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2021.4.1技術トレンド/展望

DX成功の第一歩 ~管理職層のマインドチェンジ~

2020年、新型コロナウイルスは、人々の生活だけでなく、企業経営に大きな影響をもたらした。それにより、企業は大きな変革が求められており、DX推進の必要性がこれまで以上に増している。本記事では、DXをうまく推進するための重要な要素の1つである“人財”に着目し、その中でも管理職のマインド変革の必要性について述べる。

現在のDX推進の状況

2020年12月28日に経済産業省が公開したDXの加速に向けた研究会の中間報告書「DXレポート2」によると、約95%の企業はDXにまったく取り組んでいないレベルにあるか、DXの散発的な実施に留まっているに過ぎない段階であり、全社的な危機感の共有や意識改革の推進といったレベルには至っていないとの結果が出ました。
2020年、新型コロナウイルスが企業経営に大きな影響をもたらしことで、変革意識が高まりDX推進が加速するように思われましたが、なぜそうはいかなかったのでしょうか。

DX推進の障壁とは

昨年、筆者にてDX推進をすでに意識されている方々に、社内での活動内容や課題感をヒアリングする機会がありました。そこでDX推進の障壁になっているのではないかと感じるお話が2点ありました。

(1)危機感の欠如とこれまでのルールへの固執
ヒアリングの際に、「会社として今までにない新しい取り組みを上申しようとしたら、社内の前例を基準にされ、前例がないから判断ができないと言われ前に進められなかった」というお話を伺いました。「判断ができない」ということはその取り組み自体は悪いものではなかったのだろうと思います。しかし、管理職層が現状の評価基準では正しく評価ができない、さらに失敗が許されない文化、そしてこれらを変革し突破するほどに自社の現状に危機感を感じていないといった障壁により、会社として躍進するチャンスを潰してしまっている可能性があると感じました。

(2)優れた顧客体験の提供を阻む組織構造
私がお話を伺った方々は口を揃えて顧客の生の声を第一に考えていると仰っていました。これはDXに取り組むにあたってあるべき姿です。しかし、皆さん仰っていたのが「社内の他組織との連携は考えられない。連携した実績もあまりない。」ということです。”顧客第一”と”他組織との連携”に何が関係あるのかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 DX時代はVUCAの時代であり、ビジネス環境や市場、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難になっています。そのような時代の顧客ニーズは複雑で曖昧ですが、それを予測し続け、すばやく柔軟に対応し価値を創造し続けるには単一組織の視点や業務領域では限界があります。そのため、組織間連携が起こり得ない組織構造は、優れた顧客体験の実現を阻んでいる可能性があると感じました。

ここで例として挙げた2点は、DX推進にあたり管理職のサポートが不足していることが現れています。DX人財の育成の必要性を認識されている方は多いですが、管理職も育成対象として欠かさないことが重要です。
今回挙げた例は、一言で言うとDX推進の“環境”が未整備だと感じます。DX推進を成功させるには、環境作りが重要で、その役割を担うのは管理職層です。さらにその役割を果たすには、まずは管理職が自社を取り巻く環境を正しく理解し、自社の将来への危機感をバネに変革のアクションを自ら起こし社内にビジョンを訴えかけていく必要があります。これまでの管理職の役割とどう異なるのでしょうか。

DX時代に求められる管理職層

顧客を取り巻く環境が比較的安定しており予測可能な時代には、管理職は最初に立てた戦略、ルールに則り計画通りかつ設定したゴールに向かって進捗管理をすることが重要なマネジメントでした。これは、現在最も広く普及しているマネジメント方法です。
しかし、現代はVUCAの時代です。最初に立てた計画通りに最後まで一直線に進めてしまうと、サービスをリリースした時には計画時と環境が変わり、顧客にとってすでに価値のないサービスになっている可能性があります。そこで、価値創造プロセスにおいて仮説形成と検証を繰り返し、顧客価値を最大化し続けるマネジメントが重要になってきます。
その場合、メンバはトップダウンの支持を待って動くのではなく、自律的に行動でき、変化への対応力や柔軟性を持ち、周囲を巻き込み突破することのできる模索型人間である必要があります。
管理職層は、彼らが相互に協調し合い、よさを互いに引き出し創造性の化学反応を起こすような状況(いわゆる自己組織型チーム)を創るために、組織の方向性や枠組みを創ることが求められます。

DX推進を成功に導くために管理職の皆様に意識いただきたいこと

DX時代に求められる管理職としてDX推進を成功させていただくため、筆者としては、管理職の皆様に以下を意識いただきたいと思っています。

  • 現状に強烈な危機感を持っていただく
  • これまでの常識ややり方に囚われない変革意識を持っていただく
  • 他人に任せるのではなく、当事者意識で自らが動いていただく

NTTデータでは、管理職の皆様に上記意識を醸成いただき、VUCA時代、これまでのマインドセットを武器とするのではなく、新たな武器へと強化いただくために管理職向け研修をご用意しています。

管理職はDX推進の成功に向けてどのようなステップを踏むべきか

NTTデータは、管理職のDX推進の成熟度に応じて段階的に管理職向けの研修をご用意しています。

Step1

Step1は、DXとはそもそも何なのか、市場環境がどうのように変化しているのかを理解し、他企業のDXの取り組み事例からインスピレーションを得て自組織の課題に気づくことを目的とします。
管理職の皆様にはこのStepで現状に強烈な危機感を持っていただきます。

Step2

VUCA時代においては、組織の違い、権限、役職にとらわれず、各個人が主体性や自立性を持って
取り組むことが求められます。そこでStep2では、他組織との関わり方、共創のあり方がどのようになるかイメージできるようにします。
管理職の皆様にはこのStepでこれまでの常識ややり方に囚われない変革意識を持っていただきます。

Step3

前項でも触れた通り、DXで求められるマネジメント層としては、いわゆる権力者型や変革者型ではなく、支援者型として、現場メンバの自立的な行動を促し、能力を引き出すことが求められます。Step3ではDXのあり方を理解し、自分がどのようなアクションとることが現場層への支援となるか考えていただきます。
管理職の皆様にはこのStepで他人に任せるのではなく、当事者意識で自らが動く準備をしていただきます。

管理職層向けマインドチェンジ研修の受講者の声

NTTデータで提供している管理職向け研修の受講者の満足度としては現時点で90%以上の受講者から満足との声をいただいています。
特に、NTTデータ内の事例として実際にDX組織作りに取り組んだ方の生の声をご紹介するパートは、DXにおける組織のあり方が具体的にイメージしやすく気づきになるとのことでとても好評です。また、そういったインプット情報を得て実施するグループワークは視野の拡大、一体感の醸成という両面があるとの声をいただいており、研修そのものがDX推進で必要となる組織での共創活動を体感する側面もあります。

最後に

本記事は管理職層のマインドチェンジの必要性や取り組むべきことの一部分をご紹介しました。しかし、DX推進はお客様の置かれた状況によって、いろいろなアプローチが考えられます。NTTデータは本研修の提供に加え、DX推進のロードマップを描くお手伝いをさせていただき、お客様の未来を一緒に描くことのできるビジネスパートナーとしてご支援いたします。

- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -
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