畜産農家と金融機関をつなぐ「U-Cash for Finance」の開発開始

~デザミス、リコーリースとともに、牛の価値や経営状況を見える化~

トピックス

2023年10月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(社長:佐々木 裕、以下:NTTデータ)は、デザミス株式会社(社長:清家 浩二、以下:デザミス)およびリコーリース株式会社(代表取締役社長:中村 徳晴、以下:リコーリース)と、「U-Cash for Finance」(以下、本サービス)の開発を2023年10月より開始します。
本サービスは、以下の特長を生かし、畜産業界への融資活性化を目的として構築するサービスであり、2024年春の提供を目指します。
NTTデータ:データドリブンの業務コンサルティングや金融機関向けのシステム開発に強み
デザミス:畜産農家向けにIoTを活用した牛の動態モニタリングツールU-motion®注1を展開
リコーリース:リース・割賦を中心に事業者へファイナンス提供してきた実績
具体的には、U-motionおよびU-Cash Pro®注2を活用し牛の個体情報をリアルタイムに把握したり、家畜市場などから取得する市場情報をもとに、牛の現在価値を算出したりすることで、金融機関における牛を担保としたABL注3や事業性評価の円滑化を実現します。
NTTデータは、デザミス、リコーリースとともに、本サービスを通じて、畜産業界のより一層の経営安定化、活性化を実現し、社会課題や地域課題の解決を目指します。

背景

牛の畜産経営においては、大規模化に伴う牛舎の増改築のための設備資金や、成牛に育つまでの20か月間の運転資金が必要とされています。しかし、既存の融資可能枠では十分な資金を得られないことがあります。
このことから、事業性評価融資注4や、ABLを推進しやすい環境を整備することが、事業継続、拡大の鍵になるとNTTデータは考えます。
一方、これらの融資手法には課題があり普及の妨げとなっています。
具体的には、事業性評価融資においては、畜産業界に精通している人材が少ないこと、ABLにおいては生き物を担保にするため、資産価値の評価やモニタリングの負荷が大きいことがあげられます。
そこで、NTTデータは、これらの課題を解決するために、デザミス、リコーリースとともに、IoTデータを活用し、牛の価値や経営状況をリアルタイムで評価する新たなサービス「U-Cash for Finance」を金融機関へ提供し、畜産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援します。

図1:IoTの活用で目指す畜産金融の概要

図1:IoTの活用で目指す畜産金融の概要

概要(特長)

本サービスは、牛の現在価値や売り上げといった経営情報を、金融機関へ提供します。

1.U-motion、U-Cash Proの活用により融資に必要な情報を手間なく共有

畜産農家が自社の管理のために活用しているU-motionやU-Cash Proから情報を自動連携するため、金融機関向けに手間なく共有できます注5。また、金融機関も都度提供を依頼することなく、正確な情報の取得が可能となります。

2.金融機関の事務フローに合わせたカスタマイズが可能

本サービスは、必要な情報の付加や出力形式の変更ができるため、既存の事務フローを大きく変えることなく導入することができます。また、標準機能だけでも、十分に融資に活用できます。

3.飼育成績を見える化することで融資を支援

子牛や枝肉の市場取引価格、U-Cash Proから連携される牛の生産原価情報を元に、概算価値を1頭ごとに自動算出します。多角的な情報により、実態に即した担保価値の評価が可能となります。さらに、畜産農家を評価する上で重要な経営指標(牛の事故率、妊娠率等)を見える化し、事業性評価を支援します。

4.資金ニーズがある農家と金融機関をマッチング

U-motion、U-Cash Proを提供する中で畜産農家に資金ニーズがあることを把握した場合は、U-Cash for Financeを利用中の金融機関を紹介します。これにより、今まで取引がなかった畜産農家とつながることができます。

各社の紹介

NTTデータ

金融機関向けのシステム開発やデータドリブンの業務コンサルティングにおける豊富な経験を生かし、本サービスを開発、提供します。また、U-Cash Proを含むU-Cashシリーズを展開し、畜産業界のDXを支援します。

デザミス

IoT農業のリーディングカンパニーとして圧倒的シェアを持つU-motionを提供しています。U-motionで取得する牛の個体データを本サービスに連携します。

リコーリース

本サービスをNTTデータと共同開発します。また、リース・割賦を中心とした事業者向けファイナンスの実績をもとに、「持続可能な経済の好循環をつくる」の取り組みとして、本サービスを活用してABLの拡大を目指します。

図2:U-Cash®シリーズの概要

図2:U-Cash®シリーズの概要

今後について

本サービスは2024年春のサービス開始を予定しており、全国の金融機関への展開を目指します。

注釈

  • 注1 U-motionは、牛の首に取り付けたセンサーが牛の行動をモニタリングし、反すう・動態・横臥・起立等の牛の主要な行動を24時間365日記録することで、牛の健康状態をリアルタイムに把握できるサービスです。集積された行動データを用いて、人工知能が牛の異変を自動で検知し、疾病・発情・起立困難等の場合はアラートで通知します。(https://www.desamis.co.jp/product
  • 注2 NTTデータが提供する畜産農家向け経営管理ツール(https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2023/040600/
  • 注3 動産担保融資(Asset Based Lending)
  • 注4 経営状況を多角的に評価して融資枠を見極める融資の方法
  • 注5 U-motion、U-Cash Proの利用がない農家についても利用可能です。
  • 「U-motion」は日本国内におけるデザミスの登録商標です。
  • 「U-Cash」および「U-Cash Pro」は日本国内におけるNTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
食農ビジネス推進部
前田、森
E-mail:u-cash@am.nttdata.co.jp