NTTデータ地域会社を通じた
サステナビリティ経営推進について

NTTデータ東北 経営企画部

その土地に根差す企業だからできる
地域課題解決と価値創造

NTTデータグループでは、9つの地域会社が独自性を持ち、それぞれの地域の新たな価値創造や、様々な課題解決に挑んでいます。地域会社だからこそできる共存共栄のサステナビリティの形や、NTTデータ東北が描くこれからのサステナビリティ経営推進についてご紹介します。

横尾 怜

NTTデータ東北
経営企画部長
横尾 怜

電機・音響メーカで社会人をスタートさせた後、2007年にNTTデータ東北入社。スタッフ全般、法人営業、親会社出向も経て現職に至る。大学時代と親会社出向時期を除き、約40年間は東北在住。趣味は子どもとのプロ野球観戦、地元球団の楽天イーグルスを応援。

地域企業や生活者の近くで
いち早く課題解決に挑む

現代において、サステナビリティは国家間・企業間のプロトコルであり、必ず取り組むものです。日本の各地域は「課題先進地域」と言われ、これから乗り越えるべき多くのハードルがあります。私たちNTTデータ地域会社が、それぞれの地域の特徴を活かして新しい価値を創造すること、コミュニティを強化していくことが、共存共栄のサステナビリティであり、日本全体を元気にすることにつながると考えています。

地域会社は、支社ではないため独自性を持ち、現地採用を中心とした社員がお客様と長く信頼関係を築けるという大きな強みがあります。私たちは課題がある現場の最前線にいるのですから、いち早く課題を把握し、解決につなげていくことが求められますし、そのためには一人ひとりが未来を描く力、「実行力」を高めていく必要があります。

気をつけなければいけないのは、地域の課題は私たちのお客様である企業や自治体だけにあるわけではないということです。NTTデータ東北では、これまでにない地域との接点を増やしたいと考え、NTTデータグループ サステナビリティ経営推進部の皆さんからアドバイスをもらい、NPO法人の方との対話をスタートしています。

自分たちの存在価値を明確にして
サステナビリティを自分ごと化する

NTTデータ東北は社員の多くが東北出身であり、東日本大震災という経験がアイデンティティに深く関わっていると感じています。私事ですが、第一子が生まれたのが東日本大震災の年でした。地震直後は妊娠初期だった妻の安否が本当に心配でした。それくらい大きな地震でしたし、しばらく携帯も繋がらなかったので、合流できた時は心から安心しました。今考えると、震災を契機として、自分が生きている間に東北に少しでも貢献したい気持ちが大きくなったと感じます。そしてきっと、当社の社員の多くが同じ気持ちだと思います。

そのような社員の熱意を原動力とし、サステナビリティへの取り組みはNTTデータが掲げる、環境・経済・社会の3軸で行うのですが、当座は3つに注力していきます。まず、本業での貢献。いわゆるCSV的な観点で社会課題解決に貢献する製品やサービスをお客様に届けるということ。次に、社員の心と体を大事にした健康経営。そして、社内外への適切な情報発信です。

また、その前提として今進めているのがNTTデータ東北独自のパーパスの再定義です。次世代を担う20代〜30代の社員を中心に構成されたプロジェクトチームが、全社300人を巻き込みながら進めています。まずは自分たちを見つめ直して存在価値を再確認することで、サステナビリティという大きな言葉に惑わされずに自分ごと化して取り組めると考えています。そして、これが行動基準となり、誰もが「NTTデータ東北の社員ならこうする」と自然に動けるのが理想だと考えています。

新たな課題解決に向けて
社員を応援する仕組みづくりを

課題解決に向けてビジネスを考えていくといっても、そう簡単にはアイデアが出てこないものです。また、そもそもサステナビリティとビジネスが重なっていない社員もいるでしょう。NTTデータでは、ビジネスとサステナビリティの同軸化と表現していますし、当社内ではトレードオフではなくトレードオンだと伝えています。世の中で言われているように、イノベーションwithパーパス。パーパスが共感を生み、共感がパートナーシップを生み、新しい共創が生まれ、未来が生まれる。これを意識していきたいですね。

また、当社では社員のアイデア創発を活発化し、事業化につなげていくために戦略的投資サイクルを回しています。次は、アイデアを出す段階から、事業部の垣根を越えたり、社外の人たちと共創したりしやすい仕組みづくりを行っていきたいと思います。特に若い世代は、社会貢献活動においてネイティブだと感じます。発想力や、変な壁をつくらずにチャレンジする姿勢は見習うべきものですし、会社全体に良い影響を与えてくれています。

デジタル技術を手段とし
未来をつくるための架け橋になる

NTTデータ地域各社が地域の課題解決に貢献できるのは、これまでBtoB事業を通じて、地域の金融機関様や自治体に向けた情報システムの構築を行ってきた土台と信頼関係があるからです。私たちが強みとするデジタル技術の活用については、まだまだデジタル・デバイドが存在します。そこを私たちがいかに支援をしていくか。デジタル技術を手段とした、新しい未来を作るという目的に向けた架け橋になれるのか。その挑戦は続きます。

そして、長い時間をかけて築いてきたお客様との信頼関係をベースとし、地域のイベントやワークショップを共催することで、地域コミュニティを強化する。関係性の中から共通の課題を見つけてその解決に向かってその協業するモデルをつくる。さらに新しいビジネスを共創することによって、最終的に雇用創出や地域経済の発展につなげていきたいと考えています。まさに、NTTデータグループが大切にする「サステナブルな未来をこの手で」という言葉のように、地に足ついたところから始める意識が大事だと思います。

サステナビリティへの取組みは
地域に根差す企業の存在価値そのもの

サステナビリティにどのように取り組むのかは、その土地に根差し、事業を行う私たちの存在意義が問われているとも言えるでしょう。なり行きに任せるのではなく、私たちが一地域企業として、自分たちの意思で変えていく。そんな強い気持ちで、これからも活動していきたいと考えています。それは私自身にとって、できるだけ子どもたちの世代に問題を先送りしないという挑戦でもあります。NTTデータ地域会社では、すでに様々な地域に根ざした活動が行われており、その内容から地元への深い愛着が伝わってきます。今後は、さらに会社間の情報交換を活発に行い、自社が取組む課題解決の加速につなげていくことが重要だと考えています。

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