南紀白浜で自動音声対話サービスを活用した実証実験を開始

~デジタル技術による福祉サービスの向上と業務の効率化を目指す~

トピックス

2023年12月21日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は和歌山県白浜町役場(以下、役場)とともに、2023年12月より、株式会社NTTドコモ(以下、NTTドコモ)の自動音声対話サービス注1を活用した実証実験を開始します。
本取り組みでは、電話を利用して対象地域の高齢者に対して定期的に生活状況に関するヒアリングを行い、体調変化等を早期に検知します。自動音声対話サービスが職員によるヒアリングを代行することによる住民サービスの向上と役場職員の負荷軽減の両立を目指します。

背景

現在、全国的に多くの自治体が人口減少と高齢化の問題に直面しています。支援が必要な住民の増加に対し、自治体職員のリソースには限りがあることから、デジタル技術を積極的に活用し、業務の効率化を実現する必要があります。
一方、内閣府の世論調査において高齢者のスマートフォン・タブレットの利用割合の低さが示されるなど、デジタル技術を活用した地域サービスの実現にはサービス提供形態の工夫やデジタルアレルギーへの対策が同時に必要となります。
白浜町においても、人口減少・少子高齢化は、経済の成長力はもとより、医療や介護などの社会保障制度、子育てのあり方など、社会全般にわたり大きな影響を与えており、積極的なデジタル技術の導入による業務の効率化・働き方の改革が求められています。
本取り組みは、白浜町においてコミュニケーションの多くに電話が利用されている実態をふまえ、電話を切り口としたシナリオ型の自動音声対話サービスを活用することで、住民のデジタルアレルギーを最小限に抑えながら、住民サービスの向上と役場職員の負荷軽減の両立を目指すものです。
NTTデータは、本取り組みを通じて地域生活に対する理解を深めるとともに、RPAや生成AI等を組み合わせたより高度なサービスの構想・実現に繋げ、全国の自治体への展開を目指します。

取り組みの概要

本取り組みでは、地域包括支援センター注2の管轄内の高齢者に対して、自動音声対話サービスが定期的に生活状況に関するヒアリングを行います。電話による定期的なヒアリングを実施することにより、生活状況の変化を早期に検知することが可能となります。実証期間中、実際に高齢者と接しているケアマネジャーの意見を取り入れながら対話シナリオの改善を続け、高齢者や家族の不安解消に繋げます。

実証実験の概要

実施期間 2023年12月~2024年3月
対象者 白浜町在住の高齢者、地域包括支援センターに勤務の職員
実施・検証内容 自動音声対話による生活状況ヒアリングの有用性
検証中および終了後、参加者にアンケートを実施し評価
参加人数(見込み) 高齢者(15名)
地域包括支援センター職員(5名)
図:実証実験でのサービスイメージ

図:実証実験でのサービスイメージ

今後について

NTTデータは、全国の自治体と共に安心・安全で便利な町づくりを推し進めていきます。人口減少・高齢化が進む中、デジタル技術を活用して持続可能な社会の実現に取り組みます。

注釈

  • 注1 NTTコミュニケーションズ株式会社が代理販売を行うNTTドコモのAI電話サービス。NTTデータはNTTドコモとAI電話サービスの販売パートナー契約を締結しています。
    AI電話サービスは、電話業務の自動化を実現するシナリオ型のボイスボットです。予め順序立てた会話のパターンに沿って会話を進めます。確認したい内容が明確である場合やマニュアル化された業務を自動化する事に適しています。
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/services_info/2020/121000/
  • 注2 地域包括支援センターは地域の高齢者が健康で安心して暮らせるように、保健・医療・福祉の面から総合的に支援するための機関です。市町村や、市町村が委託する組織により公的に運営されており、市町村に1つ以上設置されています。
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
テレコム・ユーティリティ事業本部
モバイルビジネス事業部
有本、原口
TEL:090-4612-7807