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2024.7.12

まちづくり×デザイン思考 −“まち”と”ひと(ユーザー)”を捉える−

City Life Experienceチームは、まちの環境・データを捉えながら、ユーザー目線で施策・サービスを検討することで、まちづくりの活動を支援している。
今回の記事では、まちづくりにおける課題解決/機会探索に取り組む中で、ユーザーの体験を描くデザイン思考がどう活きてくるのか、まちづくり領域のプロジェクトに取り組むメンバの目線から考える。

こんにちは。
NTTデータのCity Life Experienceチーム(以下、CLE)でサービスデザイナーとして活動している與嶋(よしま)です。
今回は自身がまちづくりに関わるプロジェクトを通して感じている、まちづくり×デザイン思考に基づく、”まち”と”ひと(ユーザー)”の捉え方についてお話したいと思います。

デザイン思考のアプローチ

前提として、ここでお話しするデザインは、「狭義のデザイン(造形中心の表層・UIのデザイン)」ではなく、「広義のデザイン(体験となるサービス全体・UXのデザイン)」を指します。
そのため、ユーザーに寄り添い、潜在的な課題・機会を探索し解決策を検討することを「デザインする」と捉えています。
デザイン思考を用いてサービスや事業を検討し体験設計を考えるには、大きく3つの重要なアプローチがあると考えています。

  1. (1)具体と抽象の往復
  2. (2)発散と収束(ダブルダイヤモンドアプローチ)(※1)
  3. (3)仮説と検証のサイクル(※2)
(※1)

「問い・課題の設定」と「解決策・アイディアの検討」のそれぞれのフェーズにおいて発散と収束を繰り返すアプローチ。発散では対話で発想を広げ、収束では議論で分析・検証を進める流れが重視される。(ダブルダイヤモンドと定義されているが、実際の検討では状況に応じて発散と収束を何度も行う)

(※2)

プロトタイピングを筆頭に、試しにモノを簡易な形でも作ってみることを通して、難しさや新しい可能性を仮説として発見することを目的とする。「作りながら考える」「考えるために作る」という意識でサイクルを回すことが重要と考える。

デザイン思考がまちづくりにどう紐づくか

デザイン思考のアプローチの中で、(1)具体と抽象の往復は「具体的な事象や出来事に目を向ける」、「その事象はどんな状況・環境で起こっているのかを抽象的に捉える」を行き来することで、解像度の高い共感・課題を導き出す流れであり、まちづくりでの体験を描くうえで親和性が高い考え方だと思います。
この具体と抽象の往復の考え方をまちづくりに応用して考えると、具体はそのまちにいる「”ひと(ユーザー)”の抱える課題」、抽象はまちを俯瞰的にみた「”まち”の持つ環境や状況・データ」という捉え方ができます。”まち”という広い枠組みにおいて、具体的に“ひと(ユーザー)”がどんな体験を得ているのかを深く考えることができると感じています。

課題解決のアプローチ

“まち”と”ひと(ユーザー)”を捉える

CLEが目指すまちづくりとして、「ユーザー目線でまちの体験を考える」という方針を掲げていますが、この内容を分解すると、先述の通り、大きく”まち”と”ひと(ユーザー)”の2つの要素に分解して捉えることができると考えています。
“まち”を捉えるというのは、フィールドワークによるまちの実際の環境や場所に触れることや、人流データをはじめとしたデータ活用によるまちの状況を把握することを指しています。
一方で、”ひと(ユーザー)”を捉えるというのは、インタビューやエスノグラフィーを通してユーザーの声・行動を分析する取り組みや、それらの情報をもとにペルソナやカスタマージャーニーを作成することで体験ストーリーを描くことが挙げられます。
それぞれの捉え方を通してサービスや体験を考えることはできますが、まちという様々な要素を含んだ中でユーザー体験を検討するにあたっては、”まち”と”ひと(ユーザー)”のどちらかに偏った検討をしてしまうと、まちの特色に合わず提供範囲が狭くなったり、課題を捉えきれず実際にユーザーに継続的に使われない体験になるリスクがあると考えています。
これらを踏まえて、”まち”の環境・データと”ひと(ユーザー)”の抱える課題の両面に目を向けながら、体験をデザインすることが重要だと考えています。

どちらかに偏ると体験価値が浸透しない

CLEとして描くまちづくり

CLEは”まち”と”ひと(ユーザー)”を捉え、そのつながりに目線を置きながら、まちの目指す方針やユーザーに提供する具体施策を検討しています。そして、テクノロジーを手段として活用することで課題の解決、体験の実現を目指し、まちづくりに関わっています。

まちとひと(ユーザー)を捉えることで、新たな体験をデザインする

自治体総合フェアセミナー Groove Designs × NTTデータ 「テクノロジーを活用した新たなひととまちの関わりづくり」

先日、「人とまちの関係性をデザインする」をミッションに全国でまちづくり支援に取り組む都市デザイン会社Groove Designs様と共催した自治体総合フェア2024のセミナーに参加し、CLEのまちづくりの考え方を中心に、“まち”と“ひと(ユーザー)”を捉えた取り組みのお話をさせていただきました。 Groove Designs様は、地域エンゲージメントプラットフォーム“my groove”の提供など、地域との関わりづくり、まちづくりに取り組む地域のひとが主体的にアクションと共創を進められる仕組みづくりを推進しており、リアルな場とデジタルの活用の両面でまちと人の接点を創出しています。
本セミナーの中ではCLEの具体的なプロジェクト事例も紹介しながら、Groove Designs様と“まち”に集まる“ひと(ユーザー)”の体験・関わりをどうデザインしていけるかについてディスカッションをしていますので、よろしければご覧ください。

自治体総合フェアセミナー GrooveDesigns × NTTデータ 「テクノロジーを活用した、新たなひととまちの関りづくり」

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