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2020.1.31

ERP×デジタルイノベーションの海外事例

世界各国で、企業活動の軸であるERPを最新テクノロジーで進化させる取り組みが行われている。その中でも、NTTデータのヨーロッパにおける活動を、事例を交え紹介する。
目次

FORECAST
ERPの将来像

ERPの将来像
より広範囲のビジネスプロセスをつなぐIT基盤へと進化

企業のデジタルトランスフォーメーションが進む現代において、情報の活用は企業の在り方に大きく影響を与えます。

ERPシステムはこれまで会計やロジスティックスなど基幹業務のビジネスプロセスの最適化やコストの効率化のために使われてきましたが、今後は様々な領域のシステムをERPとつなぎ、より一層のデータ活用が期待されます。

例えば、SAP社の製品であれば、ERP以外にもHybris, C/4 HANA, Ariba, SuccessFactorsや、Analytics Cloudといった、様々な製品をITのランドスケープに組みこみ、 蓄積する業務データをAI、Blockchain、RPAなどの最新のテクノロジーと掛け合わせることで、データを効果的に活用できます。

企業活動の軸であるERPをどう活用するのか、日本のみならず、世界各国で様々な取り組みが始まっております。

このコラムでは先進テクノロジーを活用し、より高い成果を生み出す活動にチャレンジする、NTTデータのヨーロッパにおける取り組みをご紹介いたします。

CASE1
商品状態のリアルタイム追跡によるサプライチェーンの最適化

荷物の配送状況の追跡は現時点でも可能な技術ですが、ヨーロッパのある企業では、配送状況だけなく、配送中の状態まで確認したいという要望がありました。
荷物の状態をリアルタイムに追跡するには、荷物にセンサーを取り付ける必要がありますが、建物の内と外では、使用する技術やセンサーが異なるため、それらをひとつのデータとして扱う必要があります。

NTTデータが開発したLogistics Bridgeは、屋内外問わず、配送中のプロセスを追跡可能です。様々なセンサー、運送会社からの情報をもとに、“Digital twin”をシステム上に表示します。

追跡情報には、位置情報だけでなく、屋内での荷物の動き、温度、湿度なども含まれます。例えば、対象物が破損したとき、どの時点で破損したのかを特定するこができます。
これらの情報はSAPのERPシステムに連携、ダッシュボードにリアルタイムに表示され、クイックなアクションが可能となりました。

Logistics Bridge

Logistics Bridge

Smart Carrier | User-centric solution for logistics stakeholders

CASE2
デジタルアバターによるカスタマーサービス改善

カスタマーサービスは、様々な顧客の要望に対応する必要があるため、自動化やロボット化が難しい分野とされてきました。
例えば、自動車メーカーでは、ショールームに販売員を配置する必要がありますが、商品知識や顧客の要望の分析を行う必要があります。

自動車メーカー「Kia Motors」はショールームでの販売員として、デジタルアバター”Kia Mia”を採用いたしました。

Kia Mia

Kia Miaはショールームでのデジタルボードに投影されており、お客様から商品の詳細説明や質問を求められた際に、人間のように自然な表情、言葉で返答します。
また、顧客との会話から、顧客情報を作成することができます。

このデジタルアバターはAI、表情解析技術、音声解析技術を使用しています。
顧客から話かけられた情報をAIで解析し、その情報に対する返答を作成し、あたかも人間が話しかけるように自然な表情で回答します。

Kia Miaが集めた顧客情報は、C/4 HANAやS/4 HANA,SuccessFactorsと連携することで、顧客情報管理を行うことができます。

Kia Miaが実際に動く映像をぜひご覧ください。

CASE3
機械学習による設備管理の最適化

顧客事例

ERPに蓄積するデータと、天候のデータを組み合わせ、機械学習を行うことで、ビジネスプロセスの最適化を行った事例を紹介します。

ドイツに本社を構えるXervon社は産業施設の建設と維持管理を行う会社です。
Xervon社は施設の水道設備の温度管理を行っていましたが、最適な水温を保持するためには、技術者が天候や水道設備内の温度を考慮する必要がありました。

そこでXervon社は、技術者の負担軽減や、経験則による管理を回避するため、設備に設置したセンサーと、ERPシステムから連携した過去の水温データ、衛星による天候情報を連携し、それらを機械学習させることで、冷却に最適な温度を設定するしくみを構築しました。
これにより、冷却設備のエネルギー消費量は6-8%ダウンし、最適な温度管理を行うことに成功しております。

CASE4
ドローンでの撮影と機械学習画像解析による広大な敷地管理の効率化

農業や電話や電気などのインフラ産業は、設備や敷地の維持管理が必要です。
そのメンテナンスには多大なコストがかかりますが、発見できる故障や欠損などはとても小さい場合があります。
このようなケースの場合、衛星情報やドローンが課題を解決するかもしれません。

デンマークに拠点を置く農業関連企業では、広大な敷地の中で「Giant Hogweed(ジャイアントホグウィード)」と呼ばれる有害な植物を発見する必要がありました。
Giant hogweedはその樹液に触れると深刻な皮膚炎をおこし、眼にはいった場合、失明をおこす危険性があるため、植物を発見したら除去しなければなりません。
我々は、ドローンで広大な敷地を撮影し、その映像をAIで画像解析、有害植物を発見するソリューションを開発しました。
発見された有害植物の情報はSAPに連携し、SAPでは作業指示を作成し、実際の駆除アクションへと結びつけます。

この技術は様々なケースに応用できる可能性があります。例えば、設備のさびやオイル漏れ、などの使用状況の監視などにも展開できます。

Trusted Global Innovatorとして

先進的な技術を利用して、適切なソリューションを実現するために必要なことは、想像力と業界やプロセスに関する知識、最新技術に関する専門性です。
NTTデータは企業のデジタルトランスフォーメーションを実現するために必要なご支援を今後も続けてまいります。

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