「Fukuoka Bar Hopping」イベントにてブロックチェーン、レコメンド技術の検証実施 ~デジタルチケットをブロックチェーンで管理、行動予測をすることで適切なタイミングでレコメンド~
2019年10月2日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、10月2日(水)~4日(金)および10月11日(金)~12日(土)に、NTTグループ(株式会社NTTドコモ、株式会社NTTアド、株式会社NTTデータ経営研究所)、KNT-CTホールディングス株式会社、株式会社近畿日本ツーリスト九州、イデアパートナーズ株式会社が福岡市の博多駅前から博多旧市街、天神地区にかけて実施予定の「Fukuoka Bar Hopping」イベントにてブロックチェーンならびにレコメンド技術を提供し、その有用性を検証します。
本検証では、福岡市内を訪れたインバウンド観光客を中心に、福岡市内の18店舗で使用できるデジタルチケットの販売および使用の記録、店舗詳細やメニューなどの閲覧記録をブロックチェーンで管理します。また、それらの行動履歴から次の行動を予測し、適切なタイミングで外国人観光客の持つスマートフォンにレコメンド(おすすめ、推奨)する機能を提供し、有効に機能することを検証します。
NTTデータは、これまでの実証実験や本検証をもとに、ブロックチェーンのプラットフォーム技術を、さまざまな分野に適用していきます。
背景
現在、2020年に訪日外国人4,000万人、旅行消費額8兆円の達成を目標として、訪日外国人の日本滞在の満足度を高め、地域における消費拡大・地域経済活性化の実現に向け、さまざまな施策が強化されています。しかしながら、これまでデジタルマーケティングに活用してきた個人属性情報(訪日外国人の国籍や来日目的、興味・関心ごとなど)が、プライバシー意識の高まりなどにより得ることが難しくなっています。
NTTデータは、福岡県嘉麻市での地域通貨の実証実験注1、プレミアム付商品券事業の実証実験注2など、独自開発したブロックチェーン技術ならびにレコメンド技術を用いた実証を行ってきました。この技術を活用して、訪日外国人等の行動履歴を安全に管理するとともに、個人属性情報を取得することなく、その行動履歴からレコメンドやデジタルマーケティングに必要な分析データを得るためのプラットフォーム技術の開発にNTTグループとともに取り組んでいます。
NTTデータは、福岡市にて行われるイベント「Fukuoka Bar Hopping」のデジタルチケットの販売・使用管理を行うシステムを提供します。また、店舗の詳細情報の閲覧履歴やチケットの使用履歴等を用いて適切なタイミングで的確な情報を届けるレコメンド技術を提供し、その有効性を検証します。
概要・特長
NTTデータは、ブロックチェーン技術を使って訪日外国人の行動履歴データを管理します。また、レコメンド技術を使って訪日外国人等の「次の行動」を予測し、適切なタイミングで的確なレコメンドを行います。
独自開発したブロックチェーンはハッシュグラフ型のデータ構造となっており、高速かつ柔軟な検索性を実現しています。今回、その特長を生かしてブロックチェーン上にレコメンドアルゴリズムを実装しました。年齢や性別、来日回数などの個人属性情報を用いたレコメンドと比べて、関心の高い情報の閲覧や消費などの行動履歴情報を用いたレコメンドは、情報の蓄積によって、より的確な予測結果を得られる特長があります。
さらに、「店舗Aでチケットを使用した人は、1時間半後に次の店でチケットを使うことが多い」や「店舗Aで1枚目のチケットを使用した人は、店舗Bまたは店舗Cで2枚目のチケットを使用することが多い。店舗Aと店舗Bでチケットを使用した人は、店舗Xの位置情報をよく調べているが、店舗Zの情報は調べておらず、チケットも使用していない。」といった関連性のデータをリアルタイムで抽出し、「店舗Aに入店した人に対して、1時間後に、『次の店のおすすめ』として店舗Bと店舗Cの情報を提供する」や「店舗Xへの来店を促すため、店舗Bにいる人に『店舗X』の情報と移動方法の情報を提供する」といったレコメンド根拠データに再構成できます。
この技術によって以下の効果が得られることを検証します。
- 時間軸と順序性を取り入れることができるため、「食事を終えて店から満腹で出てきたら、近くにある食事の店をレコメンドされた」といったことが無くなり、ユーザーの関心事や閲覧・購買等の行動に基づいた的確なレコメンドを実現できます。
- 「スポーツバーの店舗Aと外国人向けバーの店舗Bを好む人」といった行動履歴から、「スポーツを観戦しながら盛り上がりたい」とユーザーを理解し、「よく似たユーザー」の行動履歴などを用いて的確なレコメンドを行うことができます。
- ユーザーの行動履歴をグラフネットワークとして処理することで、ユーザーからみて「店舗Aと店舗Bは近く、店舗Zは遠い」といったデジタルマーケティングに活用できる分析データを得ることができます。
「Fukuoka Bar Hopping」イベント概要
世界最大級のスポーツイベント観戦に来日するインバウンド観光客等を主な対象に、地元で人気の店舗が企画した特別メニューを楽しむことができるデジタルチケットを販売します。ユーザーは、自らのスマートフォンでデジタルチケットのQRコードを読み取り、店舗に提示することでチケットを使用し、的確なレコメンド情報を活用して「Bar Hopping(食べ歩き、飲み歩き)」を楽しむことができます。
実施期間
- 2019年10月2日(水)~4日(金)
- 2019年10月11日(金)~12日(土)
実証エリア
福岡市の博多駅前、博多旧市街、天神地区
技術検証内容
レコメンドアルゴリズムの有効性・比較検証など
- イベントに関する情報については、株式会社NTTドコモのプレスリリースをご参照ください。
https://www.nttdocomo.co.jp/biz/info/notice/page/20191002.html - ビジネスモデルに関する情報については、株式会社NTTデータ経営研究所のプレスリリースをご参照ください。
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/191003.html
今後について
NTTデータは、これまでの実証実験および本検証結果をもとに、ブロックチェーンを活用したプラットフォーム技術を、さまざまな分野に適用していきます。
注釈
- 注12018年3月20日サービスインフォメーション:ブロックチェーンを用いた地域通貨の実証実験について
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2018/032001/ - 注22019年3月13日サービスインフォメーション:プレミアム付商品券事業にブロックチェーン活用
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2019/031301/
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本件に関するお問い合わせ先
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