日本市場向けセキュリティートークンプラットフォームの実現に向け、Securitizeと共同研究を実施
2020年12月11日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、Securitize Japan株式会社(以下、Securitize)と、日本市場向けセキュリティートークンプラットフォームの実現に向けた協業を開始し、共同研究を実施しました。
両社は、日本におけるセキュリティートークン事業の浸透と発展およびお客さまの事業成長の支援を目指し、日本の市場特性に合ったセキュリティートークンプラットフォームの提供に向けて、2020年10月より協業を開始しました。
今回の共同研究は、アメリカの資本市場を中心に展開しているSecuritizeのセキュリティートークンソリューションを、日本の資本市場に適合するソリューションとし提供することを目的としています。第一ステップとして12月にソリューションの基本的な評価および、今後の対応方針の整理を完了しました。
本協業により、日本国内における幅広いニーズに対応できるよう準備を行い、日本におけるステークホールダーへのより効果的な提案・実装を可能にし、日本の資本市場の国際競争力強化に資することにより、同時に双方にとってのビジネス機会の獲得を目指します。
背景
セキュリティートークンとは、ブロックチェーン上で流通させるデジタル化した価値を指し、「これまで証券化できなかった資産の証券化」、「新しい資金調達法」を実現するものとして注目を浴びています。セキュリティートークンを用いた資金調達であるセキュリティートークンオファリング(STO)は米国を中心に急速な成長を見せており、近い将来資本市場を置き換えて行くと考えられています。
日本でも2020年5月施行の改正金融商品取引法によって、トークン化された有価証券の扱いが明確化されたことで、現在、金商法準拠のSTO実施に向けた取り組みが進行中であり、2020年度中には改正金商法準拠のトークン化有価証券の商用化実績が出てくるとも言われ、その流れは加速すると考えられています。
NTTデータでは、早くからブロックチェーン技術に注目し、活用ユースケースを模索してきました注。 セキュリティートークンについても、有望なユースケースとして着目し、調査をしてきました。
Securitizeは、2017年に創業した米国企業であり、セキュリティートークンプラットフォームの提供を通して、資本市場の近代化を進めています。Securitizeのプラットフォームは業界トップクラスの採用率を誇り、2020年10月時点で150社以上の顧客企業を有しています。
両社は、日本におけるセキュリティートークン事業の浸透と発展のため、日本の市場の特性を考慮したセキュリティートークンプラットフォームを提供し、お客さまの事業成長を支援することを目指します。
共同研究について
両社は、発行体を中心に置いたアメリカの私募市場における証券発行・流通ビジネスモデルをベースに設計されたSecuritizeのソリューションを、証券会社等の販売会社を証券取引の中心に置いた日本の資本市場(販売会社モデル)へ適用させるべく、共同研究を行いました。
現状、日本の資本市場に適合したセキュリティートークン標準モデルが確立されておらず、セキュリティートークン事業の参入ハードルが非常に高くなっているという課題に対し、以下の観点からの共同研究を実施、対応方針の整理を行いました。
- 必要機能と役割分担:販売会社モデルにおいて必要となる業務機能を洗い出し、Securitizeのソリューションにて充足する機能、既存販売会社システムを活用する機能、新規構築すべき機能の整理を行うと共に、利用者ごとの役割分担について整理。また、新規構築すべき機能の開発役割分担についても整理。
- 既存システムとの連携:連携が必要となる業務機能におけるデータフロー及び共通項目(口座/銘柄情報等)の体系の整理
- 投資家秘密鍵管理:投資家UXを考慮した投資家秘密鍵の管理方針の整理
- ブロックチェーン基盤:ブロックチェーン基盤との接続性の確認、構築役割分担の整理
上記検討結果を活用することにより、これまでよりも迅速かつ低コストでのセキュリティートークン事業の立ち上げを支援することが可能になると考えております。
今後について
両社は、国内でのセキュリティートークンプラットフォームの提供を目指して協業を進めていくことで、日本におけるセキュリティートークン事業の発展に寄与し、お客さまの事業成長に貢献していきます。
また、並行して、グローバルでのNTTデータのネットワークを生かし、トークン事業のグローバル展開についても推進してゆきます。
注釈
株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部長 田中 秀彦によるコメント
Securitize Japan株式会社 カントリーヘッド, ジャパン 小林 英至氏 によるコメント
「日本を代表するIT企業であるNTTデータ社と協業は、SecuritizeのこれまでのLocalizationの取り組みを更に強化・推進するものとして、大変意義深い一歩と考えます。優れたSTOプラットフォームの提供を通して、より多くのお客様の事業発展をお手伝いし、また日本の資本市場の発展、国際競争力強化に資することができれば嬉しく思います。」
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
技術革新統括本部
システム技術本部
デジタルテクノロジ推進室
山下、大久保、松尾
E-mail:blockchain-contact@kits.nttdata.co.jp
金融事業推進部
デジタル戦略推進部
世取山、平澤
E-mail:blockchain_promote@kits.nttdata.co.jp