1.そもそもブロックチェーンって?
ビットコインは皆さんご存知ですね。簡単に言いますと、ビットコインは中央管理者を必要とすることなく、仮想通貨を発行・流通させる仕組みです。ビットコインを支える技術に注目が集まり、後にブロックチェーンと呼ばれるようになりました。ブロックチェーンには以下の特徴があります。
表1:ブロックチェーンの特徴
従来の中央管理されるデータベースでは、これらの性質を満たすことが難しく、ブロックチェーンに期待が集まる理由でもあります。ビットコインは仮想通貨の扱いに特化するものですが、様々な情報の流通や管理にブロックチェーン技術が適用できるのではないかと考えられています。
では何故ブロックチェーンは情報の流通に有効なのでしょうか。それは「非中央集権性」という特徴によるものです。データ観点で見る「中央集権」と「非中央集権」の違いは以下の通りです。
図1:中央集権と非中央集権の違い
つまり、これまでのデータベースは1カ所で管理されていましたが、ブロックチェーンでは、ネットワークへの参加者は皆同じデータベースを保有することになり、データを流通・共有することができます。
2.ブロックチェーンによる社会のデジタル化事例
企業・社会のデジタル化には様々なアプローチがありますが、その中の1つにデータ活用があります。昨今、官民データ活用推進基本法にオープンデータへの取組み努力義務化が記載されるなど企業だけではなく行政でもデータ活用が活発になっています。しかし、組織・企業が保有するデータを一般公開することは難しく、信頼できる個人・組織に対して安全にデータ提供することが現実的です。そこでブロックチェーンの登場です。ブロックチェーンを活用すれば組織・企業間でデータを安全・安心に流通できます。もしこのような未来が訪れるとしたらどのような社会になるのでしょうか?
安全・安心なデータ流通が実現すると、組織・企業も安心してデータ提供することが可能となり、これまで組合せが難しかったデータを組合せて活用することができます。
表2:データ活用によるデジタル化の例
1つ目の例でいいますと、これまで過供給であった食品が、正しく需要予測可能となり、社会問題である食品ロスへの対応、企業にとってはコストカット、消費者にとっては低価格化という利益がもたらされます。これは電力などのエネルギーでも同様に考えることができます。
また、2つ目の例でいいますと、これまで値付けが難しかった不動産価格に対して、国税庁が公表している路線価、総務省統計局が公表している国勢調査・住宅・土地統計調査などのデータと組み合わせて分析することにより、任意の場所における不動産取引成約価格の予測が可能となり、地方自治体や不動産企業にとっては都市開発計画の戦略確度の向上、消費者にとっては納得感のある不動産購入が可能となります。また、警視庁が公開している犯罪統計などと組み合わせることにより治安向上のための取組みに活かすことも可能です。
3.今後の展開
本稿ではデータ活用を中心にブロックチェーンによる社会のデジタル化についてご紹介してきました。その他にもブロックチェーンの「改ざん防止」などの特徴を活かした以下のような活用方法があります。
- 食品の全材料、生産から小売りまでの全工程をトレースし、安全性向上
- 不動産物件・契約情報を管理し、契約の透明性・利便性の向上
- デジタルコンテンツの著作権管理
また、これまで述べたことを実現するためには、技術面以外にも課題があります。
- 関係企業の連携推進やコンソーシアム運営
- 既存システムとブロックチェーンの連携
- 真に解決すべき課題の整理とスピーディな検証・実現プロセス
当社ではブロックチェーンのテクノロジー面だけでなく、コンサルティング、コンソーシアム運営、実証実験、プラットフォーム構築、運用まで全てのプロセスをサポートしています。
多くの企業がデジタル化に向けて取組みを進めております。その中から結実したサービスによって、先に記載した未来が実現する日もそう遠くないのではないでしょうか。