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2021.10.28事例

テレビ朝日 Qさま!! で当社Twitterサービスを活用!仕掛け人が語る魅力とは?

テレビ朝日の人気番組「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」で実施した視聴者参加型クイズ企画には、NTTデータのTwitterデータ提供サービスが活用されています。活用の背景やTwitterを利用するメリット、今後の展望など、テレビ朝日の仕掛け人の二人にお話を伺いました。

NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。

今回お話を伺った2人今回お話を伺った二人原田裕生さん(左) 株式会社テレビ朝日 IoTv局IoTvセンター
小林宏嗣さん(右) 株式会社テレビ朝日 技術局コーポレートデザインセンター 兼 IoTv局IoTvセンター

視聴者との関係構築にTwitterを活用

―2021年7月12日(月)放送の「クイズプレゼンバラエティー Qさま!! 3時間スペシャル」を拝見しました。視聴者参加型クイズが良いアクセントになっていて、あっという間の3時間でした。

原田さん:ありがとうございます。

クイズプレゼンバラエティー Qさま!!【毎週月曜21時~】

番組公式サイト(外部リンク) 番組公式Twitter(外部リンク)

―「Qさま!!」の視聴者参加型クイズで、Twitterを利用した理由を教えてください。

原田さん:ひとことで言うと、番組をリアルタイムでたくさんの人に見てもらうためです。番組を見ていない人に番組を知ってもらい、そして見てもらうためには、SNSの活用が有効だと考えています。例えば、Twitter上で話題になりトレンド入りすれば、それを見た人がリアルタイムで番組を見てくれる可能性が高まります。Twitterなら若年層にも効率的にアプローチできます。

小林さん:テレビ局として視聴者とのタッチポイントを作りたいという想いがあります。テレビとインターネットは本来親和性があるはずなのに、これまではリモコンのdボタンしかなく、ハード面の隔たりがありました。それを解決するためにTwitterを利用するのは自然な流れでした。

―視聴者にクイズに参加してもらうためにどのような工夫をしていますか?

原田さん:簡単にツイートしてもらえるように、Twitterのカンバセーショナルカード(ツイート上のハッシュタグ入りアクションボタン、下図参照)を利用しています。視聴者は自分でハッシュタグを入力しなくても、選択肢を選ぶだけでハッシュタグ付きツイートができます。

―現在、番組公式アカウントのフォロワー数は約5.7万(2021年10月18日時点)ですが、この企画でフォロワーは増えましたか?

原田さん:はい。視聴者の方には、番組公式アカウントをフォローいただいた上で、正解だと思う選択肢をツイートしていただくので、フォロワーを増やすことにも役立っています。

小林さん:企画をやると万単位でフォロワーが増えました。フォローしてもらえると次回の放送予定などの情報を届けられるので、フォロワーが番組の資産となり、長期的なメリットにもつながっています

リアルタイム・全量ツイートを安心して使えることが導入の決め手

―どのようにツイートデータをリアルタイムで集計して画面に表示しているのでしょうか?

原田さん:NTTデータのTwitterデータ提供APIから取得した全量ツイートデータをもとに、指定したハッシュタグを含むツイートを集計してグラフを生成し、テロップやCGを用いてリアルタイムに放送画面上に表示しています。これを実現するための基盤として「番組Tweetリアルタイム連動システム:TwiBro(ツイブロ)」を自社で開発しました。

小林さん:以前から視聴者のツイート本文をテロップで出すことには取り組んでいたので、今回の開発も比較的スムーズに進めることができました。

図:システム構成(取材内容をもとに編集部が作成)

図:システム構成(取材内容をもとに編集部が作成)

―NTTデータの「Twitterデータ提供サービス」はどのような経緯でご採用いただいたのでしょうか?

原田さん今回の取り組みのカギは、「ツイートデータのリアルタイム全件取得」でした。そこでTwitter Japanの担当者に相談したところ、NTTデータがリアルタイム・全量のツイートデータを提供していると伺ったことがきっかけです。NTTデータが提供するツイートデータは、「Twitter社が公式に取得・商用利用を認めたデータ」ですので、我々としても安心して利用できると考えました。

―リアルタイムの集計では不測の事態が起きる可能性があると思いますが、どのように対応されていますか?

小林さん:危機管理は意識して取り組んでいます。オンエア前に念入りにテストしていますし、当日も不測の事態に備えて、現場でスタンバイしています。

原田さん:不測の事態を想定して、「①件数と比率を出す」「②比率だけ出す」「③お断りテロップを出す」のような複数の表示パターンを準備しています。正常時は①、何かしらのトラブルで件数が少なすぎる場合は②、大規模トラブルの場合は③、というようにリアルタイムで切り替えられるようにしています。また、番組公式Twitterでは番組の進行を見ながら、手動でツイートを投稿しています。トラブルが発生した場合に投稿する内容も予め決めてあります。

―「Qさま!!」の番組自体は事前に収録されているので、リアルタイムで情報を重ねるということは、あえてリスクを取っているということですね。「攻めの番組づくり」という印象です。

小林さん:そうですね。番組のプロデューサーが比較的若くて新しい取り組みへの関心が高かったこともあり、スムーズに話が進みました。

原田さん:メリットとリスクを理解した上で企画を採用してくれた番組側に感謝しています。

小林さん:番組公式アカウントのフォロワーが増えるなど、目に見える結果が出ているので、さらに新しいことにチャレンジしようという雰囲気になっています。SNSを活用することで、「番組が話題になる」「テレビが話題の発信源になる」といった新たな目的意識が生まれていることも非常に良い傾向だと思います。

―他の番組でも利用されているのでしょうか?

原田さん:はい。「声優パーク建設計画VR部」の特別枠として生放送を行い、その中の視聴者参加クイズでも利用しました。

声優パーク建設計画VR部【毎週日曜23時55分~】

番組公式サイト(外部リンク) 番組公式Twitter(外部リンク)

小林さん:生放送で番組を行ったので、当日はかなりバタバタしましたが、なんとか乗り切りました。

原田さん: 声優パーク建設計画VR部は、バーチャル空間「バーチャル六本木」を建設していくバラエティ番組です。バーチャル六本木では様々なイベントを予定していますので、番組公式Twitterをフォローして頂けると嬉しいです!

―クイズ以外にもさまざまな活用シーンが考えられそうですね。

原田さん視聴者と双方向のバラエティ番組を作りたいですね。スポーツや音楽番組などの生放送番組との相性も良いので、今後取り組んでいきたいです。また、放送だけでなく、イベントでも利用できると思っています。コロナ禍でイベントのオンライン配信が増えている中、生配信でトレンド入りして注目を集めて、アーカイブ配信のチケットを買ってもらうような流れを作れると理想的ですね。

「新しい時代のテレビ局」へ進化するテレビ朝日

―今回のお話は、Twitter活用の好事例であり、イノベーションの成功事例でもあると感じました。こうした取り組みを推進する「インターネット・オブ・テレビジョンセンター(IoTvセンター)」はどのような組織なのでしょうか?

原田さん:IoTvセンターは、2018年11月に社内に設立された新組織です。5GやIoT社会の到来に合わせて、「既存の放送という概念のみに固執せず、インターネット技術を取り込み、視聴者・消費者とアドバタイザー(広告主)のニーズに応えるべき」との考えに基づいて設立されました。私は、TwiBroの他にもVR/ARなどの先端技術を活用したコンテンツビジネスの開発にも取り組んでいます。新しいことにチャレンジできるし、そのための投資もしてもらえるので、環境として恵まれていると思います。

―番組側とはどのように連携しているのでしょうか?

小林さん:基本的にはIoTvセンターで新しいことを考え、企画書を書いて番組側に展開し、番組側から引き合いがあれば一緒に取り組む、という流れです。システム開発は技術局の仕事になります。

―新しい取り組みには苦労がつきものですが、最初からうまくいったのでしょうか?

小林さん:最初はうまくいかないこともありました。例えばTwiBroの企画当初は音楽番組やバラエティで視聴者の盛り上がりを表現することを目的として、ツイートの量に応じて画面上にエフェクトを入れるようなことを考えていました。ただ、それでは視聴者は何が起きているか理解できなかったり、何が起こっているか理解してもらうために画面が説明的になったり、ということで番組側からの反応はイマイチでした。

そこで企画から練り直し、「複数ハッシュタグを集計してグラフを作ればクイズで活用できるのでは?」と方向転換したところ、「Qさま!!」の番組スタッフからすぐに「是非やりたい」という返事が来て、今回の取り組みが実現しました。

―IoTvセンターと番組制作現場の協力関係が素晴らしいですね。

原田さん:番組内でMCに視聴者参加クイズをうまく進行してもらえるように台本の読み合わせから参加させてもらったり、カンバセーションカードの設定に問題がないか確認したり、番組側と一緒になって実現したという感じです。

―今後のさらなるTwitter活用、新たなコンテンツの誕生が楽しみです。

小林さんTwitterデータは使い勝手がよく、アイデア次第でいろいろなことができるので、これからも活用を進めていきたいと思います。

原田さんTwitterには無限の可能性があると思っているので、今後もどんどんチャレンジしていきます。世の中には「テレビはもうダメだ」と言う人もいますが、自分たちは若い人たちにもテレビを楽しんでもらえるように新しい取り組みを続けていくので、この記事を通して自分たちの取り組みを知っていただき、今後の番組に注目してもらえると嬉しいです。

―貴重なお話ありがとうございました。

<記事内で紹介した番組>

クイズプレゼンバラエティー Qさま!!【毎週月曜21時~】
さまぁ~ず、優香、高山一実がMCを務め、テーマに沿った問題にチームで挑む学力クイズバラエティー、2004年10月放送開始
番組公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/qsama/
番組公式Twitter:https://twitter.com/tvasahi_qsama

声優パーク建設計画VR部【毎週日曜23時55分~】
関智一とぺこぱがMCを務める、テレビとVRを融合させた街づくり建設バラエティ、バーチャル六本木では様々な企画が進行中、2021年3月放送開始
番組公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/vr_roppongi/
番組公式Twitter:https://twitter.com/Seiyu_VR

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