自己紹介
はじめまして。NTTデータの新規事業開発伴走支援チームIDA(Innovation Design & Acceleration)の鈴木 翔(すずき しょう)と申します。同じ苗字の方が多いの「しょう」と呼んでいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
私はNTTデータに入社する前は総合化学メーカーで約15年間勤務しており、研究開発からの事業立ち上げ、スタートアップへの出向、新規事業開発プロジェクトの伴走支援などに取り組んできました。特に、プロダクトアウトに偏りがちな大企業の新規事業開発に顧客視点を取り入れる挑戦を続けてきました。NTTデータのIDAには2024年11月にジョインし、主に顧客開発フェーズの新規事業開発の伴走支援を担当しています。
このメルマガでは私の経験をもとに新規事業開発に役立つ情報や気づきを共有してまいります。新規事業に取り組んでいる皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。
今回は、私が前職の総合化学メーカーで研究所の研究開発テーマを事業化する過程で学んだ「顧客視点」と「ビジネスモデル」の重要性についてお話します。
技術起点の新規事業開発における「顧客視点」と「ビジネスモデル」の重要性について
当時私が勤めていた企業の研究所では、感染症の原因微生物を特定する技術開発に取り組んでいました。この技術を応用した検査キットの開発も順調に進み、事業化に成功しましたが、実際の事業運営では競合他社との戦いに苦戦。最終的には別会社に譲渡されることになりました。
私は技術者としてこのプロジェクトの技術開発から事業化まで一貫して携わりましたが、振り返ると「技術者が作りたいものを作り、それをそのまま市場に出したこと」が事業運営で苦戦を強いられた原因の1つだったと感じます。開発当時は「競合が出てきたとしても検出性能で圧倒しよう」と性能向上に注力していましたが、実際に市場に出してみると、検出性能だけでなく、製品の使い勝手や価格、営業力などの非技術的なものも含めた総合力が競争において重要だということがわかりました。
もし開発当時から顧客視点やビジネスモデルの観点をとりいれていたら、もっと強い事業になったかもしれません。例えば、顧客である医療従事者にとって使いやすい製品仕様を追及したり、いずれ価格競争になることを見越して製造コストを下げる方向の技術開発に取り組むことが考えられます。
研究所の技術者は先進的な技術課題に目が向きがちですが、技術を事業にするためには顧客視点やビジネスモデルも同様に重要です。技術を追求するだけではビジネスとして継続的に成功するのは難しいのです。開発の段階から顧客視点やビジネスモデルを取り入れることは、後継続的にユーザーに価値を提供し続けるビジネスを生み出すために不可欠な取り組みです。これを身をもって体験しました。
️開発段階から顧客視点を取り入れる方法
ではどうやって顧客視点やビジネスモデルの観点を、開発の段階から取り入れるのか?まずは「自分が開発している技術・製品を実際に使う(であろう)人の行動を知る」ことから始めましょう。
お客さんの行動を知り、あなたが提供する製品によってそのお客さんの行動がどう変化するか、その変化はお客さんにどんな嬉しさを提供するか、そして、お客さんにとってその嬉しさを最大化する製品とはどんなものか。現実を知り、その現実をどうやって良い方向にシフトさせるか。これを考える作業を徹底的に行うことが、顧客から選ばれる・競合に勝てる強い製品を生み出すことにつながると思います。