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2018.11.22技術トレンド/展望

IoT時代に注目される「エッジコンピューティング」

昨今、クラウド上で様々な処理を行うことが主流となっている。これからのIoT時代では、クラウドだけですべて担うことが難しくなってきており、本稿では、その解決策として注目されている「エッジコンピューティング」について述べる。

1.エッジコンピューティングとは何か?

「エッジコンピューティング」という言葉をご存知でしょうか?
エッジとは、ネットワークのユーザ側終端ことを指します。具体的には、モバイル機器などのデバイスや、無線基地局、局舎などの、ユーザに近いネットワーク設備のことを言います。こうしたエッジ上の機器でデータ処理を行うことを「エッジコンピューティング」と呼ばれています。

2.なぜ、エッジコンピューティングが注目されるのか?

昨今、クラウドで様々な処理を行うことが主流となっています。クラウドは、潤沢なコンピューティングパワーや拡張性の高いリソースがあり、リソースを多く利用する処理に向いています。
一方、これからのIoT時代では、あらゆるモノがネットワークに繋がり、日々膨大なデータを生成していきます。例えば、工場の機器や車のセンサー等から発生するデータは膨大な量になります。モノから発生するデータすべてをクラウド側に集約していたのでは、クラウド側のリソースはいくらあっても追いつきません。
エッジコンピューティングでは、モノで発生する膨大なデータをクラウドですべて処理するのではなく、生成元であるエッジ上で処理することで、処理を分散するアーキテクチャに変化してきています。
エッジ上で処理を行う利点は主に3つあります。

図表1:エッジコンピューティングの利点

図表1:エッジコンピューティングの利点

  • リアルタイム性の確保
    機器からクラウドへデータを送信してクラウドで処理した結果を再び機器へ返す場合、データ転送に往復の時間がかかり、機器側での判断が遅くなります。
    エッジ側でデータ処理を行い、ネットワークを介した応答の時間がなくなるため、よりリアルタイムに判断を行うことができます。
  • セキュリティリスクの低減
    工場の機器等のセンサーのデータを外部に出したくない要件があった場合、そのままクラウドへデータを送信することはできません。
    エッジ上でデータを加工して結果のみをクラウドへ送信することで、データを秘匿にしながらも工場の機器全体の稼働状況を集めることができるようになります。
  • 通信量の削減
    機器側で生成した膨大データをすべてクラウド側に送信した場合、通信コストが伴うため無制限に全てのデータをクラウドに送信することができません。
    エッジ上でデータを整形・変換して必要なデータのみに集約したり、異常時のアラーム等といった必要なデータのみを送信したりすることでデータ量を削減することができます。

このように、求められる判断のリアルタイム性や、セキュリティ要件、利用可能なNW帯域幅などによって、適切な機能配置を変化していくことが重要となってきています。
クラウドのみに機能が偏ったり、エッジヘビーのようにエッジ側に機能が偏ったりするのではなく、「軽い」エッジのような適切な機能配置となるようにアーキテクチャを構成することが重要です。

図表2:エッジとクラウドの協調

図表2:エッジとクラウドの協調

3.エッジコンピューティングのユースケース

エッジコンピューティングは、さまざまなビジネス領域の利用が期待されています。
例えば、ドローンは、飛行中においてネットワークが届かないことがあるため、飛行制御等をリアルタイムにエッジ側で処理する必要があります。また、監視カメラの映像は膨大となるため、すべてをクラウド側で送らずにエッジ側で異常検知し、異常発生時にのみクラウドへデータを送るなどの利用が考えられます。

4.エッジコンピューティングの今後は?

これからのIoT時代では、あらゆるモノがネットワークに繋がり、クラウドとエッジで適切な機能配置を行うアーキテクチャが主流となっていくと考えています。
さらに、エッジ側で知的な判断が伴うユースケースも増えていくと予想されます。
NTTデータでは、エッジ側でよりリアルタイム性や狭帯域幅でのメディア処理が要求されるユースケースが増えていくと考えており、エッジ上でインテリジェントな判断できるAI推論処理を実行できるエッジAIエンジンを開発しています。「IoT×AI」の組み合わせによる先進デバイスを活用したサービスの創出に向けて、NTTデータはお客様のビジネスにご協力できることを願っております。

図表3:エッジコンピューティングの今後は

図表3:エッジコンピューティングの今後は

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