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2021.5.18業界トレンド/展望

プロダクトを成功に導く 注目度高まるプロダクトマネージャーとは

新規事業創出にあたって、プロダクト(製品やサービス)を成長させる先導者である「プロダクトマネージャー」について、その成り立ちから役割や求められるスキルセット、従来のプロジェクトマネージャーとの違いなどを解説します。

NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。

近年需要の高まるプロダクトマネージャーとは

 近年、プロダクトマネージャーという職種に注目が集まっています。プロダクトマネージャーは、企業が提供するプロダクト(製品やサービス)について、そのビジョンを明確にし、成功に向けて目標を設定しチームを先導する役割を担います。

 プロダクトマネージャーには、「ビジネス」「デザイン(1)」「テクノロジー」のスキルと、それらを俯瞰する高いバランス感覚が求められます。加えて、設定したビジョンや目標を明確に提示し、主体的にチームや関係部署との調整役や先導役を担うソフトスキルも高い水準で要求されます。そのため、近年需要が高まりつつある人材でありながら、育成に苦心する企業も多いようです。

 

必要なスキルセット

プロダクトマネージャーに求められるハードスキル(NTTデータ作成) 

また、プロダクトマネージャーは、修正や改変が比較的容易なソフトウェアを付加価値の源泉とする(製品やサービスのコアがソフトウェアで構成される)事業や企業との親和性が高いことも挙げられます。つまり、製品やサービスを迅速に修正・改変しながら事業を成長させていくことが求められるため、多くの日本企業にとっては、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって経営や事業のあり方を変革し、プロダクトマネージャーが活躍できる組織や事業の素地を作り上げていくことも同時に重要となってきています。 

注1)「デザイン」…ビジュアル・意匠面でのUIデザインの理解だけではなく、顧客理解及び顧客体験に関わるデザイン(UX)への理解も広く含まれる。

プロジェクトマネージャーとの違いと成り立ち

 従来は、プロジェクトマネジメントという形で期間を限定してシステム開発を進めることを想定したプロジェクトマネージャー(PjM)職が中心でした。PjMはプロジェクトが円滑に進行するように、QCD(品質・コスト・納期)を管理することが主な職務です。そのため、システムを着実に開発することが目的となってしまい、時としてシステムを利用するユーザーの声を重視しない進め方になることがある、という指摘を受けてきました。 

1990年代まではこのような課題が多くみられましたが、2001年にアジャイルソフトウェア開発宣言が発表されてから、プロダクトや事業を継続運用し、その成功を実現していくために、マーケットや顧客との対話が求められるようになってきました。

アジャイルソフトウェア開発宣言の要旨

アジャイルソフトウェア開発宣言の要旨(アーテリジェンス社作成)

 デザイン思考についても、「人間」を起点として、顧客体験に配慮したサービス開発を進めるという点は共通しています。2006年にクラウドサービス(AWS EC2)が登場して以降は、より小さなチームでプロダクト開発が可能となり、お客さまの声を素早くプロダクトに反映できるようになりました。さらに2011年にはエリック・リースにより「リーン・スタートアップ」が提唱され、短時間で最小単位のプロダクトの仮説検証を繰り返す開発手法が、シリコンバレーのスタートアップに数多く取り入れられていきました。 

こうした動きの中で、プロダクトを成長させるための先導役としてプロダクトマネージャー(PdMまたはPM)という職種が認識されるようになりました。PdMとはプロダクトの成長をゴールとし、そのために必要な意思決定を行う役割になります。そのためにビジネスとテクノロジー、デザインについて幅広く、かつ深い知識と経験が求められます。プロダクトは期間を限定せず継続的に運用していくことから、「永遠のベータ版」とも呼ばれ、長期的なプロダクトのビジョンや、ビジョンに到達するための適切なKGI/KPIの設計が重要となり、何より本人の情熱やマインドセットがプロダクトの成功の鍵となります。

 

プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメントの違い

プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメントの違い(アーテリジェンス社作成)

 NTTデータ のプロダクトマネージャー育成の取り組み

私たちNTTデータSDDX事業部でも、このプロダクトマネージャー(NTTデータではビジネスディベロッパーと呼称しています)の育成に力を入れて取り組んでいます。2020年度は株式会社アーテリジェンスの協力の下、「デジタルトランスフォーメーション&プロダクトマネジメント研修」と「プロダクトグロース研修」という2つのプログラムを開催しました。 

下記の記事で、さまざまな企業のDX人材やプロダクトマネージャー人材育成を主導してきたアーテリジェンス社の山口さんをゲストに迎え、SDDXの人材育成を主導する小木曽さん、組織定着の取り組みを推進する田邉さんとの対談を通して、新規事業を次々に創出し成功につなげていくための人材育成と組織文化への定着、そして事業運営プロセス変革の取り組みについて語りました。ぜひ合わせてご覧ください。

【連載】”再現性のある”新規事業の作り方!プロダクトマネージャー育成と事業プロセス改革(1/3)

NTTデータがアーテリジェンス社の協力を受けて実施したプロダクトマネージャー育成プログラムと、それを起点とした事業プロセス改革によって本気で新規事業を創出しようとするドラスティックな取り組みを、全3回にわたって特集します。第1回は近年のプロ...

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※本記事は、株式会社アーテリジェンスの支援・監修の下作成しています。

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