2004年にOSSの専門組織を設置し注2、OSSを活用したシステム構築の技術力およびテクニカルサポート体制拡充に取り組んできました。OSSを活用したシステム構築やサポートを行うだけではなく、OSS開発コミュニティーにおける主要な開発者(コミッターやPMC注3)を輩出することで注4、OSS開発コミュニティーと連携した問題解決能力を確保し、ソースコードレベルでの深い技術調査やソフトウエアの改修対応も含めた高度な問題解決を実現しています。
メインフレーム提供事業者ならびにその技術者の減少、半導体不足等によるハードウエア価格の高騰などを受けて、ミッションクリティカルシステムのオープン化に積極的に取り組んでいます。例えば2024年1月に運用開始したMEJARは、従来のメインフレームをベースとしたシステム構成から大きくアーキテクチャーを変更し、オープンなシステム構成を実現しています 注5。ミッションクリティカルシステムのオープン化には積極的なOSSの採用が欠かせず、そのテクニカルサポートの提供も同様に不可欠です。そのため、サポート対象となるソフトウエアの種類を拡充させるとともに、テクニカルサポートの品質向上および対応時間帯の拡大に取り組んでいます。
一方、SRA OSSは、高度なOSSエンジニアを多数抱えており、国内OSSマーケットでさまざまな顧客企業に対してOSSのコンサルティング、テクニカルサポートを展開してきました。
NTTデータグループとSRA OSSはこれまでOSSのテクニカルサポートで連携を進めてきました。今回の資本業務提携により両社の連携をさらに強化し、OSSのサポートサービスやコンサルティングを幅広く迅速に提供することが可能になります。顧客企業のミッションクリティカル領域におけるシステムのオープン化を安心・安全に支援し、SRA OSSが有する人材、技術力とNTTデータグループおよびNTTデータが有する技術力やインテグレーション力との相乗効果により、顧客企業の変革をエンド・トゥー・エンドでサポートしていきます。
SRA OSSの会社概要
(1)商号 | SRA OSS合同会社 |
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(2)事業内容 | オープンソースソフトウェア関連のテクニカルサポート、コンサルティング |
(3)設立年 | 2022年6月(2005年設立のSRA OSS, Inc日本支社から事業移転) |
(4)本社所在地 | 東京都豊島区 |
(5)代表者 | 社長 稲葉 香理(いなば かおり) |
(6)社員数 | 30名(2024年3月末時点) |
(7)会社ホームページ | https://www.sraoss.co.jp/(外部リンク) |
資本業務提携の内容
NTTデータグループとSRA OSSは、OSS分野でのテクニカルサポート、コンサルティング、技術支援などを目的とした資本業務提携を行います。かかる資本業務提携には、OSS関連事業分野におけるミッションクリティカルな高度なOSSサポートサービスの展開を始め、OSSに関する高い技術力を持った人材の確保と体制構築、相互の人材交流を通じた人材育成等を含みます。本資本業務提携を通じて両社の更なる企業価値の向上の実現を目指し、NTTデータグループは取り組み促進を目的とした、SRA OSSへの取締役の派遣や両社での会議体実施などに合意しています。
今後について
本提携により、NTTデータグループおよびNTTデータのOSSコンサルティング・テクニカルサポート提供能力を強化することで、ミッションクリティカルシステムのオープン化を加速し、お客さまの変革をサポートしていきます。
注釈
- 注1 2024年5月30日時点では合同会社ですが、株式会社への変更を予定しています。
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注2
NTTデータは2004年にOSS開発センタを設置しました。
https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2004/080201/ - 注3 コミッターとは、OSSの開発やメンテナンスにおいて、プログラムを書き換える権限(コミット権)を持つ主要開発者のことです。PMCとは、OSSの開発が円滑に実施されるよう、コミュニティー運営を主導する委員のことで、コミッターの中からふさわしい人物が互選により選ばれるのが通例です。
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注4
オープンソースプロジェクト OpenJDKのコミッター(主要開発者)就任、オープンソースプロジェクト Apache Hadoop、Apache BigtopのPMC(プロジェクトマネジメント委員)就任など
https://www.nttdata.com/global/ja/news/information/2023/032900/
https://www.nttdata.com/global/ja/news/information/2020/042800/ -
注5
銀行業界初、マルチバンクオープン勘定系システムを稼働
https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2024/010401/
- 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
広報室
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部 技術開発本部
濱野 賢一朗、田中 信行
E-mail:ossps-support@kits.nttdata.co.jp