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2024.11.8

【連載コラム第5回】知られざる!睡眠の都市伝説とは?!

睡眠コンサルタントの友野なお先生が役に立つ睡眠の知識を月次連載でお届けします。
第5回は「知られざる!睡眠の都市伝説とは?!」です。

睡眠には様々な都市伝説があり、誤った情報を鵜呑みにしてしまうとかえって睡眠力の低下を招くことにつながりかねません。ここでは3つ代表的な睡眠都市伝説をご紹介しましょう。

まず、一般的に「眠れなくてもベッドに横になっていたほうが良い」と言われますが、これは間違っています。健康な場合は10分程度で徐々に眠りに入るのですが、もし30分以上経過しても眠れない場合は一旦ベッドから出ることが正解です。このとき、時計は見ないようにすることがポイント。時計を見てしまうと、どうしても「あと何時間しか眠れない」「もう何時間も眠れていない」と数字のカウントが始まってしまい、脳が冴えてしまうと同時に精神的に不安定になってしまいます。光やカフェインなどの刺激物を避け、リラックスして過ごしている中で眠気のサインが訪れたら、すぐさまベッドに戻るようにしましょう。

続いて、眠れない夜に皆さんも1度は「羊を数えた」という経験、ありませんか?実は残念ながらいくら羊を数えても、眠気は誘発されないのです。ではどこからこの神話は来たのでしょうか?

眠れないときに羊を数えるという方法は、もともと欧米から始まったといわれています。諸説ありますが、羊を数えることで眠くなると言われるメカニズムは大きくわけて3つ。

まず1つ目は、大自然の景色を想像することで気持ちがリラックスでき、さらに癒しの象徴ともいえる羊をただひたすら数えるという単調な作業の繰り返しで眠気が誘発されるという説。2つ目は、「シープ(SHEEP)」という言葉を繰り返すことで自然と腹式呼吸になり、眠りモードの副交感神経が優位になるという説。3つ目は、「シープ(SHEEP)」の発音が「スリープ(SLEEP)」に似ているため、数えながら眠りの暗示を自らにかけられるという説。以上3つの理由から、「眠れないときには羊を数えることが有効である」という神話が広がった可能性が高いのですが、残念ながら日本では羊飼いの光景はほとんど馴染みがないうえに、「羊」という発音は「シープ」と違って腹式呼吸にはならないですし、「睡眠」の暗示にも発音的になりません。従って、私たち日本人にとっては羊を数えたところで眠りが誘われる効果は期待できないということがいえるのです。

眠れないときは、羊を数えるよりも、「ひとつ、ふたつ・・・・」という「数」を唱えるという方法がおすすめです。深く呼吸をしながら、ゆっくり「ひとーつ、ふたーつ、みーっつ・・・・」と数えていくと、腹式呼吸に近い呼吸リズムになるため自然とリラックスでき、眠気が訪れやすくなります。ただし、数が大きくなり過ぎると自分がなかなか寝付けていないことを認識してしまい、焦りや不安につながってしまう可能性もあるため、10まで数えたら再び1に戻るようにしましょう。もし声が出せない状況の場合は、数を頭の中で唱えながら、一緒に呼吸も合わせるようにして行ってください。

最後は、誰しもが1度は耳にしたことがあるであろう「夜の10時から午前2時までは、美肌のためのゴールデンタイム」という説。睡眠時間に健康を増進させたり、美を磨いたりするうえで重要なのは、眠りはじめの最初の3時間を途切れさせないことであり、夜の10時時就寝にこだわる必要は全くありません。実際、忙しい毎日を送っていると夜10時にベッドに入っていることはなかなかむずかしく、現実的ではありませんよね。ただし、0時就寝を目指すことは、体温のリズムやホルモンの分泌リズム、総睡眠時間の確保の観点から忘れたくないポイントになります。0時~6時にかぶせて7時間程度眠れるタイムスケジュールを組むことが、最も心身の健康維持につながるスリープタイムマネジメント術です。

「誰しもが8時間は眠らないといけない」といった誤った睡眠知識の思い込みや、眠れないことへの焦り、心配事、精神的なストレスは眠りを妨げます。
眠れない日が続いてしまうと「睡眠恐怖」が生じ、不安や緊張感、睡眠状態への強いこだわりがどんどん強まって過覚醒な状態になってしまうことがあり、この状態は不眠をますます悪化させ、ネガティブスパイラルを生み出す根源ともなりうるのです。

誤った情報に振り回されて快眠が遠のいてしまわぬよう、まずは睡眠情報の質を見極め、できる習慣を見つけたら1つずつでも良いので生活の中に取り組んでいってくださいね。

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