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2020.3.5INSIGHT

グリッドデータバンク・ラボが拓く電力データ活用の未来

社会課題の解決や新たな価値の創出を目的としたグリッドデータバンク・ラボには95の企業や団体が会員として参画。スマートメーターから収集した電力データと異業種データを掛け合わせて分析することで、新たなビジネスの創出を進めています。

グリッドデータバンク・ラボの活動概要

グリッドデータバンク・ラボは送配電事業から得られる電力データを活用し、社会課題の解決や新たなビジネス創出を推進するべく、2018年11月に発足しました。すでに95の一般企業や自治体が会員として参加しています。(2020年1月末現在)

平井 崇夫 氏

グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合 チーフディレクター 平井 崇夫 氏

会員が持ち寄ったデータ、知見、アイデア、ニーズなどに電力データを掛け合わせた分析を行い、ビジネス創出に向けたユースケースの実証を行っています。

また、電力データは個人の生活に密着したセンシティブなデータである点も考慮し、国に対して法的ルールやデータの活用に関する提言を行うほか、ステークホルダーの皆様に安心・安全に使っていただけるよう、社会コンセンサスの形成に向けても貢献していきたいと考えています。

図1:グリッドデータバンク・ラボの活動全体像

図1:グリッドデータバンク・ラボの活動全体像

スマートメーターの可能性とユースケース

スマートメーターを活用することで、電力消費量、世帯数、在宅状況などの情報を、時間別エリア別により詳細に得ることができます。これにより、人の生活や電気の使い方を推測することができるため、様々な分野での活用が期待されています。

公益向けの事例としては、防災対策や省エネ対策での活用が考えられます。まず、防災対策においては、「予防」の観点から、防災計画を立案する際に過去の時間帯ごとの在宅状況をもとに避難所のキャパシティの過不足判断としての活用や、「応急」の観点から現時点の在宅状況をもとに、効果的な避難誘導への活用が考えられます。

また、省エネ対策においては、天候情報や電力消費データを複合分析し、太陽光パネルを設置するポテンシャルの高いエリアを抽出することができ、効果的な省エネ設備の導入補助施策の立案への活用が考えられます。

ビジネス向けの事例としては、複数の会員から提供されたクローズドデータとスマートメーターデータを掛け合わせることでエリアマーケティング分析を実施。ペルソナ別の顧客ポテンシャルを店舗エリアごとに可視化するUI/UXを開発しました。

江原 貴之

NTTデータ テレコム・ユーティリティ事業本部 ユーティリティ事業部 江原 貴之

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