場所にとらわれずに自治体と住民をつなぐ「行かなくてよい窓口」を実現

背景

「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現に向けて、自治体の住民サービスにおいてもデジタル化の推進が求められています。従来の対面窓口では、住民は相談や手続き等の行政サービスを受ける際には窓口まで行かなくてはならず、高齢者や子育て中の住民のような時間や場所、行動に制約があるような住民にとっては大きな負担となっていました。
そこで、NTTデータはこのような課題を解決すべく、複数の自治体とともにあるべき住民サービスについて共同検討を重ね、住民が窓口に行かなくても自治体職員へ相談したり、手続きのサポートを受けたりすることができるオンライン窓口サービス「TeleCo」の企画を立ち上げました。住民がスムーズにサポートを受けられるかという観点でサービスの有効性や操作性の検証を目的とした実証実験も行い^注1、その効果が確認できたため、このたびサービス化の実現に踏み切りました。

概要

本サービスは、場所にとらわれずに自治体と住民・家族をつなぎ、「行かなくてよい窓口」を実現することができるサービスです。住民は、自宅にいながらオンラインで自治体職員へ相談したり、手続きのサポートを受けたりすることができます。本サービスを導入することで、自治体は住民一人ひとりのニーズに合わせて対応することができるようになるため、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現に不可欠な「住民に寄り添ったサポート」を行うことができます。また、職員もどこからでも対応ができるようになるため、これまで限られた窓口でしか対応できなかった専門知識が必要な相談にも柔軟に対応できるようになり、窓口業務の効率化にもつながります。

図1：TeleCoの概要

住民はパソコンやスマートフォンからWebサイトを通じてオンライン窓口の予約を行い、予約後に届くメールから簡単にオンライン窓口に接続することができます。専用アプリ等のインストールは不要で、URLをクリックするだけでつなぐことができるため、ITツールに不慣れな住民でも簡単に利用することができます。オンライン窓口では、自治体職員とビデオ通話ができるだけでなく、自治体職員が画面を共有し、その画面を双方で操作することもできるため、住民は画面上で不明点を会話・確認しながら一緒に手続きを進めることができます。
また、3拠点で同時につなぐこともできるため、遠方に住んでいる家族が一緒に参加することも可能です。

図2：TeleCoの利用イメージ

本サービスの詳細はTeleCo公式Webサイトより確認可能です。（https://teleco-nttdata.com/）

ファーストユーザーである福島県白河市では、「白河市DX推進方針」に基づき「デジタルでつながる市役所・行かない市役所」を目指しており、場所や時間、行動に制約がある人の多様なニーズに対応するため、このたび本サービスを採用頂きました。まずは子育てや移住定住に関する相談を対象業務とし、年内にも健康や介護、空き家など対象業務を増やしていく予定です。

今後について

NTTデータは、福島県白河市でのサービス開始を筆頭に、自治体の「行かなくてよい窓口」の推進に寄与していきます。また、マイナンバーカードによる本人確認機能など段階的なサービス拡張を実施していくことで、オンライン窓口の利用促進からサービス拡張まで住民の利便性向上を踏まえた行政サービスのデジタル化を推進していきます。