「Tractus-X」の最新動向に関する調査報告書を公開

~Catena-XエコシステムのOSS群を調査~

トピックス

2023年7月5日

株式会社NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループ(以下 NTTデータグループ)は、自動車業界の重要課題をグローバルデータ交換ネットワークにより協調的に解決することを目的に設立されたCatena-X注1が「Tractus-X」として公開するOSS(オープンソースソフトウエア)群を調査し、調査報告書として公表します。
社会全体のデジタル化を実現するためには多様なステークホルダーが業界や地域、世代を超えてつながる仕組みが必要で、不特定多数の企業や組織が安心・安全にデータを連携できる技術が世界的に注目されています。さまざまな企業や研究機関を含むコミュニティで議論や情報公開が進んでおり、特に欧州では実用化に向けた取り組みが加速しています。
本調査報告書では、OSSの提供機能と開発状況の概要を一覧としてまとめており、こうしたデータ連携を行う際に活用が期待されるOSSの最新状況を確認することができます。

背景・概要

Catena-X(読み:カテナ・エックス)は、同団体が主導するグローバルデータ交換ネットワークへの積極的な参加を促すため、同ネットワークに接続するためのコネクタや各種アプリケーションをTractus-X(読み:トラクタス・エックス)と呼ばれるOSS群として公開しています。さらにTractus-Xをベースとした各種ソリューションの開発と普及を推進するため、合弁会社としてCofinity-X(読み:コフィニティ・エックス)を2023年1月に設立しました。
NTTデータグループは、Tractus-Xとして公開されているOSS群を調査し、レポジトリごとの構造や開発状況、各レポジトリで提供されるソフトウエアコンポーネントの概要や特徴をまとめた調査報告書を作成しました。本調査報告書によりTractus-Xの主要レポジトリの現状を俯瞰(ふかん)できます。

図:Tractus-Xのレポジトリ構成

図:Tractus-Xのレポジトリ構成

調査報告書掲載

掲載ページ
Eclipse Tractus-X レポジトリ調査報告書

今後について

NTTデータグループは、組織や業界を横断した安全なデータ流通を行うグローバルデータ連携の実現に向けた取り組みを進めています注2。一方、欧州を中心に複数のアソシエーション、イニシアティブが、多数の企業・組織間にまたがるデータ共有のための「データスぺース」実現を進めています注3注4。NTTデータグループは今後も世の中の最新動向を調査しながら、さまざまなデータスペースとの相互接続性や相互運用性を備えたデータ交換ネットワークの実現を目指します。

関連リンク

NTT DATAのデータスペースに関する取り組み
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/dataspace/

注釈

  • 注1 「Catena-X」(Association Catena-X Automotive Network e.V.)は2021年に設立され、ドイツのベルリンを拠点にしていますが、国際的な拠点やグローバルな分散型コミュニティの形成に尽力しています。創設者は、BMW AG、Deutsche Telekom AG、Robert Bosch GmbH、SAP SE、Siemens AG、ZF Friedrichshafen AGなどです。Mercedes-Benz AG、Volkswagen、Ford、Denso、Magna、Valeo、IBM、google、Azure、AWS、BASF SE、Henkel AG&Co.なども参加して、自動車のバリューチェーンの企業が平等に参加でき素早く拡張できるエコシステムを形成するために、自動車のグローバルバリューチェーン全体にわたるエンドツーエンドのデータチェーンの構築、運用、共同利用のための環境を提供することをめざしています。Catena-Xは、ISO/IEC/ITUおよびCEN-CENELC/ETSIといった国際標準化団体に従っています。
  • 注2 「グローバルデータ連携基盤のアーキテクチャ構想に関するホワイトペーパーを公開~組織や業界を横断した安全なデータ流通に向けた取り組み~」
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/information/2022/053100/
  • 注3 「欧州で推進されるデータスペースとは?~データ共有の新しい潮流~」
    https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2022/1104/
  • 注4 「複数企業間のデータ連携で注目される「コネクタ技術」の最新動向を公開」
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/information/2022/072700/

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
技術開発本部
IOWN推進室
濱野、金子、土橋、角井
E-mail:trusted-ds@kits.nttdata.co.jp