データスペース実装コンポーネント「Tractus-X」の最新動向を公開

トピックス

2024年8月2日

株式会社NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、自動車業界の重要課題をデータスペースにより協調的に解決することを目的に欧州の自動車産業やソフトウエア産業の企業等により設立されたCatena-X(読み:カテナ・エックス)注1が、「Tractus-X(読み:トラクタス・エックス)」注2として公開するOSS(オープンソースソフトウエア)群を調査した最新の結果を報告書として公開します。
DX(Digital Transformation)の進展に伴い、データレイクなどを利用した企業データの集約とその活用が進んでいます。データ活用の次のステップとして昨今活発化しているのが、企業間、業界間でデータを安全・公正に管理してデータを交換・流通させるデータスペースへの取り組みです。欧州における代表格のひとつであるCatena-XにおいてTractus-XはOSSとして利用可能なデータスペースの実装コンポーネントとして提供されています。
NTTデータグループは先行事例のキャッチアップと業界への共有を目的にTractus-X報告書を2023年7月に公開しましたが注3、最新動向をアップデートした改訂版を公開します。本報告書では、OSSの提供機能と開発状況の概要を一覧としてまとめており、データ連携を行う際に活用が期待されるOSSの最新動向を確認することができます。

背景

Catena-Xは、同団体が主導するデータスペースへの積極的な参加を促すため、同ネットワークに接続するためのコネクタや各種アプリケーションをTractus-Xと呼ぶOSS群として公開しています。Catena-Xへは、自動車関連の企業を中心に、クラウドベンダー、ITサービスベンダーなど含んだ全世界172社が加入するなど、その広がりが加速しています。

概要

NTTデータグループは、Catena-XによりTractus-Xとして公開されているOSS群を調査し、レポジトリごとの構造や開発状況、各レポジトリで提供されるソフトウエアコンポーネントの概要や特長をまとめた調査報告書を更新しました。本報告書によりTractus-Xの主要レポジトリの最新動向を俯瞰(ふかん)できます。内容は以下の通りです。

  1. 調査の背景と目的
  2. Tractus-Xの概要
  3. Tractus-Xのレポジトリ構成
  4. 主要レポジトリ詳細
図:Catena-Xデータスペースの3エリアとTractus-Xレポジトリの分類

図:Catena-Xデータスペースの3エリアとTractus-Xレポジトリの分類

掲載ページ
Eclipse Tractus-Xレポジトリ調査報告書

今後について

NTTデータグループでは、国内外のデータスペース構築に関する活動を行っており、日本国内では、ウラノス・エコシステムへの参画やその他産業でのデータスペース構築検討を推進しているほか、国外、特に欧州地域にてデータスペースに関連した活動を現地法人中心に展開しています。NTTデータグループは、今後も世の中の最新動向を調査しながら、データスペースの相互接続性や相互運用性を向上し、国内外でのデータスペース構築や、データスペースに関わる規格の標準化に関する活動等を進めていきます。

関連リンク

NTT DATAのデータスペースに関する取り組み
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/dataspace/

注釈

  • 注1 「Catena-X」(Association Catena-X Automotive Network e.V.)は2021年に設立され、ドイツのベルリンを拠点にしていますが、国際的な拠点やグローバルな分散型コミュニティーの形成に尽力しています。創設者は、BMW AG、Deutsche Telekom AG、Robert Bosch GmbH、SAP SE、Siemens AG、ZF Friedrichshafen AGなどです。Mercedes-Benz AG、Volkswagen、Ford、Denso、Magna、Valeo、IBM、google、Azure、AWS、BASF SE、Henkel AG&Co.なども参加して、自動車のバリューチェーンの企業が平等に参加でき素早く拡張できるエコシステムを形成するために、自動車のグローバルバリューチェーン全体にわたるエンドツーエンドのデータチェーンの構築、運用、共同利用のための環境を提供することをめざしています。Catena-Xは、ISO/IEC/ITUおよびCEN-CENELC/ETSIといった国際標準化団体に従っています。
  • 注2 正式名称は「Eclipse Tractus-X」。Tractus-Xは、オープンソースのEclipseプロジェクトを運営する非営利団体「Eclipse Foundation」の傘下のプロジェクトの一つ。
  • 注3 「Tractus-X」の最新動向に関する調査報告書を公開
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2023/070501/
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
Innovation技術部
IOWN推進室
金子、土橋、岡本
E-mail:trusted-ds@kits.nttdata.co.jp