金融機関における保険情報一括確認を可能にする保険ポータルサービスの提供開始
~2025年1月西日本シティ銀行が「InsureView」利用開始~
トピックス
2025年1月22日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(代表取締役社長:佐々木裕、以下:NTTデータ)は、2025年1月22日より保険ポータルサービス「InsureView注1」の提供を開始します。またファーストユーザーとして、株式会社西日本シティ銀行(取締役頭取:村上英之、以下:西日本シティ銀行)が利用を開始します。
本サービスは、保険会社を横断した保険契約者向け保険サービスで、第一弾として提供する保険契約照会機能は、外貨建て保険を含む各種情報が参照可能なアフターフォローを推進するものであり、銀行業界で初めての仕組みです。
西日本シティ銀行との取り組みにおいては、多数の顧客接点を持つバンキングアプリ「My Pallete®注2」と、保険代理店と保険会社をつなぐプラットフォーム「NTTデータ保険会社共同ゲートウェイ注3」を連携することで、金融機関は自社アプリ等のデジタル接点を起点に保険機能を容易に結合可能となり、保険契約者へ新たな価値を提供します。
NTTデータは「金融ITオープン戦略注4」に基づき、今後も業界横断での取り組みを通じ、お客さまへの新たな価値提供を目指します。
背景
2002年の銀行窓口での保険販売(以下、銀行窓販)解禁から20年以上が経過し、金融環境や人々のライフスタイルも大きく変化する中、銀行窓販チャネルは生命保険業界で極めて重要なマーケットに成長しました。
その中で2016年、保険募集の基本的ルールの創設や保険代理店に対する態勢整備などを主な内容として保険業法改正が行われ、以降、NTTデータは生命保険業界とともに、新契約手続きの高度化を進めてきました。こうして銀行における保険契約件数が増加する中、金融庁から「顧客本位の業務運営」とりわけアフターフォローに関する強い要請があり、これに対し、銀行は対面や電話でのフォロー等、人的リソースを拡大し対応していますが、一方でこれらが大きな負担にもなっています。
また、保険契約者が自身の保険契約の内容を確認するためには、紙の証券による確認、もしくは保険会社のホームページ上にあるマイページへアクセス、あるいはコールセンターへ連絡などを行わなければならず、簡単に情報を取得できない状況となっていました。
上記背景を踏まえ、従来の枠組みにとらわれない「業界横断型のよりよい顧客体験の実現」に向け、保険契約者の利用頻度が高いバンキングアプリからシームレスに自身の保険契約情報にアクセス可能とするサービスである「InsureView」を開発しました。
概要
「InsureView」は、国内保険会社50社以上と接続する「NTTデータ保険会社共同ゲートウェイ」と連携し、保険会社から金融機関代理店へ提供されるデータを活用することで、生命保険業界横断での契約照会機能を実現しました。身近な銀行アプリを通じて、保険契約者がいつでもすぐに保険契約情報を参照できることで、満足度の高い顧客体験を実現します。
特長
保険契約者と金融機関に以下のメリットを提供します。
1.金融機関アプリの利便性向上
これまで多くの金融機関アプリは、契約した投信商品、ローン商品等の契約内容は確認可能である一方、保険商品の情報照会機能は提供されていないケースが散見されていました。「InsureView」では「My Pallete」および「NTTデータ保険会社共同ゲートウェイ」との連携により、金融機関アプリへ簡単に保険契約情報の照会機能を付加することが可能となります。これにより保険契約者は、いつでも、どこでも金融機関アプリから自身の保険情報にアクセスすることができます。
さらに、保険契約の内容(商品名や支払済保険料)や状態(満期・目標到達状況)を確認できるため、保険金等の手続き漏れの防止も期待できます。
2.フロントシステムを問わない高いコネクティビティ
今回はNTTデータが提供する「My Pallete」に連携する形で実装していますが、「InsureView」はフロントシステムを問わず接続可能な仕組みとなり、保険代理店であればバンキングアプリ、保険契約者向けアプリを問わず実装が可能となっております。
ファーストユーザーである西日本シティ銀行においては、日本生命保険相互会社を筆頭に、多くの委託先保険会社の保険契約情報の照会が可能となっています。
契約情報照会が可能な主な保険会社
- 日本生命保険相互会社
- 住友生命保険相互会社
- 明治安田生命保険相互会社
- 第一フロンティア生命保険株式会社
- 三井住友海上プライマリ―生命保険株式会社
- ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
- T&Dフィナンシャル生命保険株式会社
- メットライフ生命保険株式会社 他
今後の展望
本サービスでは、今後、第一弾の保険契約照会機能に続きさらなる高度化を進めます。具体的には金融機関によるアフターフォローの高度化・効率化のベストプラクティス実現に向け、イベント時(満期時、目標到達時、契約開始後N年経過時のイベント)にアプリからプッシュ通知による情報発信機能を2025年下期頃実装予定です。これにより、金融機関は能動的なデジタルによる情報提供手段が確立でき、高度化・効率化が期待できます。また、それ以外にも保険契約者を中心とした利便性の高い機能を多くのステークホルダーとともに実現していきます。
提供予定の機能
- アフターフォローに資する機能の充実(プッシュ通知、表示内容改善、保険会社マイページ連携、等)
- 金融機関トップラインへの寄与(対面相談機会創出、保険会社デジタル商品募集、等)
- 金融機関事務コスト削減・効率化(窓口問い合わせの軽減、蓄積データの活用、等)
NTTデータは、金融機関・保険等のインダストリーを超えた新しい顧客体験の提供を目指し、新たな社会価値創造を進めていきます。
注釈
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注1
「InsureView」は、保険デジタルサービスプラットフォーム「InsureMO注1」を活用したSaaS型ソリューションです。「InsureMO」は保険の申し込みから支払いまでデジタル完結できる保険デジタルサービスプラットフォームです。
保険デジタルサービスプラットフォーム「InsureMO」提供開始 | NTTデータ | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP -
注2
「My Pallete」はそれぞれの金融機関の独自サービスが自由に構築でき、構築したサービスを金融機関同士でシェアリングできるバンキングアプリサービスです。
金融機関独自サービスのシェアリングを可能とするアプリ「My Pallete3.0」を全国30金融機関に向けて提供開始 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP -
注3
「NTTデータ保険会社共同ゲートウェイ」は生保・損保業界共通の標準化されたシステム仕様に基づく、Webベースの新しいネットワークインフラです。
NTTデータ 保険会社共同ゲートウェイ | NTTデータ - NTT DATA -
注4
「金融オープンIT戦略」は金融機関/行政/企業の「Open Innovation」を実現する新しい金融ITの姿を具体化した標準アーキテクチャーです。
Open Service Architecture® | NTTデータ - NTT DATA
- 「My Pallete」は株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
保険ITサービス事業部
グローバル&ソリューション統括部
Iプロモーション担当
大羽、佐藤
E-mail:insmo_sales@kits.nttdata.co.jp