温室効果ガス排出量可視化ソリューション
「C-Turtle®(シータートル)」の開発
NTTデータ コンサルティング事業本部
「C-Turtle®」をGHG排出量削減の
インフラに育て、日本のカーボンニュートラル実現を支援する
NTTデータグループでは、様々なデジタルテクノロジーを活用したサステナビリティ経営を支援するソリューションを提供しています。その一つが温室効果ガス(以下、GHG)排出量可視化ソリューション「C-Turtle®(シータートル)」です。開発目的や、お客様とともに目指す未来への展望をご紹介します。
![望月 利英](/global/ja/-/media/nttdataglobal-ja/images/about-us/sustainability/promote/interview-on-ghg-development/interview-on-ghg-development_overview.jpg?rev=1fc3ea29c6ff4d738ec0c1be0b7f8c80)
NTTデータ
コンサルティング事業本部
サステナビリティサービス&ストラテジー推進室
課長 望月 利英
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サプライチェーン全体にかかわる
Scope3算定の企業課題に応える
ご存知のように世界的に脱炭素化に向けた動きが加速する中、日本でも2050年カーボンニュートラル化の実現、および2030年度温室効果ガス(以下、GHG)排出量46%削減(2013年度比)の目標が掲げられています。
企業は、GHG排出量について自社の燃料燃焼や生産プロセスからの直接排出(Scope1)、自社の電気、熱・蒸気使用に伴う間接排出GHG(Scope2)だけでなく、購買・調達や物流なども含めた自社の活動に関わる他社の排出量(Scope3)を算定し、開示するよう求められています。
このScope3の算定には、企業がサプライチェーンに参加している他社とともに、脱炭素社会に向けた前向きな取組みを実施するよう行動変容を促すという目的があります。しかしながら、一般的に、Scope3算定は「活動量(企業の活動規模)」×「排出原単位(市場平均値)」で算定されることが多く、企業の削減努力を反映することが難しいという課題があります。
そこで、課題を解決するべくNTTデータが開発したのが、GHG排出量可視化ソリューション「C-Turtle®」です。2022年10月に提供を開始し、2024年10月時点で1,000社を超える企業に導入いただいています。
国内で唯一、CDPが保持する
一次データを活用したScope3算定を可能に
「C-Turtle®」は、Scope1,2,3(全カテゴリ)に対応したクラウドサービスです。最大の特徴は、Scope3算定において1次データ、つまり企業別排出量を用いて算定できるという点です。これにより、サプライヤの排出量が明確に可視化でき、サプライチェーン全体を通じたGHG排出量の算定・削減の推進が可能となります。
これは、NTTデータが日本企業で初のCDP※ゴールド認定パートナーであり、国内で唯一CDPが保有する一次データの使用許諾契約を結んでいるため実現できるものです。さらに、NTTデータの排出量情報調査チームが各社のサステナビリティレポートから1次データの取得も行っています。
誰にとっても分かりやすい画面設計や操作性を実現しており、排出原単位が自動で最新化され、活動容量や排出量の一括管理が可能です。複雑で属人的になりやすいExcelを使用した排出量計算に比べて、企業様の業務負荷を軽減できると考えています。
- ※ 気候変動アクションにおいて中心的役割を担っている英国NGO
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![](/global/ja/-/media/nttdataglobal-ja/images/about-us/sustainability/promote/interview-on-ghg-development/interview-on-ghg-development_03.jpg?h=1108&iar=0&w=1660&rev=b6a2ad658a814827b6b372935702fe7c)
中小企業への無償提供や
金融機関様との導入支援をスタート
GHG排出量可視化による脱炭素社会に向けた取組みは、一部の企業だけでは成し遂げられないことであり、今後ますます社会全体で取り組むよう要請が強まることが予想されます。すでに、企業のGHG排出量の削減努力が企業間取引や金融機関の投融資判断に用いられるといった動きも見られます。
今、NTTデータグループが目指しているのは、日本国内のサプライチェーン全体を網羅し、GHG排出量削減に向けたインフラの役割を担うことです。つまり、規模を問わず日本国内の多くの企業様に「C-Turtle®」を導入いただくことができれば、算定のスピードや精度が格段に上がり、カーボンニュートラルの実現に近づきます。これまで長きに渡り、デジタルテクノロジーを活用して官公庁・自治体や金融機関、様々な業種の企業活動を支えてきたという自負と使命感のもと、グループ一丸となって取り組んでいきたいと考えています。
一方で、GHG排出量可視化に着手したいけれど新たなコスト負担が支障になっているという声も聞かれます。そこで、2024年1月より「C-Turtle®」を導入済の企業と取引関係にある中小企業様に対し、無償提供を開始しました。また、金融機関様に向けて「C-Turtle® FE」の提供を新たに開始し、パートナーシップを組んで投融資先企業様への「C-Turtle®」導入支援を加速させていく取組みも始めています。
脱炭素社会への第一歩を、
NTTデータ地域会社とともに
NTTグループにおいても、エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」に基づき、脱炭素化の取り組みを推進しています。2040年度には自社排出量であるScope1,2に加えて、サプライチェーン排出量であるScope3まで含めたカーボンニュートラルの実現を目指し、2024年2月よりNTTグループ全社で「C-Turtle®」導入しています。また、NTTデータでは、導入前から「C-Turtle®」で採用している方式でScope3の算出を行っており、2016年度から2021年度の5年間で約7万t(カテゴリ1,2:購買・調達)の削減を実現しています。「削減可能なScope3」として、ぜひ導入をご検討ください。
各地域の企業様には、NTTデータ地域会社が中心となって「C-Turtle®」導入支援をはじめとするサステナビリティ経営を支援してまいります。お客様の事業内容や社内体制などを理解し、最適なご提案ができる。ご不明点があれば、すぐに伺える。お客様に日々寄り添うNTTデータ地域会社とともに、安心して脱炭素社会に向けた一歩を踏み出していただけるのではないかと考えています。どのようなデータをGHG算定に用いるかなどのコンサルティングや、GHG排出量削減に向けた設備投資の最適化、再生可能エネルギーの活用などについても、幅広くご提案が可能です。
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![](/global/ja/-/media/nttdataglobal-ja/images/about-us/sustainability/promote/interview-on-ghg-development/interview-on-ghg-development_05.jpg?h=1660&iar=0&w=1245&rev=e994fd112b184dadbd26328a9dd719f5)
企業様の努力をつなぎ
大きな成果を生み出していく
すでに導入いただいた企業様から、「現場の社員は、これまでコストは気にしてきたけれど、GHG排出量を意識したことがなかったと思う。C-Turtle®を導入したことで、脱炭素化について自分ごと化できるようになったようだ」という声をいただいたことがあります。どういうことかというと、データを確認したり自ら入力したりすることで、例えば電気の使用量やそれによるGHG排出量がリアルに感じられるということです。
このように各社で、カーボンニュートラルの実現に向けて同じ意識が醸成されていけば、様々な場面でGHG排出量削減に向けた話し合いが行われるようになるでしょう。あくまでも、「C-Turtle®」を導入いただく目的は算定することではなく、削減することです。削減に向けてアクションが生まれ、削減のアイデアが実行でき、成果をみんなで分かち合える。そんな好サイクルを支援していけたらと考えています。
NTTデータのブランドスローガン「Moving forward in harmony」は、まさに「C-Turtle®」が目指す姿です。一社でできることには限界があるけれど、各企業様の努力をつないでいくことで大きな成果が生まれると信じています。それを実現するべく、NTTデータ、NTTデータ地域会社が連携し、「C-Turtle®」の導入支援を通じて日本全国の企業様のサステナビリティ経営を支援していきたいと思います。