目次

• ・講演の概要
• ・ENEOS様におけるカーボンニュートラルの取り組み
• ・単なる規制対応ではなく、意味のある排出量算定を

・講演の概要

2025年1月24日、東京ビッグサイトにて開催されたFactory Innovation Week 2025の特別講演「見える化でカーボンニュートラル！スコープ3を見据えた取り組み」において、ENEOS長島様とNTTデータ南田が共同講演を行いました。

共同講演は「ENEOSとNTTデータが進める社会のGHG排出削減に向けた取り組みと目指すべき世界」というタイトルで、これまで両社がカーボンニュートラル社会の実現に向けて、どのような取り組みを進めてきたのか、紹介を行いました。

・ENEOS様におけるカーボンニュートラルの取り組み

ENEOS様では、「ENEOSグループ カーボンニュートラル基本計画」（https://www.hd.eneos.co.jp/about/carbon_neutral/）に基づき、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、ENEOS様自身のGHG排出量削減を進めるとともに、社会全体のGHG排出削減に貢献するため、「エネルギートランジション」と「サーキュラーエコノミー」を推進することを目指しています。
本講演では、「全社目線」と「製品目線」のGHG排出量見える化にあたり、NTTデータと共同開発したシステムを活用した「カーボンアカウンティング」と「カーボンフットプリント（CFP）の算定」の取組みに関するご紹介がありました。特に、将来のカーボンニュートラルの実現に向け、2026年度から本格開始される排出量取引制度（GX-ETS）に向けたGHG排出量管理の仕組み構築の重要性や、これら2つの取り組みを両立するシステムの構築について触れられました。
ENEOS様の「カーボンアカウンティング」の取り組みにおいては、NTTデータと構築したシステムを活用し、全社GHG排出量の集計や法定報告資料効率化といった足元の対応に加えて、GX-ETSに備え、将来的には炭素価格も考慮した操業管理等による収益最大化を目指しています。
また、「CFPの算定」の取り組みにおいては、複雑な石油精製フローをカバーしたCFPの算定に加え、排出源の内訳も可視化することで、今後、ENEOS様のお客様に対し、信頼性の高いCFPの迅速な提供、低CFP商品の供給、ならびにオフセット商品の販売といった取り組みを通じてカーボンニュートラル社会の実現を目指していく、と長島様は語りました。

ENEOSホールディングス株式会社／ENEOS株式会社
カーボンニュートラル戦略部長
長島 拓司 様

・単なる規制対応ではなく、意味のある排出量算定を

続いてNTTデータ南田は、「なぜGHG排出量を算定するのか？どのように可視化するのか」という課題提起に対し、単なる規制対応に留まらず、意味のある算定の必要性を訴えました。
排出量可視化は「可視化のための可視化」ではなく「削減のための可視化」であるべきで、自社の削減努力を適切な形で反映できる算定が必要です。自社に求められている社会的役割は何かを考えて、自社やサプライヤが無理なく対応できる算定プロセスの設計が必要です。
NTTデータでは、ENEOS様とともにGHG統合管理基盤システムを構築しました。これにより、不透明かつボラティリティが高いエネルギー調達環境の中で、エンゲージメントによる社会全体のネットゼロ達成への貢献と、自社の経営戦略・商品戦略に生かす「攻め」のカーボンフットプリント算定が可能となりました。

最後に南田は、「なぜ可視化するのか、それは削減するためです。サプライチェーンで繋がっている企業が、それぞれの企業体力に見合った役割を果たし、削減アクションにつながる可視化を行っていくことが重要です。」と述べ、上流から下流まで社会全体の排出量をどのように可視化し、削減アクションにつなげていくべきか、取り組みの方向性について説明を行いました。

NTTデータ
法人コンサルティング＆マーケティング事業本部
サステナビリティサービス＆ストラテジー推進室
統括室長
南田晋作

NTTデータでは、ENEOS様と共に、社会のGHG排出削減に向けた取り組みを加速すると共に、社会全体のネットゼロ達成に向けた情報発信を今後も行っていきます。