コロナ禍で加速したDX
2020年に突如現れた新型コロナウイルス(COVID-19)の猛威により、我々の生活は大きく変化しました。外出やイベントの自粛、飲食店の休業や時短営業、通勤・通学時間の変更や出社率の削減など、各業界でサービスやビジネスモデルの大幅な変更・働き方のさらなる改革といった、急速かつ急激な対応が必要になりました。
その結果、業界全体で企業や組織のDXが加速しています。例えば、多くの企業でリモートワークが行われるようになり、それに応じてオンライン会議アプリケーションに多くの機能が強化され、急速に普及しました。また店舗では、お客様と直接的に接触しない購買システムの導入が進み、フードデリバリー・通信販売など様々な企業がアプリケーションを使って事業を展開しています。
DXを実現するLCP
DXの実現方法のひとつにLCPがあります。「コロナ禍で必要になったアプリケーションを二週間で作れた。」という声も聞こえるように、爆発的な生産性が期待できる開発ツールです。
従来のようなソースコードによるプログラミングをしなくても、頭の中で思い描いた画面デザイン、ロジックやデータを、ドラッグ&ドロップで直感的に操作するだけで、アプリケーションを自動生成することができます。(※1:Low-Code Platformがもたらすビジネスの変化)
下図は、LCP製品のひとつであるOutSystemsの開発環境で、アプリケーションの画面をイメージ通りに直感的に設計している例です。
LCPを用いた画面編集の例(※2)
LCPでは、ドラッグ&ドロップでアプリケーションを設計するだけで、すぐに実行して動作を確認することができます。また、設定した情報に間違いがあれば、随時エラーで教えてくれます。その結果、生産性が大幅に向上し素早くアプリケーションが作れます。
このように、アプリケーションを簡単に作ることができるプラットフォームの性質から、ベンダやIT部門のプログラマだけでなく、ビジネス部門のユーザーがアプリケーション開発に関わることを可能とする「市民開発」と呼ばれる動きも活発になっています。LCPを使った市民開発により、企業内で従業員が必要なアプリケーションを自ら開発する、内製化の動きも促進されます。
LCPでの開発のイメージ
コロナ禍でのLCPの活躍
このような生産性の高さや市民開発などの特長により、LCPはビジネスモデルの変革を支えるデジタル技術として活躍しています。また、クラウド上でアプリケーション開発や運用が完結できることは、コロナ禍におけるLCPの際立った特長であり、リモートワークに向けた変革に役立ちます。
例えば、NTTデータでは以下のようなLCPの開発事例があります。
これらの事例は、ビジネス環境の激しい変化に対応して、LCPが短期間の開発でビジネス状況に素早く追従できる可能性を示しています。
NTTデータではリモートワークによる働き方変革を推進しながら、このようなLCPの活用を進めています。アプリケーションの設計情報が直感的に理解しやすいことや、クラウド上で開発が完結するといったLCPの特長によって、リモートワークで作業する開発者とも連携できます。また、開発したアプリケーションもクラウド上でアクセスできるため、リモートワークでも活用できます。
最後に
クラウド・Web上でアプリケーションが短期で開発できるLCPは、変化の激しい現代のシステム開発に向いています。
しかし、近年LCPの市場は急速に成長しており、200を超える多種多様なLCPの製品・サービスが提供されています。各製品にはそれぞれ特徴があるため、目的や用途に応じて適切なプラットフォームを選定する必要があります。
NTTデータでは、適切なLCPの選定や活用を通じて生産性の高いアプリケーション開発を実現し、お客様の「これから」を描いていきます。